仕事でクレーム…落ち込む気持ちの切り替え方とクレームへの立ち回り方

仕事でクレーム…落ち込む気持ちの切り替え方とクレームへの立ち回り方
  • クレーム対応で気持ちが落ち込みがちなあなた、次のクレームが怖くなっていませんか?

接客業や営業職では、クレーム対応は避けて通れない仕事のひとつです。

しかし、クレームを自分の責任と感じてしまったり、個人への否定のように受け止めてしまうと、心がすり減ってしまう原因にもなります。

この記事では、クレームで落ち込んだときの気持ちの切り替え方や立ち回り方、さらにクレームが少ない仕事の選び方まで徹底解説します。

次のクレーム対応で少しでも気持ちが楽になるよう、準備していきましょう。

目次 open

仕事のクレームで落ち込みやすい人の特徴と理由

仕事でクレームを受けたとき、必要以上に落ち込んでしまうことは決して珍しいことではありません。

特に、真面目で責任感が強い方ほど、自分を強く責めてしまう傾向があります。

また、上司や周囲のサポートが十分でないと「自分ひとりでなんとかしなければ」と抱え込んでしまい、心の負担が増してしまうことも。

ここでは、クレームで落ち込みやすい人に共通する特徴と、その背景にある考え方についてお伝えします。

「自分だけじゃなかったんだ」と思っていただけるきっかけになれば幸いです。

クレームを個人的な批判と受け取ってしまう

クレーム対応をしていると、「自分が悪いんだ」と強く感じてしまうことがあります。

しかし本来、クレームはサービスの質や手続きの不備など、「仕事の一部」に対する指摘であり、あなたという人間を否定するものではありません。

とはいえ、真面目で責任感の強い人ほど、クレームを「自分への批判」と捉えてしまいがちです。

落ち込むのは、それだけ一生懸命に仕事と向き合っている証拠でもあります。

つらい気持ちを否定する必要はありませんが、クレームの内容を「改善のためのヒント」として少し距離を置いて見られるようになると、心のダメージは少し和らぎます。

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完璧主義の傾向がある

完璧主義の人は「少しのミスも許せない」と考えがちで、どんなに小さなミスでも自分を強く責めてしまい、クレーム対応のたびに深く落ち込んでしまうことがあります。

ですが、どんなに注意していても、仕事でミスや行き違いが起こるのは誰にでもあることです。

完璧を目指しすぎて自分を責めてしまわないようにしましょう。

大切なのは、失敗を責めるのではなく、そこから何を学ぶかという視点を持つことで、気持ちの切り替えにも繋がります。

また、上司や同僚と情報を共有しながら一緒に改善策を考えることで、一人で抱え込まずにすみ、失敗による自己嫌悪から抜け出すきっかけにもなります。

上司のサポートや本人の経験が不足している

職場の環境によっては、クレーム対応の方法が明確でなかったり、周囲に相談しづらかったりするケースもあります。

そうした状況では、対応に不安を感じるのも当然のことです。

特に新人や仕事の経験が浅い社員は、クレーム対応のスキルが十分でないことが多く、周囲のサポートがない現場でクレームを受けるとストレスや不安を感じやすいです。

積極的に周囲に状況を共有してサポートをしてもらうように働きかけ、少しずつ経験を積み重ねましょう。

  • 自分から助けを求めるのは、仕事の質を上げるうえで大切なことです。
    少しずつ疑問を解消し経験を重ねていくうちに、クレーム対応への不安も徐々に軽くなっていくはずです。

仕事のクレームで落ち込んだときの切り替え方5つ

仕事でクレームを受けて落ち込んでしまったとき、「次も怒られたらどうしよう」「自分に向いてないのでは」と不安な気持ちがこみ上げてくることもあると思います。

そんなときに大切なのは、自分の心を労わりつつ、少しずつ気持ちを立て直していくことです。

ここでは気分転換や振り返り、ポジティブな視点の持ち方など、今後のクレーム対応に生かせる5つの方法を紹介します。

  • 次のクレームに備えて、少しずつでも前向きに取り組めるよう、ヒントをお届けします。

好きなことで気分転換を図る

クレーム対応で気持ちが沈んだときは、無理に前向きになろうとする必要はありません。

まずは仕事のことからいったん離れ、自分の「好きなこと」に時間を使ってみてください。

音楽を聴く、映画を見る、散歩する、美味しいものを食べるーどんなことでも大丈夫です。

気分転換は「逃げ」ではなく、気持ちを整えるための立派な準備です。焦らず、安心できる時間を作りましょう

クレームの原因について振り返る

少し気持ちが落ち着いてきたら、「今回のクレームは何がきっかけだったのか」を振り返ってみましょう。

「どこにすれ違いがあったのか」「防ぐ方法はあったか」を事実ベースで客観的に分析すると、次に同じような場面が来ても、落ち着いて対応できるよう準備をしておくと安心につながります。

また、具体的な原因を特定すれば、もやもやとした気持ちの整理もつきやすくなるでしょう。

自分ひとりで整理が難しいときは、上司や先輩に聞いてみるのもおすすめです。客観的な視点が入るだけで、少し気持ちが軽くなることもあります。

良かったところに目を向ける

クレーム対応後は自己否定に陥りやすく、必要以上に落ち込んでしまいがちです。

しかし、落ち込んでいる中でも、きっと何かしら努力した点やうまくできたことがあったはずです。

「できたこと」や「努力した点」にも目を向けてみましょう。

例えば、「最後まで話を聞けた」「誠実に対応した」など、些細なことでもよいので日報やメモに書き出してみましょう。

そうすることでネガティブな感情が和らぎ、自己肯定感を保つ一歩につながります。

  • 自分を少しでも認めることで、次のクレーム対応に前向きな気持ちを持ちやすくなります。

クレームを同僚や上司に共有する

クレーム対応で落ち込んだときは、一人で抱え込まず、上司や信頼できる同僚に内容や対応経緯を共有しましょう。

人に話すことで、感情が整理され、思わぬアドバイスがもらえることもあります。

また、同じような経験をしてきた人の話を聞くだけでも「自分だけじゃない」と思えて、安心感につながるかもしれません。

周りに相談するのは決して弱さではなく、自分を守る大事なステップでもあり、業務上で必要な報連相でもあります。

もし周りに話しにくいと感じる場合は、日報やメールで共有する方法も有効です。

具体的な改善案を立て1つずつ改善する

クレーム対応で落ち込んだときは、原因を振り返り「何を」「いつまでに」改善するかを具体的に計画するのがおすすめです。

大きな目標だけでなく、「マニュアルを読み直す」「状況説明の伝え方を練習する」など、ほんの少しでも「次の一歩」が見えてくると、不安が安心に変わっていきます。

また、クレーム対応の新たな対策方法に気づけることもあり、次に生かそうという意欲が湧いてくる場合もあります。

改善の積み重ねが自信を取り戻すきっかけになり、安心感と前向きな気持ちにつながるでしょう。

仕事のクレームで落ち込まないための4つのポイント

仕事でクレームを受けると、どうしても心が沈んでしまうことがあります。

「自分が悪いのかな」「向いてないのかも」と考えてしまうのは、真面目に取り組んでいる証でもあります。

必要以上に落ち込まず、前を向くためにはちょっとした心の整理が大切です。

ここでは、クレームを冷静に受け止め、気持ちのバランスを保つための4つのポイントをご紹介します。

  • これらポイントを押さえて、クレームに負けない心を育みましょう。

クレームを受けても感情と出来事は切り離す

クレームを受けると、「自分が否定された」と感じてしまうこともあるかもしれません。

でも、ほとんどのクレームは“あなたという人”ではなく、業務の一部や状況に対するものです。

感情と出来事を分けて考えることで、心のダメージを少し軽くできます。

たとえば、一度深呼吸をして落ち着いたあとに、クレームの内容や原因を紙に書き出して整理してみてください。

冷静に振り返ることで、「次はこうしよう」と思える視点が見つかるかもしれません。

完璧な対応は不可能であると理解する

「もっとちゃんとやればよかった」と思う気持ちはとても自然なものですが、現実にはどれだけ丁寧に対応しても、すべての人に納得してもらえるとは限りません。

特に接客や営業では、相手との認識のズレやタイミングの影響もあるため、どんなに頑張ってもクレームをゼロにするのは難しいのです。

大切なのは、「次に生かす」こと。完璧を目指すよりも、自分のできる範囲で少しずつ改善していく姿勢を大切にしていきましょう。

理不尽なクレーマーを避けることはできないと理解する

中には、事実と違うことを言われたり、必要以上に強い言葉で責められるようなクレームもあります。

そのすべてに真摯に向き合いすぎると、心が持たなくなってしまいます。

「理不尽なクレームは避けられないもの」と、ある程度は線引きして考えることも大切です。

一人で抱え込まず、上司や同僚と共有しながら、組織として対応する意識を持ってみてください。

あなたの心を守るためにも、振り回されないように距離を取ることも必要な判断です。

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自分を成長させるチャンスだと捉える

クレーム対応はつらい仕事ですが、視点を変えれば自分を成長させるチャンスでもあります。

「次はこうしてみよう」「説明の仕方を変えてみよう」と考えるだけで、対応力や信頼が少しずつ育っていきます。

実際、クレーム対応をきっかけに評価されたり、職場での信頼を深めたという人も少なくありません。

クレームは長い目で見れば自分をよりよくするためのヒントでもあります。

今後のキャリアにも生かせる貴重な学びという視点を持つと受け取り方も変わりますよ。

仕事のクレームに対する正しい立ち回り方

クレーム対応では、反省を示して相手の話をしっかり聞くことが大切です。

感情的にならず、会社や他の社員のせいにせず、冷静に対応する姿勢を保ちましょう。

こうした立ち回り方を意識すると、落ち込みすぎずにクレームを乗り越えられます。

  • また、相手に誠意を伝えることを忘れず、適切な報連相で職場全体としてフォローし合う意識を持ちましょう。

反省の色を全力で示す

クレーム対応の場面では、まず相手の怒りや不安をやわらげるために、誠意ある姿勢を見せることが大切です。

たとえ自分に直接の非がなくても、「ご不便をおかけして申し訳ありません」といった言葉を、落ち着いた口調で伝えるよう意識してみましょう。

形式的な謝罪ではなく、「真摯に受け止めています」という気持ちが伝わると、相手も次第に冷静になってくれることが多いです。

自分を責めるためではなく、相手とのやり取りを落ち着いて進めるために、丁寧に気持ちを伝えることを意識してみましょう。

聞くことに徹し相手の話を妨げない

クレーム対応の場面では、相手が話している最中に言葉を挟むと、火に油を注いでしまう可能性があります。

クレームを受けたときは、相手の言葉に耳を傾けることから始めましょう。

相手は自分の意見を聞いてほしいと思ってクレームを入れているので、耳を傾けていることが伝われば、相手の怒りがやわらぐこともあります。

その結果、こちらの話も受け入れてもらいやすくなります。

  • まずは最後まで聞くことで、あなた自身の心を落ち着かせる時間にもなります。

会社や他の社員に責任転嫁をしない

「上司の判断で」「他の担当者が」と責任を分散させたくなることもありますが、そうした言い回しは、相手に「責任逃れ」と受け取られてしまう可能性があります。

たとえ自分に直接の非がなかったとしても、「ご不便をおかけして申し訳ございません」とまずは自分の言葉で受け止めた姿勢を見せましょう。

その上で、必要があれば「社内でも改善に取り組んでいること」や「再発防止策」を冷静に伝えると、信頼の回復にもつながっていきます。

【抜け道】クレームの少ない仕事という選択肢

クレーム対応が多くて精神的に辛いと感じる場合は、思い切ってクレームの少ない仕事を検討することも一つの選択肢です。

業種や職種によってクレームの発生頻度は異なり、例えば事務職やエンジニアなどの社外対応が少ない仕事は、比較的クレームが少ない傾向にあります。

クレーム対応で心が疲弊してしまった場合、精神的な負担を減らすために、クレームが少ない職種への転職を検討するのも一つの方法です。

クレームが少ない働き方・職種の具体例

例えば、データ入力や在宅ライターなど、顧客対応がほとんどない仕事は、クレームの発生自体が少なく安心して働けます。

また、倉庫作業や清掃スタッフ、IT系のバックエンド業務、工場のライン作業なども、直接お客様と接する機会が少なくクレームを受ける可能性が低い職種です。

ほかにも、事務職の中でも総務や経理など、社内での業務が中心の職種は社外からクレームを受ける頻度が少なく、気持ちを落ち着けて働くことができます。

精神的に疲れてしまった方はこれらの職種を選び、クレーム対応が少ない働き方を選ぶのがおすすめです。

クレームが少ない職場を選ぶときのコツと注意点

クレームの少ない職場を探すときは、単に職種だけで選ばず、職場環境や業務内容、ビジネスモデルなどもあわせて確認することが大切です。

例えば、同じ業種でも個人客の対応をする必要がない職場や、クレーム対応専門の部署がある職場はクレーム対応をする機会が少ないです。

一方で、「クレームが少ない=楽な仕事」と捉えてしまうと、自分に合わない職場に転職してしまう可能性があるので注意しましょう。

楽さだけを重視しすぎると、やりがいや成長の機会を失ってしまう場合もあります。

自分にとっての「働きやすさ」と「成長のバランス」を意識して、将来のキャリアにつながる職場選びを心がけることが重要です。

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クレーム対応に関するよくある質問

ここではクレーム対応で落ち込んでいる人がよく感じる疑問や不安について、代表的なものをまとめました。

どの業界・職場でも一定の割合でクレームは発生しますが、正しい知識と心構えを持つことで、対応の負担を軽減できます。

クレーム対応が多い業種やクレーム対応力を高める方法、また自分に合う働き方を選ぶためのポイントなどを整理していきましょう。

クレーム対応が多い業種は?

クレーム対応が多い業種は、接客業や営業職、カスタマーサポートといった不特定多数の顧客と直接やり取りする職種が挙げられます。

例えば、飲食業や小売業、コールセンターなどはお客様の要望や不満を直接受け止める場面が多く、クレーム対応の頻度も高くなる傾向があります。

また、医療・福祉業界でも、患者や利用者、その家族からのクレームが発生しやすいといえるでしょう。

こうした業種は、人と接する機会が多い分、相手の感情や期待に振り回されやすいのが特徴です。

ただし、「クレームが多い=悪い業種」ではなく、人によって向き不向きがあります。

ストレス耐性や上司・同僚からのサポート体制の有無などによっても、働きやすさは大きく異なるため、適性や環境を見極めましょう。

クレーム対応力の高い人の共通点は?

クレーム対応が上手な人には共通する特徴があります。

まず、相手の話を最後までしっかり聞き、感情を受け止める「傾聴力」が高い点です。

相手の立場を考え「何を求めているか」を理解する共感力が高い人も多い傾向にあります。

さらに、その場の状況に合わせた柔軟な対応力があることもポイントになります。

クレーム対応が上手な人は自分の感情をコントロールして、冷静に問題解決へと導ける姿勢を保つ人が多いです。

クレームに振り回されず自分を守る働き方を選ぼう

クレーム対応はどの業界・職種でもある程度は避けられず、どんなに気を付けていても理不尽なことを言われる場面はあります。

クレームに振り回されないためには「自分を守る働き方」を意識しましょう。

例えば、上司や同僚と相談しながらチームで対応する体制を整える、ストレスケアを意識して無理をしない働き方を選ぶなどが挙げられます。

職場の雰囲気やクレーム処理のマニュアルが整っているかも重要です。

また、クレーム対応は孤独になりがちですが、相談しやすい環境であれば負担が軽減します。

クレームで気持ちが落ち込むことを当然と思わず、自分の心も守りながら無理をしない働き方を選びましょう。

著者情報

シュウジ
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兵庫県生まれ。都内の私立大学卒業後、パチンコにハマって単位を落とすも、一浪して大学を卒業。派遣社員として工場で働きながら、副業としてナイト系ドライバーやせどりを始める。
本業に嫌気がさし、転職を決意し資格取得に励む。奇跡的に大手人材会社に入社し、給料が倍になり人生が変わる。人材業界でさまざまな職業や経歴を持つ人々との交流を通じて知識を蓄え、2023年にブログ「仕事図鑑」を開設。