「仕事が終わらなくて泣きそう」という状況を経験したことがある人は少なくないでしょう。
この記事をご覧になっているということは、今まさにその状況に悩んでいて、「パニックになっている」「もうあきらめて仕事を辞めてしまおうか」と悩んでいるかもしれませんね。
この記事ではまず、どうして業務が積み上がってしまったのかの原因を探り、状況を改善するための7つの対処法や、対処法を試しても状況が変わらない場合の3つの解決策をご紹介します。
ストレスや不安が積み重なると、仕事の効率もどんどん落ちてしまう悪循環になりかねません。ストレスから逃れるための方法も解説しますので、ぜひ現状を変えるためにお役立てください。
仕事が終わらず泣きそうな事態になる人の特徴
仕事が終わらず泣きそうな事態になる人の特徴は、主に下記の7つがあります。
- 責任感が強すぎる
- 進行管理ができていない
- 作業の優先順位と時間を意識できていない
- 周りに頼ることができず一人で抱え込む
- 業務の効率化ができていない
- デスク周りが汚い
- 体調不良によりパフォーマンスが落ちている
特徴①:責任感が強すぎる
強い責任感は職場で高く評価されますが、度が過ぎると自分自身を追い詰めることになりかねません。
全ての問題を自分だけで解決しようとする姿勢は、結果的にストレスや疲弊を招きます。重要なのは、自分の限界を認識し、必要な時には助けを求めるという点です。
仕事における責任感は、チームや組織全体で分担するべきものです。自分一人で全てを解決しようとせず、適度に肩の力を抜き、同僚や上司と協力して仕事の負担を軽減しましょう。
また、仕事に対する理想が高すぎる人は責任感が強すぎる故に「仕事は必ず100点満点で終えなければならない」と思いこんでしまい、完璧主義になりやすいです。
下記に当てはまるものが多い人ほど、完璧主義である可能性が高まります。
- 同僚・上司・他人からの評価が常に気になる
- 責任感が強い
- 何事にも妥協しない
- 仕事に対する理想が高い
- 失敗を恐れる
- 自意識過剰
もちろん、100点満点の仕事が常にできて納期もバッチリ守れるならそれが一番ですが、100点満点を追い求め過ぎて納期を守れなかったら元も子もありません。
仕事の内容にもよりますが、しっかりと納期に間に合わせたうえで70点や80点ほどのクオリティでも十分なケースは多々あります。
工数や納期から逆算して、どの程度のクオリティの成果物を仕上げるのかというバランスを上手く調節するのも、ビジネスにおいては非常に重要なポイントです。
完璧さを求めすぎず、場合によっては「ここまでできていれば良い」という妥協点を見つけるのも大切です。自分の健康と幸福を守るためにも、バランスを取りながら仕事に取り組むことをおすすめします。
特徴②:進行管理ができていない
自分が抱えている業務の進行管理がうまくできていない場合、納期が近づいてから失念していた仕事を思い出したり、一度にたくさんのタスクが重なったりする事態が起きます。
進行管理ができていない人は下記のような特徴があります。
- 抱えているタスク量を把握できていない
- タスクごとの進捗状況を把握できていない
- 納期ギリギリのスケジュールを組んでいる
このような状態で仕事の量が突然増えてしまうとパニックになってしまい、どの仕事から手を付けて良いのかわからなくなってしまいます。
何より、急いで取り組んだ仕事は精度が落ちる可能性が高いです。
タスクの進捗状況は常に把握するようにして、前もって進め方の計画を立てておけば、焦ることなく業務を進められます。
また、計画を立てるときは、ある程度余裕をもって終わるようなスケジュールを引いておかないと、トラブルが起きた際にどんどん自分を追い詰めることになるので、注意が必要です。
着実に仕事を進めるためには、各タスクの重要度や進捗状況をしっかりと把握したうえでゆとりのあるスケジュールを作成し、イレギュラーな事態が発生しても慌てずに対応できるように準備しておくことが大切です。
特徴③:作業の優先順位と時間を意識できていない
仕事が終わらず泣きそうな事態になる人は、仕事の優先順位と時間(作業にかかる工数)を意識できていない可能性があります。
仕事の優先順位と時間を意識できていないと、納期直前になって実はより重要度の高いタスクを見落としていたという事実が発覚したり、想定以上に作業工数がかかって間に合わないという事態になってしまったりして、パニックになってしまう人が多いです。
そのような事態を回避するために、まずは抱えているタスクを全て把握できる状態にしてから優先順位を決めていきましょう。「納期が早い」「工数がかかる」といった指標をもとに優先順位を決めるのがおすすめです。
スケジュールを立てる際にはゆとりを持たせることを忘れないようにしてください。
差し込みの作業が入った場合は慌てて対応するのではなく、既存のタスクと比べてどちらを優先するべきかを考えます。
最初にゆとりを持たせたスケジュールが組めていれば、差し込みのタスクが出てきても慌てなくても大丈夫なはずなので、落ち着いてタスクの優先順位を比べるようにしましょう。
特徴④:周りに頼ることができず一人で抱え込む
特徴①で解説した通り、全ての業務を自分一人で抱え込もうとすると、仕事の効率が落ちてしまったり、自分の限界を超えてパニックになってしまったりする可能性が高いです。
しかし、自分の仕事を誰かに手伝ってもらおうと考えたものの、下記のような理由で結局頼めなかったという人もいるのではないでしょうか。
- 周りに自分の仕事を押し付けるようで気が引ける
- 頼むときに仕事の説明をしないといけないのが面倒
- 人に任せると自分がサボっているように思われそうで不安
- 周りへの頼り方がわからない
- 他人からの評価が下がってしまいそうで怖い
- 職場の人間関係が希薄で頼れる人がいない
- 人に頼るほどの業務ではないと考えてしまう
- 社内のルールがあいまいで自分が業務の引継ぎをして良いかわからない
人に頼れない理由は自分の性格が原因の場合もあれば、職場の人間関係や社風が原因の場合もあります。
育った環境の影響や個人の性格が原因の場合は改善が難しいと感じてしまうケースもありますが、自分一人ですべての業務を抱え込もうとすると、自身の体調や仕事効率の悪化につながってしまいます。
業務の効率化と健康な働き方を実現するためには、適切に業務を分担し、時には同僚や上司に協力を求めることが何より重要です。
仕事を人に任せるのが難しい場合は、思い切って上司や同僚に相談してみましょう。自分から相談をすることで、案外簡単に周りに業務を分担してもらえるケースも多いです。
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チームで協力し合って一人一人の負担を軽減し、より多くの仕事を効率的にこなせるようにする」という考えを持つようにしましょう。
特徴⑤:業務の効率化ができていない
他の人よりも業務に時間がかかっている場合、その業務の効率化が不十分な可能性があります。
特に事務的な作業は、工夫次第で劇的に効率良く進めることが可能です。
たとえば、繰り返し行う作業の手順を見直したり、テンプレートを活用したりすれば、作業時間を短縮できます。自分の作業フローや工程ごとにかかっている時間や手順などを客観的に分析し、無駄な部分を見つけて改善しましょう。
業務を効率化するにあたって「何が問題なのか」「どこを改善すれば良いのか」という課題を洗い出すことも重要です。
とはいえ、業務を効率化しようとしても、思うように改善ができない場合もあります。
仕事の進め方が合っているかどうかは、自分ではわからないケースも多いです。自分だけで考えても答えが出てこない際は、同僚や上司にアドバイスを求めるのもおすすめです。
自分一人だけで業務の効率化が難しい場合は、業務を熟知した人を含め、可能な限りその業務に携わっている人全員で課題を洗い出してみましょう。
業務に携わっている人全員で課題を洗い出し、チーム全体で改善策を考えてから業務フローに組み込んでいくと、業務の効率化が上手くいく可能性もあります。
また、管理職や経営者が現場の声を聞かないままに業務の効率化を行ってしまうと、逆に現場の負担だけが増えてしまうというケースもあるので、自分が管理職の場合はしっかりと現場の声をヒアリングすることも大切です。
特徴⑥:デスク周りが汚い
デスク周りが汚いと業務の効率が下がってしまい、仕事が終わらずに泣きそうになる事態におちいる恐れがあります。
特にさまざまなタスクの書類や資料などが散らかった状態だと、どうしても作業中に、注意力が分散してしまい、今取り掛かっている仕事の効率低下に繋がります。
さらに、デスクが散らかっていると、必要な書類を探し出すのに時間がかかったり、複数のタスクの書類が混ざってしまったりして作業ミスにもつながりやすくなります。
仕事が終わらない事態を避けるために、デスク周りは整理整頓を心がけましょう。
優先度の高い書類や資料だけをデスクの上に残し、他の物はデスクの引き出しに収納したりファイリングしたりするのがおすすめです。
書類や資料のファイリングは、下記のような基準で試してみるのがおすすめです。
ポイント
【①進行状況に応じて整理する】
・着手中のタスクに関わるもの
・未着手のタスクに関わるもの
・完了したタスクに関わるもの
【②タスクの優先度に応じて整理する】
・優先度の高いタスクに関わるもの
・優先度の低いタスクに関わるもの
特徴⑦:体調不良によりパフォーマンスが落ちている
たとえ経験豊富で能力がある人であっても、体調不良の状態で無理に仕事を続けるとミスが増えてしまい、結果として仕事量がさらに増えてしまう可能性があります。
仕事のパフォーマンスを維持するためには、まずは体調を整えることが最優先です。
適切な休息を取って体調を回復させられれば、仕事の効率も自然と向上します。
休んでいる時間がもったいないと思う人もいるかもしれませんが、長期的に見れば、体調の維持こそが仕事の質と量の両方を保つ重要なポイントになるのです。
仕事が終わらないのには会社側にも原因がある
会社側に原因がある場合の仕事が終わらない理由は、主に下記の4つです。
- 業務量がそもそも多い
- 慢性的な人手不足
- 繁忙期による一時的なもの
- 残業や持ち帰りが前提となっている
原因①:業務量がそもそも多い
仕事が終わらない一つの大きな原因として、振られている業務量自体が多すぎる可能性があります。
これは、個人の能力や努力ではまかないきれないレベルに仕事の量が多すぎるため、どれだけ速く効率的に仕事をこなしても仕事が終わらない状態です。
一年中ずっと業務量が多い状況は、会社の組織や体制に根本的な問題があるケースといえます。
このような状況の場合、個人で業務量を調整すること自体が難しいです。そのため、業務プロセスの見直しや業務の再配分、人員追加、可能な範囲で外注を検討するなど、組織全体としての対応が求められます。
原因②:慢性的な人手不足
そもそも仕事量が従業員の人数に対してのキャパシティを超えていて、人手不足となっている場合があります。この状態では、たとえ一人一人が努力をしても、全体の仕事量を処理するのは難しいです。
人手不足を解消するためには、単に一人が上司に訴えるだけでは不十分なケースが多いです。
業務量が過剰であるという点を組織全体の問題として捉えてもらうため、現在の業務処理にどれだけ時間がかかっているか、本来であればどれほどの人数が必要なのかを部署全体で協力してデータ化することが説得に役立ちます。
可能であれば、複数人で上司や人事部門に客観的なデータを元に進言してみるのが望ましいです。
とはいえ、どの企業も慢性的な人手不足となっている業界もあるため、上司を動かして採用に乗り出しても、なかなか人が増えないといった事情を抱えている企業が多いのも実情です。
原因③:繁忙期による一時的なもの
多くの企業・部署には、仕事量が通常よりも格段に増える「繁忙期」が存在します。
繁忙期は、プロジェクトの締め切りや年末年始・決算期などの季節的な要因により、普段の仕事量を大きく上回ります。一人一人がいくら努力をしても、繁忙期の業務量をさばききるのは大変なので、残業時間が大幅に増える場合も珍しくありません。
この問題は個人の能力や努力に原因があるのではなく、組織としての体制や業務管理に根本的な問題があることが多いです。
たとえば、全社的に「繁忙期には事前に追加の人員を確保する」「業務の優先順位を明確にして不要な仕事を省く」などの事前の対策が必要ですが、そういった対応を行っていない・行えていない企業は珍しくありません。
原因④:残業や持ち帰りが前提となっている
そもそも、日常的に残業や仕事の持ち帰りをして業務をこなすことが当たり前となっている職場もあります。
定時内では終わらない業務量を課されるため、慢性的に休息を取りづらく、心理的・身体的に披露やストレスが溜まりやすくなります。
また、残業代が支払われているならまだ良いのですが、サービス残業が社風として当たり前となっているケースも珍しくありません。仕事が終わらずやむを得ず「隠れ残業」や「隠れ出勤」をしてしまい、無給で長時間働いてしまっている人がいるのも現状です。
アイコンと吹き出し:上司が勤怠管理を徹底し、健康に配慮した業務の振り方を考えることが重要ですが、上司が見て見ぬふりをしているといったケースもあり、現代日本ではかなり根深い問題ともいえます。
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上司が勤怠管理を徹底し、健康に配慮した業務の振り方を考えることが重要ですが、上司が見て見ぬふりをしているといったケースもあり、現代日本ではかなり根深い問題ともいえます。
仕事が終わらない状況の改善に必要な考え方
仕事が終わらなくて泣きそうという状況は、一刻も早く改善したいですよね。
そのためには、これからご紹介するポイントをしっかりと理解することが大切です。
不安になると冷静な判断ができなくなる
仕事が終わらない焦りや不安、イライラといった感情が生まれてくると、緊張・ストレスを増幅させ、冷静な判断力を失わせる原因となります。
すると、仕事の効率が落ちてしまい、ますます仕事が終わらない状況になってしまうのです。
まずは、マイナスの感情に支配されないように、精神状態を安定させることが大切です。
とはいえ、予想外の事態が発生するとどうしても焦りや不安は生まれてしまうので、事前にできる対策を立てて心の準備をするだけでも、いざというときの備えになります。
事前準備がなぜ不安やイライラを解消してくれて冷静な判断力を保つのに役立つのか、具体的に解説していきます。
事前準備を徹底することで不安やイライラは解消できる
仕事における不安やイライラは、準備不足から来るケースが多いです。
仕事が山積みで泣きそうなほどのストレスを感じるときほど、「もっと前から着手しておけば良かった」と思うのではないでしょうか。
やるべき仕事を先延ばしにしてしまったときほど、本来よりも多くの時間や労力を消費してしまう現象をエメットの法則といいます。この法則が起こる理由には、先までタスクの存在を覚えておかないといけないという負担と、着手時に詳細を思い出さないといけない手間などが発生してしまうことなどが挙げられます。
裏を返せば、事前に徹底した準備を行うことで、これから行う仕事に対する不安要素を減らし、さらにアクシデントがあったときにも冷静な判断を下せるようになるのです。
【不安を生まないための事前準備の例】
- 仕事の優先順位を決める
- タスクを細分化する
- 業務の大まかな進め方や、細かいタスクごとに自分の中での納期を設定する
- 予定通りに進まなかったときの対策を考えておく
まず、仕事の優先順位を明確に決め、どのタスクが最も緊急かまたは重要かを判断してその順序で取り組むことで、効率的に仕事を片づけられるようになります。
大きなタスクをより小さな単位に細分化して、それぞれに締め切りを設定することも効果的です。小さなタスクから順番に取り組めば、全体の進捗が見えやすくなり、達成感も得やすいでしょう。「すぐに終わるタスクはすぐに着手する」「時間がかかるタスクは短くゴール設定を行う」といった工夫をするのもおすすめです。
最後に、計画通りに進まなかったときに行う手段も考えておきましょう。「上司に相談して同僚にヘルプを頼む」「納期延長の交渉をする」「優先度の低い他の業務を一旦ストップする」など、次に打つ手を考えておけば、パニックにならずにやるべき対応を行えます。
仕事が終わらなくて泣きそうな時の対処法7選
仕事の量が多くて泣きそうになる事態は、誰にでも起こり得ることです。
しかし、そんな時でも適切な対処法を知っていれば、状況を改善し、業務を効率的に進められます。
ここからは、仕事が終わらないと感じるときに取り入れられる実用的な対処法を7つご紹介します。
対処法①:まずは業務の全体像を掴む
仕事の山に直面したとき、まず行うべきは「業務の棚卸し」です。自分が抱えている全ての仕事を一覧にして、それぞれの業務の全体像を理解することから始めます。
全体像を把握できれば、どのタスクを一番優先しなければならないのか、また、どの程度のペースで進めば目標に到達できるかの道筋が見えてきます。
これにより、何から手を付ければ良いのかが明確になり、心理的な不安が大幅に軽減されます。
抱えている業務の内容や納期を一度洗い出してタスクの優先順位を明確にすることは、効率的な仕事の進め方の基礎となるのです。
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頭の中だけで考えるのではなく、表にして書き出してみるとわかりやすいですよ。
対処法②:やらないことも明確にする
多くの人は、仕事量を増やすことで安心感を得る傾向がありますが、これは逆効果になる場合も少なくありません。
実は、効率的な業務遂行のためには、あえて「やらないこと」を明確にする点も重要なのです。これにより、何に焦点を当てるべきか、どのタスクが本当に必要なのかを判断できます。
また、やらないことを決めると、タスクの量が適切になり、結果的に仕事に追われずに大事な業務に集中できるようになります。結果として、仕事の質が向上するだけでなく、精神的な負担も軽減されるのです。
自分にとって本当に重要なタスクを見極め、それ以外は「あえて手を付けない勇気を持つこと」を意識してください。
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不要なタスクに時間を費やすのではなく、より価値の高い業務に集中できるように心がけましょう。
対処法③:優先順位をつけた上でスケジュール管理を行う
仕事を効率よく行うためには、常に抱えている業務のスケジュール管理をするのも不可欠です。
特に「いつまでに対応するべきなのか」を明確にするのが重要です。期限をはっきりと定めることによって、それぞれの業務の緊急度と重要度を判断しやすくなり、優先順位を付ける基準ができます。
たとえば、締め切りが近いタスクや、遅延した際に影響力の大きいタスクは、優先順位を高くして業務を進めましょう。後になって大事な仕事がまったく終わっていなくて焦るといったケースを防げます。
また、スケジュールを決める際には、無理なく対応できるような現実的な時間配分を計算することも重要です。実際に各タスクにどのくらいの時間がかかるかを見積もり、余裕を持ったスケジュールを組めば、予期しない遅れや急な業務の追加にも柔軟に対応できます。
さらに、一日の中で自分が最も集中できる時間帯に重要なタスクを配置するなど、自分のワークスタイルに合わせてスケジュールを調整するのも効果的です。
対処法④:妥協点を見つける
仕事が終わらないという人は、全ての作業を完璧にこなそうとする傾向があります。しかし、完璧主義は作業時間を必要以上に長引かせ、仕事が進まないという結果につながってしまう場合が多いのです。
効率的な仕事をするためには、完璧を求めすぎず、妥協点を見つけるのも重要です。特に優先順位の低い業務の場合、「完璧」ではなく「問題のない」レベルを設定することから始めてみてください。
作業の目的や目指すべき成果に沿った品質を目指すのがポイントです。たとえば社内会議用の資料作成なら、レイアウトまでこだわるのではなく、要点がわかる資料であることのみを目指すといった妥協を検討してみましょう。
また、クオリティだけでなく時間配分も意識し、それぞれのタスクにどれくらいの時間なら割いても良いのかを決めておくのも手です。一人で迷う時間が長いのであれば、早めに上司に相談してアドバイスを得るという妥協も必要です。
対処法⑤:業務が効率的になるツールを活用する
ルーティーンワークや繰り返し行う業務を効率化するなら、ツールの活用が有効です。たとえば、業務を自動化するソフトウェアやアプリケーションを導入したり、決まった法則で計算やデータ入力をしてくれる関数やマクロを組んだりすることで、作業時間を大幅に短縮できます。
- マクロとは
- アプリケーションソフトウェアにおいて、あらかじめ操作手順を設定しておくことで、複数の操作をまとめて呼び出せるようにする機能。主に表計算ソフトで用いる。
特に、効率化に取り組むはじめの一歩として、頻繁に作成する資料やメールのテンプレートを用意することをおすすめします。テンプレートがあれば、同じような内容の文書を一から作成する手間が省け、時間の節約につながります。
その他に、タスク管理ツールを用いて、自分の業務の進行状況や優先順位を一目で確認できるようにするのも良いでしょう。
こうしたツールを積極的に活用すれば、日々の業務を効率的に進めることができるようになるはずです。
対処法⑥:業務の効率化を常に思考する
業務の効率化は、日々の仕事をスムーズに進めるために欠かせません。ツールの導入だけでなく、日常の業務フローをより迅速かつ正確に進められないか方法を考えることも大切です。
たとえば、繰り返し行う作業のプロセス自体を見直したり、そもそも無駄な会議やメールのやり取りを減らしたりするなど、さまざまな視点から改善の余地は見つかります。
また、スキルアップで業務を効率化できる場合は、スキルを学ぶのもありです。特定のソフトウェアの操作スキルや時間管理の技術を学べば、業務のスピードや品質を向上させられる可能性があります。
ただし、スキルアップにかかる時間と効果をバランス良く考える点を忘れてはいけません。
新しいスキルを身につけること自体が目的になってしまい、本来の業務に支障をきたしてしまっては本末転倒です。スキルアップはあくまで業務の効率化を目的とし、時間投資に成果が見合っているかどうかを見極める必要があります。
対処法⑦:体調を崩すほどの無理はしない
先述の通り、仕事に追われているときほど健康を維持することが重要です。長時間の残業が続くと食事や睡眠などをおろそかにしてしまいやすく、体調を崩す原因となります。
体調が悪いと仕事のミスが増えるだけでなく、精神的なストレスも高まります。
仕事の効率を保ち続けるためには、休息が欠かせません。仕事の量が多いときでも休憩をしっかり取り、睡眠時間を確保するようにしてください。
また、定期的にリフレッシュのための時間を設けてプライベートを充実させるのも、長期的なパフォーマンス維持には不可欠です。
業務量が多くて心身ともに支障をきたしそうな場合は、自力で現状を改善する気力が出ないこともあります。その際は医療機関を受診して、プロのアドバイスや治療を受けるようにしてください。
対処法を実践しても仕事が終わらなくて泣きそうな時の解決策
ここまで7つの対処法を紹介してきましたが、これらを実践しても仕事が終わらなくて泣きそうという状況が変わらない場合は、どうしたら良いのでしょうか。
ここからは、これまで紹介した対処法でも上手くいかなかったときに試すべき解決策を紹介していきます。
解決策①:上司や同僚に相談してみる
自力での対処が難しかったり、そもそも自分だけがやたら残業をしている・振られている業務量が多いと感じたりしているなら、上司や同僚に相談してみることも有効です。
他の人の視点からより効率的な業務の進め方をアドバイスしてもらえるケースもあり、仕事のやり方に新たな発見があるかもしれません。相談を通じてタスク量そのものが見直され、業務の負担が減る場合もあります。
また、そもそも企業や部署ぐるみで業務量や業務の振り方の改善をしないといけないケースであれば、周りの人にも動いてもらえるきっかけになります。
まずはこのあとに紹介する異動や転職といった方法を検討する前に、上司や同僚に現状を打ち明けて相談するようにしてみてください。
解決策②:部署の異動をお願いする
周りの同僚に比べて仕事をさばけない場合、その部署や業務が自分に合っていない可能性も考えられます。
もし仕事の負担が肉体的・精神的に大きすぎるなら、上司と相談して部署の異動を検討するのも一つの解決策です。異動後の新しい環境や業務が自分に合っているかもしれませんし、そもそも仕事の量自体が軽減される場合もあります。
異動は大きな決断ですが、自分に合った環境・業務を見つけることは、長期的なキャリア形成と健康のために非常に重要です。
ただし、上司に相談しても必ずしも異動を受け入れられるわけではありませんし、異動後の部署や仕事が自分に合うかどうかは誰にもわかりません。
一度異動してしまうとなかなか元の部署には戻りづらくなるので、決断は慎重に行ってください。
解決策③:転職を視野にいれる
仕事量が多すぎるせいで「会社に対して慢性的なストレス・不満を抱えている」「相談しても業務量が減らない」「部署異動の願いが叶わない」という際は、転職を検討するのも一つの方法です。
転職もかなりの決断にはなりますが、自分に合った職場環境を見つけることは長期的に見て大きなメリットをもたらします。
今の環境で働き続けるのが自分のキャリアや健康にとって最良ではない場合、新しい職場・仕事で新たなスタートを切って心身の健康を取り戻し、仕事の満足度を高めるきっかけにできます。
これ以上状況が悪化して心身に支障をきたす前に、転職活動の準備を始めましょう。
仕事が終わらないストレスを解消する方法
ここからは、仕事が終わらなくて泣きそうなほどストレスを感じている場合に取れるストレス解消方法を紹介します。
このまま今の仕事を続けるにしても部署異動・転職をするにしても、まずは今抱えているストレスを解消して、冷静な状態になることが重要です。
以下のストレス解消方法を参考にしてみてください。
ストレス解消法①:体を動かしてリフレッシュする
長時間のデスクワークや業務過多によるストレスは、身体的な疲労や心の不調の原因になりかねません。
このようなストレスを効果的に解消する一つの方法として、体を動かしてリフレッシュすることが挙げられます。
特に有酸素運動は、ストレスに対抗する脳内物質の分泌を促してくれるので、ストレスを和らげる効果があるといわれています。たとえば、ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどが効果的です。
また、リズム運動はセロトニンという神経伝達物質を活性化させる効果があるともいわれています。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分を安定させたり、リラックスさせたりする働きがあるのです。
ダンスやエアロビクスなど、リズムを刻むような運動を取り入れることで、心のストレスを和らげられます。
仕事の合間に短時間でも体を動かせれば、仕事のパフォーマンス向上にも繋がります。ストレスが溜まった時には、積極的に体を動かしてリフレッシュしてみてください。
ストレス解消法② 睡眠を取る
睡眠時間が不足するとストレスが蓄積され、うつ病や不眠症といった健康問題を引き起こすリスクが高まります。忙しいときほど睡眠時間はしっかり確保してください。
睡眠は心身の健康維持に欠かせない要素であり、特にノンレム睡眠の質を高めることが重要といわれています。ノンレム睡眠は、浅い眠りのレム睡眠と異なり深い眠りの状態で、この段階で体の疲れを回復し、脳を休める効果が高まるようです。
良質な睡眠を取るためには、まず下記のような簡単にできる工夫をすることが効果的です。
- 就寝前のリラックスタイムを確保する
- 寝室や寝具の環境を整える
- カフェインやアルコールの摂取を控える
- 睡眠の直前に液晶画面を見ないようにする
質の高い睡眠を確保してストレスによる心身の疲労をしっかり回復し、翌日の仕事に対する集中力やパフォーマンスを向上させましょう。
ストレス解消法③:休暇を取って旅行に出掛けてみる
仕事によるストレスが溜まっているときには、繁忙期以外の時期に休暇を取って旅行に出かけるという選択肢もあります。
旅行は日常生活では得られない刺激とリラックス効果が得られ、仕事のストレスから一時的に離れてリフレッシュができます。このような心身のエネルギーの再充電は、仕事へのモチベーションを高め、生産性を向上させることにも繋がるのです。
また、ゆっくり旅行をして、自分自身と向き合う時間をつくるのも大切です。職場と家での往復だけの生活では冷静に自分を客観視することも難しくなるので、一度環境を無理やり変えて今後について考えてみてはいかがでしょうか。
仕事が終わらず泣きそうな時は我慢せず対処法を見出そう!
仕事が終わらなくて泣きそうなほど辛いときは、我慢せずにすぐにできる対処法を試すことが重要です。
「仕事の全体像を把握して優先順位を設定する」「効率化に役立つツールを利用する」「適切な休息を確保する」といった方法で業務の効率化を図り、仕事の負担を減らすようにしましょう。
また、それでも仕事量が多すぎる場合は、上司や同僚に相談したり、部署異動や転職を視野に入れたりしてみてください。
さらに、ストレスが溜まっていてはパフォーマンスも落ちてしまいますから、定期的な運動、質の高い睡眠なども意識してみてください。自分の健康と幸福を第一に考え、仕事とのバランスを見つけることも大切です。
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仕事量が多いからといって、無理して仕事を続けるのではなく、自分に合った働き方を模索してみてください。