金融の年収まとめ!稼げる人と稼げない人の特徴と年収アップのコツ

金融の年収まとめ!稼げる人と稼げない人の特徴と年収アップのコツ

金融業界は、お金を必要とする企業・個人にお金を貸すことで社会経済を支える役割を担っています。
金融業界の主な業種には、銀行・証券会社・保険会社などが挙げられますが、果たして年収はどれくらいなのでしょうか。

本記事では、金融業界の平均年収や稼げる人と稼げない人の特徴、金融業界で稼ぐ方法などを詳しく解説します。

  • 「銀行」「証券」「保険」の3業種を軸にした、年収の高い企業ランキングも紹介するので、金融業界で収入を上げたい方はご覧ください!

金融業界の平均年収は469万円

金融業界の平均年収は、約469万円です。
平均年収をもとに生涯年収を算出すると、約1億7,822万円になります。

この生涯年収は、大学卒業後の22歳から定年を迎える60歳までの38年間、金融業界の同一企業に勤務し続けると仮定して単純計算したものです。

金融業界の中でも、「投信/投資顧問」「証券会社」「信託銀行」は特に年収が高い傾向にあり、すべて平均年収が500万円を超えています。

なお、ここで紹介した金融業界の平均年収は、職種・地域・年齢などを問わずすべての業種を含めた平均値を算出しています。
同じ金融系でも、携わる業種や職種などによって、年収が大きく変動する点に注意してください。

金融業界の収入内訳

金融業界の主な収入内訳は、「基本給+賞与+諸手当」です。
金融業界はいくつか業種がありますが、どれも基本的に収入内訳は変わりません。

諸手当は、残業手当、資格手当、通勤手当、家族手当、住宅手当などが代表的で、管理職になれば役職手当もプラスで支給されます。

また、金融業界は個人の成果に応じて、基本給とは別に報酬を支給するインセンティブ制度を取り入れている企業も多いです。
インセンティブ制度は、主に営業職で採用されており、案件獲得数や契約数などによって成果報酬がもらえます。

インセンティブ制度がある企業に就職すれば、実力次第で大幅な年収アップが可能で、年収1,000万円に到達する人もいます。

【年代別】金融業界の平均年収

金融業界の平均年収は、年代に応じて異なります。

20代の平均年収は387万円ですが、50代の平均年収は714万円と300万円以上も上がっています。

金融業界は、携わる業種や職種によって異なるものの、主に実績の積み上げが評価される風潮があり、継続的に成果を上げている人は収入アップやキャリアアップがしやすいです。

なお、30代・40代では500万円台だった年収が、50代で一気に700万円台まで急上昇する理由として、50代で上位の役職に就くタイミングと重なることが挙げられます。

【性別】金融業界の平均年収

金融業界の男女の平均年収は、男性より女性のほうが178万円少ないです。

男性より女性のほうが年収が低い理由は、女性幹部を登用する企業が少ないことが一因だと考えられます。

また、金融業界で働く女性の多くは一般職や地域限定職で働く傾向があるので、男性に比べてキャリアアップが目指しにくいです。
金融業の男女間賃金差は、全業界の中でもトップクラスというデータもあり、男性と女性で収入格差が発生しやすい業界だと言わざるを得ません。

しかし、インセンティブ制度を採用する金融系の企業に就職すれば、頑張り次第で女性も高収入を狙えます。

ちなみに、国税庁の調査によると、日本の給与所得者の平均年収は男性が563万円、女性が314万円なので、金融系は日本の平均以上の収入を得やすい業界です。

 

【地域別】金融業界の平均年収

給与水準は、地域の経済状況やニーズの高さによって異なる場合があります。
金融業界の地域別の平均年収は以下の通りです。

都道府県

平均年収
北海道・東北 409万円
関東 513万円
北信越 403万円
東海 427万円
関西 432万円
中国・四国 415万円
九州・沖縄 405万円
参照元:転職・求人doda(デューダ)「年収の高い業種は?平均年収ランキング(47都道府県・地方別の年収情報)【最新版】」(参照 2024-05-08)

金融業界の平均年収が最も高い地域は関東地方の513万円、最も低い地域は北信越地方の403万円で、110万円の収入差があります。
金融業界の企業は、東京をはじめとした関東地方に本社を置くケースがほとんどです。

単純に物価が高いだけでなく企業の基幹となる業務は本社で担当するので、おのずと本社が集まる関東地方の平均年収も高くなっていると言えます。

  • 金融の仕事で年収アップを目指すなら、平均年収が高い地域に就職することも検討しましょう。

 

金融業界の平均年収が高いと言われる理由

金融業界の平均年収は約469万円で、日本の平均年収である458万円を上回っていることを踏まえると、平均年収が高い職業と言えます。
金融業界の平均年収が高いと言われる理由は、主に以下4つです。

  • 責任重大な仕事だから
  • 投資先の対象を変えながら収益を得られる業界だから
  • 他の業界ほど競争環境が厳しくないから
  • インセンティブによって収入を伸ばしやすいから

金融業界の仕事は、人々の生活において必要不可欠な存在であるお金を扱う業務が多く、まさに責任重大です。些細なミスでも多大な損失を引き起こす可能性があり、常に大きなプレッシャーを伴うので、給料が高めに設定されています。

また、お金を直接取り扱う金融業界は、大きな収益を得るためにその都度顧客や融資先などを変えられるのも特徴です。お金を動かせる先が縛られていない分、安定して高い売上を出しやすい点も、高い給与水準を維持できる一因となっています。

さらに、金融業界の業種の多くは、行政機関の免許・許可・登録が必要な規制業種です。
参入障壁が高いことから、他の業種と比べて価格競争が起きにくいのも理由として挙げられます。

そして、主に金融の営業職でインセンティブ制度を導入しており、基本給とは別に成果報酬も支給される点も、金融業界の平均年収を押し上げる要因と言えます。

 

金融業界で年収の高い企業ランキング

金融業界の年収の高い企業をご紹介します。
ここでは、企業口コミサイト「openwork」の2024年5月時点の情報を参考に、「銀行」「証券会社」「保険会社」の3業種にわけてランキング形式でまとめています。
 

平均年収の高い銀行TOP5

平均年収が高い銀行TOP5は以下の通りです。

順位

企業名 平均年収
1位 香港上海銀行(HSBC) 1,312万円
2位 シティバンク、エヌ・エイ東京支店 1,019万円
3位 株式会社日本政策投資銀行 993万円
4位 株式会社みずほフィナンシャルグループ 878万円
5位 みずほ信託銀行株式会社 848万円
参照元:openwork「【2024年05月最新】平均年収ランキング|銀行(都市・信託・政府系)、信金業界で年収が高い企業TOP20」(参照 2024-05-22)

年収1,000万円を超える上位2社はどちらも外資系銀行なのが特徴です。
3位の「株式会社日本政策投資銀行」は、日本の政策金融機関の一つで、公益性を重視する事業の出資・融資を中心に行っています。年収の高さにくわえて、安定性が非常に高いのも魅力です。
 

平均年収の高い証券会社TOP5

平均年収が高い証券会社TOP5は以下の通りです。

順位

企業名 平均年収
1位 ドイツ証券株式会社 3.194万円
2位 BofA証券株式会社 2,108万円
3位 JPモルガン証券株式会社 1,988万円
4位 ゴールドマン・サックス証券株式会社 1,908万円
5位 UBS証券株式会社 1,754万円
参照元:openwork「【2024年05月最新】平均年収ランキング|証券会社、投資ファンド、投資関連業界で年収が高い企業TOP20」(参照 2024-05-22)

証券会社は、上位5社すべて外資系企業であり、年収1,000万円を超えているのが特徴です。
平均年収3000万円を超えるドイツ証券株式会社は、「顧客中心主義」をモットーに国内外を問わず株式・債券のセールス、資金調達などを行っています。
 

平均年収の高い保険会社TOP5

平均年収が高い保険会社TOP5は以下の通りです。

順位

企業名 平均年収
1位 プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社 1,202万円
2位 SOMPOホールディングス株式会社 1,103万円
3位 プルデンシャル生命保険株式会社 1,079万円
4位 株式会社FPパートナー 1,030万円
5位 カーディフ生命保険株式会社 983万円
参照元:openwork「【2024年05月最新】平均年収ランキング|生命保険、損害保険業界で年収が高い企業TOP20」(参照 2024-05-08)

保険会社は、上位4社が年収1,000万円を超えており、外資系企業・日系企業ともにランクインしているのが特徴です。
1位のプルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社は、東京に本社を置く日系企業です。主に、金融機関や代理店を経由して販売する生命保険商品を扱っています。

 

金融業界で稼げる人・稼げない人

金融業界で稼ぐためには、以下のようなスキルが求められます。

  • 論理的思考力
  • 忍耐力
  • コミュニケーション能力
  • 提案力
  • 情報収集力
  • 分析力

上記の能力を踏まえたうえで、稼げる人と稼げない人の特徴をまとめました。

金融業界で稼げる人 金融業界で稼げない人
勉強熱心な人 臨機応変な対応が苦手な人
ストレス耐性が高い人 仕事が大雑把な人
ロジカルシンキングが得意な人 一人で仕事をしたい人

金融業界は、お金に関する幅広い知識や高いスキルを持つ人材が重宝されます。
難関資格を取得したり積極的に最新情報を得ることがアドバンテージになるため、情報収集能力が高く勉強熱心な人は金融業界に向いています。

また、複雑なお金の仕組みについてわかりやすく説明するための論理的思考力も求められ、コミュニケーションやロジカルシンキングが得意な人ほど活躍しやすい業界です。

そして、顧客の大切なお金を取り扱う業務が多い金融業界は、少しのミスも許されず大きなプレッシャーを感じながら働かなければいけません。営業職の場合、基本的にノルマが発生するため、心身ともに負担がかかります。
高いストレス耐性が求められる環境下の中でも、大雑把な仕事をせず正確かつ丁寧に業務に取り組める人は、金融業界で長く活躍できると言えます。

さらに、顧客との信頼関係を築くことも金融業界で稼ぐうえで非常に重要なポイントです。
一人で仕事を完結しようとせず、スタッフと綿密な連携を図りながら顧客の信頼を獲得できる人は金融業界の仕事に適しています。

 

金融業界で年収・給与を上げるポイント

金融業界の仕事は、高収入が得られる傾向にあるものの、実際に働く人の中には「思ったより稼げていない」「今よりさらに年収を上げたい」と感じている人もいます。

金融業界で年収・給与を上げるために、以下のような方法があります。

  • 業界で重宝される資格の取得を目指す
  • 業界の中でも年収が高い金融専門職に転職する
  • 外資系の銀行や証券会社に転職する

それぞれ詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
 

業界で重宝される資格の取得を目指す

金融業界で年収アップを目指すためには、業務に役立つ資格の取得を目指すのがおすすめです。
資格を取得すれば、資格手当が付いたり、会社から貴重な戦力として認められて昇進・昇給がしやすくなったり、収入が上がりやすくなります。

また、資格試験の合格者に対して、合格報奨金を支給する企業も存在します。
金融商品の中には資格がないと取り扱えないものもあるため、仕事の幅を広げる意味でも金融に関する資格取得を目指しましょう。

今回は、「銀行」「証券」「保険」「その他」にわけて、重宝される主な資格や特徴を表でまとめてみました。

業種

資格名 特徴 合格報奨金の相場
銀行 銀行業務検定 銀行・保険・証券会社に勤める職員を対象に、高度な知識やスキルの取得を証明するための検定試験。
2級、3級、4級がある。
2級:10,000円程度
3級:5,000円程度
証券 証券アナリスト 証券と投資分析の専門知識の取得を証明するための民間資格。 50,000円
証券外務員 証券取引、金融商品、法規制など、日本の証券会社で働くうえで基本的な知識が求められる民間資格。 50,000円
CFA 主に、資産運用、投資分析、金融アドバイザーの業務に携わる人向けの米国の証券アナリストの資格。 50,000円
保険 生命保険募集人 生命保険を販売するための必須資格。
損害保険募集人 顧客に合った損害保険商品を提供するスキルを証明できる資格。
投資診断士 個人・企業を問わず投資戦略のアドバイスができる知識の取得を証明するための資格。
その他 税理士 税務に関するスペシャリストとして認定される国家資格。
主に、銀行・証券会社など大手金融機関の決算業務、税務申告業務、税務調査対応などを遂行できる。
100,000円
公認会計士 独占業務にあたる「監査業務」ができる国家資格。
主に、投資銀行・証券会社・投資ファンドなど、投資・融資・資金調達の仲介役として活躍できる。
50,000円~200,000円
参照元:オンスク.jp「金融業界編|スキル&給与アップが叶う!資格手当がもらえるおすすめの資格」(参照 2024-05-23)

資格によっては、年収が高い金融専門職に転職しやすくなるものもあるので、転職を視野に入れている方は積極的に資格を取得してみてください。

業界の中でも年収が高い金融専門職に転職する

金融業界には数多くの職種があり、平均年収も異なります。
年収アップを狙うなら、高収入が期待できる金融専門職へ転職するのがおすすめです。

2020年に転職エージェントサイト「マイナビエージェント」が公開した「職種別平均年収ランキング」をもとに、年収の高い傾向にある金融専門職の特徴や年収相場を表にまとめてみました。

職種名

特徴 年収相場
アナリスト・エコノミスト アナリストは個々の企業や業界、エコノミストは国や市場全体を対象に経済状況の調査・分析を行う。 824万円
BPR・BPOコンサルタント 業務の効率化を図りたい企業にヒアリングをして、分析・業務改善の提案を行う。 661万円
会計士(公認会計士) 銀行・証券会社・投資ファンドで財務会計の知識が必要な業務を行う。 654万円
監査(法定・任意) 財務諸表に財政状態・経済成績などが正しく記載されているかどうかを調査・判断する監査業務を行う。 652万円
ファンドマネージャー・バイサイドアナリスト ファンドマネージャーは市場調査や企業調査をしながら投資信託の運用を指揮する。
バイサイドアナリストは、自社で運用している投資家を対象に、調査・分析の結果をもとに運用力アップをサポートする。
632万円
参照元:マイナビエージェント「職種別平均年収ランキング」(参照 2024-05-08)

紹介した職種のほとんどは、豊富な実務経験や資格の取得が必要で、いきなり目指すには難易度が高いです。

  • 今のうちからスキルアップや資格取得に取り組み、転職を見据えた行動を意識していきましょう。

あわせてCHECK!

転職の年収交渉・相場はいくら?給与を希望通りアップさせるコツと交渉タイミング

外資系の銀行や証券会社に転職する

「金融業界で年収の高い企業ランキング」で紹介した通り、外資系企業は年収が高い傾向にあります。そのため年収アップを目指すなら、外資系の銀行や証券会社に転職するのもおすすめです。

外資系企業は多くがインセンティブ制度を取り入れているため、固定給とは別に成果報酬がプラスされます。成果を上げれば上げるほど収入が増えていく仕組みなので、実力次第で大幅な年収アップが可能です。

また、知名度の高い外資系企業は企業規模が大きく、世界の主要な金融市場に拠点を持っていることも珍しくありません。
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金融業界で稼ぐには資格取得や転職が重要!

金融業界の平均年収は、日本全体の平均年収と比べて高い傾向にあります。
金融業界で稼ぎ続けるためには、知識やスキルを習得しつつキャリアアップに向けた行動が必要です。

金融業界で稼ぐために重要なポイントを、改めて振り返りましょう。

  • 業界で重宝される資格の取得を目指す
  • 業界の中でも年収が高い金融専門職に転職する
  • 外資系の銀行や証券会社に転職する

また、金融業界は、「銀行」「証券」「保険」といった業種によって年収も業務内容も異なります。
年収アップを狙うのであれば、それぞれの業種についてきちんと調査したうえで、理想のキャリアが築けそうな業種に就職・転職することが大切です。

著者情報

シュウジ
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兵庫県生まれ。都内の私立大学卒業後、パチンコにハマって単位を落とすも、一浪して大学を卒業。派遣社員として工場で働きながら、副業としてナイト系ドライバーやせどりを始める。
本業に嫌気がさし、転職を決意し資格取得に励む。奇跡的に大手人材会社に入社し、給料が倍になり人生が変わる。人材業界でさまざまな職業や経歴を持つ人々との交流を通じて知識を蓄え、2023年にブログ「仕事図鑑」を開設。