転職を考えたときに、重要視する条件として「給与」「勤務地」「福利厚生」「年間休日」などを見ている人が多いのではないでしょうか。
上記の「年間休日」に加えて、「お盆休み」があるかどうかも、人によっては確認する必要があるかもしれません。
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働いている会社にお盆休みがなくてつらい
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転職を考えているけど、お盆休みってそんなに重要?
今回はお盆休みがない業界・お盆休みがある業界のご紹介と特徴をご説明するとともに、お盆休みの捉え方の違いについてもご紹介していきます。
これから転職される方、現在の職場に不満を持っている方の参考になればと思います。
お盆休みはいつ?
盆休みは日本特有の風習になり、各年によって、若干変動がありますが、8月13日から16日の間に設定されることが多いです。
外資系企業では、7月~8月に好きなタイミングで1~2週間取得する休暇を夏休みとするのが一般的です。
日本のお盆休みの始まりは江戸時代から昭和にかけて行われていた「藪入り」という制度と言われています。
- 藪入り
- 1月16日、7月16日に奉公人が休暇をもらって帰省する日で、昭和まではデパートやお店でも定休日にするところが多かった
お盆休みがないのは法律的に問題ない
お盆休みは法律で規定されている休日ではないため、お盆休みがない会社も法律に反しているわけではありません。
参考までに、労働基準法で定められている休日についてご紹介します。
ポイント
法定の労働時間、休憩、休日
使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休暇を与えなければなりません。
年次有給休暇
労働者が(1)6ヶ月間継続勤務し、(2)その6ヶ月間の全労働日の8割以上を出勤した場合は、10日(継続または分割)の有給休暇を与えなければなりません
参考:厚生労働省「労働時間・休日」(参照 2024-8-31)
お盆休みがない=夏季休暇がないというわけではない
お盆休みがないからといって、悲観する必要はありません。
決まった時期にお盆休みがあるのではなく、自分で休みたい時に休みが取れる夏季休暇制度を導入している企業もあります。
外資系の企業だけではなく、日本の企業でも、決められた日数が夏季休暇として与えられる制度を導入している企業も多くあります。
また、休暇が付与されることはなくても、お盆の時期に有給休暇を取りやすくしている企業もあります。
自分のライフスタイルに応じて、お盆休みがある企業がいいのか、お盆とは外れた時期に休みがとりたいのかを判断することが必要になります。
企業がお盆休みを導入するワケ
mitorizの調査によると、日本の会社員の約4割はお盆休みがあるようです。中でも5日以上の連休がある会社員は50%を超えます。
法的で定められていないにも関わらず、なぜ多くの企業ではお盆休みを導入しているのでしょうか?
企業がお盆休みを導入しているワケ
- 就職希望者へのアピールのため
- 勤続中の社員のモチベーションや満足度の向上のため
一つとしては、就職希望者へのアピールという点が挙げられます。
日本では急速に労働人口が減少しており、様々な業界で人手不足が発生しています。各企業では就職希望者にいかに選んでもらうかを重要視しており、お盆休みなど「休日の充実度」をアピールする企業も多くなっています。
また、二つ目の点としては、勤続中の社員のモチベーションアップや満足度につながるといった面があります。
お盆休みだと会社全体が休みになるため、休みの間に仕事が溜まることもありません。仕事のことを考えず、リフレッシュできる機会があるのは働く側にとって重要なことと言えます。
働く側としてのメリットとしては、周りの友人・家族と同じ時期に休みが取得できることも挙げられます。
普段の休みではなかなかできない旅行や外出を、複数人で予定を組むことができるのは、お盆休みならではです。
また、保育園によっては子どもを保育園に預けることができないこともあり、お盆休みがある企業にメリットを感じる方もいます。
お盆休みの注意点
お盆休みには2パターンの付与例があります。
参考
パターン1
特別休暇(法定外休暇)として付与される
パターン2
法定休暇として労働者の年次有給休暇が使用される
パターン1の場合は、自分が持っている有給休暇に加えて、お盆休みが付与されます。
一方で、パターン2だと自分の有給休暇をお盆休みとして使わなければいけないため、自分の都合で休める日数が減ることになります。
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「休みを増やしたい」という方は特別休暇で付与されるパターンがよさそうですね。
お盆休みがある・取りやすい業界
夏季休暇制度などがある企業など、休みの取り方は企業それぞれということがおわかりいただけたと思います。
ここからは決められた時期に休みを取る「お盆休み」に絞って業界の特徴をご説明します。
まずは、お盆休みが導入されていることが多い業界をご紹介します。
製造業
工場では年始年末・お盆休み・ゴールデンウイークを長期休暇にするのが一般的です。工場が稼働していないと商品の出荷などもできないため、本社・関連の企業なども同じ時期に長期休暇をとる場合が多いです。工場は激務という印象も持たれやすいですが、年間休日は平均120日とかなり多いことも特徴です。
土木・建設業
土木・建設業界は日曜日に加えて年始年末・お盆休みなどを所定休日とする企業が多いです。また、近隣の住民に考慮して早朝・深夜の作業が禁止されているため、8時30分から17時30分が一般的な作業時間であることも一つの特徴です。
不動産業界
不動産業界では。お盆や年始年末はお客さんが来ることが少ないため、休みになっている企業が多くなっています。不動産の中でも仲介を行う企業では、水曜日を定休日にしている場合が多いため、土日休みを希望する方は要注意です。
広告業界
広告業界では、代理店や制作会社などでお盆休みを導入していることが多いです。休みの企業が多い反面、フリーランスで働く人は休みがなく、労働時間の長期化が問題視されることもあります。働く企業や雇用形態によってかなり差が出る業界ですので、注意が必要です。
お盆休みがない業界10選
では次にお盆休みが取りにくい業界をご紹介します。
医療・福祉業界
医療業界や福祉業界はそもそも固定の休みを置いていないところがほとんどです。大規模な施設では、いつ対応が発生してもいいように、勤務は交代制で夜勤がある場合が多くなっています。
個人のクリニックや介護施設であれば、お盆休みが休みのところもありますので、個別に確認が必要です。
飲食・宿泊業
お盆休みで人が動きやすい時期は、飲食・宿泊業界では稼ぎ時になるため、基本的に休みがありません。また、飲食・宿泊業界の有給休暇取得平均は6.7日と、全体の平均取得日数10.9日よりもかなり少なくなっており、全体的に休みが少ない業界です。
物流業界
郵便局や配送業などの宅配業は営業時間や受付方法が異なる場合があるものの、お盆休み中も営業をしている企業がほとんどです。一方で、トラックや倉庫などで法人取引を主にしている企業は、お客さんがお盆休みになると業務もなくなるため、同時期にお盆休みをとる企業もあります。
小売業
コンビニやスーパーマーケットなどの小売店は、お盆休みを入れている企業が少なく、通常営業を行っているところがほとんどです。小売店ではシフト制の勤務形態を取っている企業が多く、休みについても個々人の希望を加味して調整する必要があるため、連休なども取得しづらくなっています。小売業でも店舗ではなく、本社勤務の場合はお盆休みがある場合があります。
金融業
銀行や証券会社の休みは法律によって土日祝、年始年末と定められています。そのため、金融業では基本的にお盆休みがありません。しかし、大手の企業では福利厚生が充実している企業も多く、その他の休暇が取れる場合もあります。
IT業界
IT業界は年間休日も比較的多く、働きやすい印象があるかもしれません。しかし、扱うシステムによってはお盆に関係なく稼働しており、不具合対応のために人員を配置しなければならない場合があります。また、人手不足の企業も多いため、プロジェクトの忙しさによって休みの有無が左右される面もあります。
お盆休みがない業界の特徴
お盆休みがない業界を見てみると以下の特徴があることがわかります。
- 生活する上で重要な社会インフラの役割を担っている
- 個人を主なお客さんにしている
- 緊急性の高い対応がある
お盆休みがないとされる業界内であっても、企業によってはお盆休みが導入されていることもありますので、業界の情報を加味した上で、個々の企業の情報も確認することが必要です。
お盆休みがある会社に転職する際の注目点
ここからはお盆休みを希望される方向けに、特に求人を見る際に気を付けていただきたい点をご紹介します。
業界や希望年収を絞っても、求人はかなりの数出てくるかと思います。
お盆休みがあるのかどうかを判別するには、求人票で以下の情報を見てみてください。
見るべき情報
- 上場企業かどうか
- 年間休日が125日以上か
一般的には企業の規模が大きくなるほど、福利厚生や休暇制度が充実しています。
そのため、上場している企業であれば、お盆休みを導入している可能性が高いです。
また、上場していない企業でも、求人票に年間休日が125日以上との記載があったり、休日に「夏季休暇」と記載がある場合は、お盆休みを導入している場合が多いです。
ただ、配属部署や業務によって変動がある場合もありますので、面接などで確認が必要です。
お盆休みが必要かどうか一度考える
ここまでお盆休みの良い点について触れてきましたが、実は人によってデメリットに感じる点もあります。
その点も踏まえて自分にお盆休みが必要かどうか、どのくらい重要視すべきかを判断することが重要です。
お盆休みは、一般的に実家に帰省したり、旅行をしたり、普段の休みではできないことをする人が多いです。
しかし、お盆休みは企業に関係なく同時期に大勢の人がとるため、交通機関や観光地なども混雑します。
そういった面を考えると、自分が休みたい時期にゆったり休める夏季休暇を好む人にメリットを感じる人もいるかもしれません。
実際、他の人と休みをずらすことのメリットは以下が挙げられます。
- 移動や観光地が混雑していないため過ごしやすい
- 店や旅館などの予約が取りやすい
- 飛行機や新幹線、宿泊などの費用が安い
お盆休みはなくても稼ぎたい人におすすめなのはナイト系求人!
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柔軟な働き方ができる企業も多いため、自分に合わせた働き方が可能です。
また、学歴や職歴ではなく成果が評価されるため、未経験からでも年収1000万円の高収入を目指せます。
ナイト系は高校生を除く18歳以上であれば応募が可能です。
お盆休みがある企業に転職したい時は、業界と年間休日を確認する!
お盆休みがある企業には、大きく3つの特徴が見られます。
下記のポイントを押さえると、お盆休みがある企業である可能性が高くなりますので、確認してみてください。
- 社会インフラ系の業界ではない
- 顧客が法人
- 年間休日が125日以上
お盆休みがある企業は、社員の働きやすさを重視する考えがあるため、年始年末などの他の休みや福利厚生が充実している場合も多いです。
お盆休みがある企業への転職をしたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。