試用期間のクビは「よっぽど」?解雇される具体的な事例と回避策

試用期間のクビは「よっぽど」?解雇される具体的な事例と回避策
  • 試用期間中にクビになるのはよっぽどのこと?

  • どんな場合に試用期間中にクビになるの?

仕事でミスをしたり上司から注意を受けたりして、「試用期間中だから簡単にクビにされるのではないか」と不安を感じている方は少なくないでしょう。

本記事では、試用期間中にクビにされる具体的な事例やクビを回避するためのポイントなどを解説します。

  • 前向きに業務に取り組むためのヒントをまとめているので、試用期間中にクビにされる不安を抱えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください!

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そもそも試用期間とは?

試用期間とは、企業が採用した従業員に正社員としての能力や適性があるかどうか見極めるために設ける一定期間のことです。
期間は、一般的には1~6ヶ月程度に設定されています。

試用期間が終了後は、企業側・従業員側の双方の合意のうえで、本採用となるのが一般的です。

ただし、これは会社側だけの判断期間ではありません。従業員にとっても、職場の価値観や働き方が自分に合っているかを確認する大切な期間です。

  • 試用期間は「評価される期間」であると同時に、「見極める期間」でもあります。この視点を持っておくことで、必要以上に不安を抱えずに済むでしょう。

試用期間でも「よっぽどの理由」がなければクビにはならない

試用期間中の解雇自体は認められていますが、会社の都合で自由に解雇できるわけではありません。

試用期間は「お試し期間」のようなイメージを持たれがちですが、法的にはこの時点で既に「雇用契約」が結ばれています。そのため、通常の解雇と同じく、厳しいルールが適用されるのです。

労働基準法によれば、解雇について以下のように定められています。

(解雇)
第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

出典: e-GOV法令検索「労働基準法」(参照 2026-02-15)

つまり、客観的に見て合理的な理由があり、社会通念上も相当といえる場合でなければ、解雇は無効になります。

そのため、多少の能力不足や小さなミスを理由に解雇される可能性は低いといえます。試用期間中であっても、よっぽどの理由がない限り、クビにされることは基本的にないでしょう。

試用期間中も労働基準法で保護されている

試用期間中であっても会社との労働契約は成立しており、労働基準法・労働契約法の適用対象となります。

そのため、労働時間や賃金、休憩、休日などの労働条件はもちろん、解雇のルールについても、原則として正社員と同様の保護を受ける権利があります。

試用期間中だからといって、正社員よりも長時間働かせたり、不当に低い賃金を設定したりすることは認められていません。解雇についても、妥当性がなければ不当解雇と判断される場合があります。

合理的な理由や適切な手続きを踏まない一方的な解雇は、不当解雇と判断される可能性が高いといえるでしょう。

試用期間でクビになる「よっぽど」の事例6選

試用期間中は合理的な理由がない限りクビになる可能性は低いものの、万が一解雇される場合には、「よっぽど」の理由があるはずです。

ここでは、試用期間中にクビになる「よっぽど」の事例を6つ紹介します。

履歴書や面接の内容に虚偽・経歴詐称があった

履歴書や面接において、学歴や職歴、資格、実務経験などについて事実と異なる申告をしていた場合は、解雇理由として正当と判断されるケースがほとんどです。

問題となるのは「採用の決め手になるような」かどうかです。単なる記載ミスや、わずかな期間の認識違い程度であれば、即解雇につながることはほとんどありません。

たとえば、持っていない資格を記載したり、経験のない業務を「できる」と偽って入社したりする行為が該当します。

こうした虚偽の内容が採用判断に大きく影響していた場合、その虚偽・詐称がなければ採用されなかったと考えられます。そのため、どんなに能力が高くても、解雇されやすくなってしまうのです。

なお、虚偽・詐称の内容や程度によっては、軽犯罪法違反や詐欺罪に該当するケースもあるので注意が必要です。

無断欠勤や遅刻など勤務態度に問題がある

勤務態度に明らかな問題がある場合は、就業規則違反として正当な解雇理由と判断される可能性があります。

使用期間中の解雇につながる勤務態度の例

  • 無断欠勤
  • 度重なる遅刻
  • 業務上の指示を無視する

一度や二度の軽微なミスであれば、即クビになることは稀ですが、上司から注意や指導を受けてもいっこうに直らない、あるいは反省の色が見えないとなると、「このまま雇い続けるのは難しい」と判断されてしまいます。

仮に試用期間中にクビにならないとしても、本採用が見送られる可能性は十分にあるでしょう。

ただし、体調不良や家庭の事情など、やむを得ない理由がある場合には、速やかに連絡すれば突然クビになることは避けられる可能性があります。まずは社会人として最低限のルールを守る姿勢が大切です。

職場の秩序を乱す言動が多く協調性に欠けている

上司や同僚と頻繁に衝突したり、チームワークを著しく損なう言動を繰り返したりする場合は、解雇理由になり得ます。職場の秩序や業務の円滑な運営に直接影響するためです。

ただし、単に人見知りである、口数が少ないといった性格の問題とは区別されます。判断基準となるのは、「業務の遂行に具体的な支障が出ているかどうか」です。

会社から注意や指導を受けても改善が見られず、同様のトラブルが繰り返される場合には、より深刻な問題と受け取られます。

会社が長期的な雇用を前提とする以上、職場で周囲と信頼関係を築くことは重要です。協調性に欠け、円滑なコミュニケーションを図るのが難しいと判断された場合、解雇される可能性は高まるでしょう。

改善指導を重ねても業務遂行が困難

「思っていたより仕事ができない」というだけでクビにするのは難しいのですが、会社側がしっかり教育し、フォローを重ねたにもかかわらず、一向に仕事が身につかない場合は解雇が検討されます。

重要なのは、その「能力不足のせいで会社に具体的な損害が出ているか」という点です。

適切な指導や教育、配置換えなどの回避措置を行っても改善が見られず、業務遂行が困難と判断された場合は、試用期間中であっても解雇される可能性は高くなります。

病気や怪我により就業継続が困難と判断された

病気や怪我によって長期間の休職が必要となり、業務の継続が難しいと判断された場合、解雇が認められるケースもあります。

判断のポイントは、一時的な体調不良かどうかではなく、「就業への支障が継続的かどうか」という点です。

持病などで勤務時間の確保が難しく、業務遂行に支障がある場合は、雇用継続が困難と判断されることがあります。

一方で、法律による保護もあります。労働基準法では、業務上の病気や怪我で療養する労災での休業期間と、その後30日間は原則として解雇が禁止されています。

医師から「一定期間の休職で復職可能」と診断されたのにもかかわらず解雇を強行された場合は、不当解雇に該当する可能性があります。

そのため、診断結果や病状の深刻度によって、試用期間でクビになるかどうかが左右されるでしょう。

参考:e-GOV法令検索「労働基準法」(参照 2026-02-15)

業績悪化など会社側に問題が生じた

勤務態度や能力に問題がない場合であっても、業績悪化や事業縮小、コストカットといった会社側の事情によって雇用の継続が難しくなるケースもゼロではありません。

こうした状況下では、試用期間中の従業員が人員整理の対象になりやすいのが現実です。ただし、これはあくまで経営上の判断による「会社都合」の解雇です。自分の能力不足と直結するものではありません。

会社都合で解雇を告げられた場合は、解雇理由や経緯とともに、以下の点も必ず確認しておきましょう。

  • 解雇予告手当(30日分以上の賃金)が支払われるか
  • 離職票の「離職理由」が「会社都合」になっているか

参考:
労働基準監督署「離職証明書の書き方 ~初めての方向け~」(参照 2026-02-19)
厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」(参照 2026-02-19)

試用期間中に会社側が評価する基準6選

会社は試用期間中にどのような点を評価して、従業員に正社員としての適性があるかどうかを判断しているのでしょうか。

ここでは、試用期間中のクビを避け、安心して働き続けるために押さえておくべき6つの基準を紹介します。

挨拶や報連相ができているか

挨拶や報告・連絡・相談は、業務スキル以前に社会人として身につけておくべき基本的なマナーとして評価されます。以下は、評価対象となる具体的な例です。

  • 職場で挨拶ができているか
  • 業務の進捗状況や問題点をすぐに報告できているか
  • 適切なタイミングで相談できているか

特に、報連相が遅れると業務の遅滞やトラブルを招くおそれがあり、結果として周囲からの信頼を損ねる原因にもなります。そのため、試用期間中は挨拶や報連相を意識的に行い、基本的なビジネスマナーを日常的に実践するようにしましょう。

他の社員とコミュニケーションを取れているか

業務上必要な会話や情報共有、周囲との連携が取れているかといった点は、試用期間中の重要な評価ポイントの一つです。

ただし、高度なコミュニケーション能力が求められているわけではありません。あくまでも円滑に業務を進めるためのやり取りができ、「仕事に支障がないか」どうかが判断基準となります。

試用期間中は、完璧に馴染むことを目標にするのではなく、仕事に必要な情報を過不足なくやり取りする姿勢が大切です。「分からないことは適宜質問する」「進捗を共有する」といった基本的なやり取りを心掛けましょう。

業務に必要な基本スキルを身につけられるか

試用期間では、即戦力として活躍できるかどうかよりも、業務に必要な知識やスキルを習得できているかが重視されます。

たとえば、事務職ならパソコンスキル、営業職なら顧客とのコミュニケーション能力などが評価の対象となります。

また、最初から完璧に業務を遂行できるかどうかよりも、上司や先輩の指示を正しく理解し、学習や改善を重ねて成長しようとする姿勢のほうが重要な評価ポイントです。

たとえ今の時点でスキルが不足していても前向きに業務に取り組み、同じミスを繰り返さない努力が見られれば、試用期間中に解雇されることはまずありません。まずは、自分にできることを一つずつ積み上げていきましょう。

「周りと比べて仕事ができない」と落ち込んでしまいそうな時は、以下の記事内で説明している解決策を参考にしてください。

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勤務態度に問題がないか

日々の出勤状況や勤務態度も、試用期間中に評価されるポイントの一つです。「組織の一員として信頼に値するか」という根本的な姿勢から、以下のポイントをチェックされる傾向があります。

  • 遅刻や無断欠勤がないか
  • 仕事に真摯に取り組んでいるか
  • 与えられた役割を全うしようとする責任感があるか
  • 職場のルールやマナーを遵守できているか

遅刻や欠勤が多かったり、勤務態度に問題があったりすると、仕事に対する意識や責任感が低いと判断される可能性が高まります。

試用期間中は、特別な成果よりも、まずは誠実な姿勢を積み重ねることが大切です。

職場環境に適応できているか

試用期間中には、職場環境に適応できているかどうかも重視されます。業務の進め方や社内ルール、企業の価値観や方針を理解し、それに沿って行動できているかといった点が評価されます。

たとえば、チームワークを重視する職場では協調性や柔軟な対応力が求められます。一方、個人裁量が大きい環境では、自ら考えて動く主体性が重視されます。

職場環境への適応度が低い場合、業務自体は問題なくても、長期的に活躍することは難しいと判断される可能性があるでしょう。

職場環境に馴染めず不安を感じている方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

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ミスをしても前向きに改善する姿勢があるか

試用期間中に限らずですが、ミスそのものよりも、その後の受け止め方や改善しようとする姿勢・行動などその後の対応が重視されます。

上司や先輩からの指摘や指導を真摯に受け止め、同じミスを繰り返さないために具体的な行動に移せているかどうかが見られています。

一方で、指摘された内容を受け流したり、改善する意思が見られなかったりする場合には、成長意欲が低いと判断される可能性があります。

自ら学び、成長しようとする意欲を示すことが、長期的な信頼獲得につながるのです。

試用期間中でも不当解雇に該当するケース

試用期間中はよっぽどの理由がない限り解雇されるケースはほとんどありませんが、不当解雇と判断される事例が存在するのも事実です。

ここでは、試用期間中でも不当解雇に該当する5つのケースを解説します。

十分な指導や改善の機会が与えられなかった

会社側から十分な指導や改善の機会が与えられないまま解雇された場合、不当解雇と判断される可能性があります。

試用期間中は、従業員の適性や能力を見極める期間であると同時に、会社側にも業務内容や課題について一定の指導や教育を行う責任があります。

仕事の進め方や改善点について具体的な説明やフォローが行われることで、従業員は自身の弱みや課題を理解し、成長する機会を得られるのです。

そのうえで、会社側が十分な指導やサポートを行っても改善の見込みがないと判断される場合に限り、解雇の正当性が認められるでしょう。

新卒採用なのに能力不足と判断された

新卒採用の場合、実務経験がないことを前提に採用されています。入社直後から即戦力としての成果を求めることは通常想定されていません。

よって、新卒は社会人としての基本的なマナーや実務経験を身につけていく段階にあります。

基礎的な育成や指導を行わないまま、短期間で能力不足と判断して解雇された場合は、不当解雇に該当する可能性が高いです。

ただし、勤務態度の悪さや研修中に危険行為を行うなど、会社や周囲に重大な影響を及ぼす行為があったときは、新卒採用者でも解雇されるケースは十分考えられます。

成果や結果のみを理由に解雇された

仕事への取り組み姿勢や改善の状況などを一切考慮せずに、業務の結果や成果のみを理由に解雇するのは問題視されるおそれがあります。

たとえば、「ノルマを達成できなかった」「契約を獲得できなかった」といった場合でも、その原因が必ずしも本人だけにあるとは限りません。

仕事の成果は、業界の動向や景気、市場環境などの外的要因に左右されることもありますし、会社側の指導体制やサポート不足が影響している可能性もあります。

そもそも、入社したばかりで結果を出せる人はなかなかいません。よって、「結果を出せない=能力がない」と決めつけてクビにするのは、不当解雇に該当する可能性があります。

主観的な評価や曖昧な理由で解雇された

「社風に合わない」「期待していたほどではなかった」といった、主観的で具体性に欠ける理由のみを根拠に解雇された場合、不当解雇に該当する可能性があります。

解雇が認められるには、合理的な理由が存在し、その判断が客観的な事実や証拠に基づいていることが不可欠です。

たとえば、チームワークが重視される職場において、協調性を欠く行動を繰り返し、業務や人間関係に支障をきたしている場合には、「社風に合わない」と判断される余地があります。

しかし、判断に至る客観的な事実や具体的な改善指導の経緯などがない場合は、不当解雇の可能性が高くなります。

参考:厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」(参照 2026-02-16)

解雇予告が行われなかった

労働基準法では、入社から14日を超えている従業員を解雇する場合、原則として30日前に解雇予告を行うことが定められています。

解雇予告を行わない場合には、30日分の賃金に相当する解雇予告手当を支払わなければなりません。

この規定は試用期間中であっても適用されます。そのため、入社後14日が経過しているにも関わらず、事前の予告なしに解雇され、解雇予告手当の支払いもない場合には、労働基準法違反にあたる可能性があります。

ただし、試用期間の開始から14日以内であれば、解雇予告や手当の支払いがなくても、即時解雇が可能である点には注意が必要です。

参考:
e-Gov 法令検索「労働基準法 」(参照 2026-02-16)
厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」(参照 2026-02-16)

試用期間中のクビを回避するために意識すべきポイント

試用期間中のクビを回避するには、「社会人として信頼できる人物かどうか」アピールすることが重要です。

ここでは、新しい職場で信頼を積み上げ、安心して本採用を迎えるために意識すべきポイントを7つ解説します。

面接の質問には正直に答える

面接時には、嘘偽りなく正直に答えることが大切です。学歴・職歴・実務経験などで虚偽の申告をすると、入社後に「経歴詐称」と判断され、解雇のリスクが高まります。

学歴や職歴、実務経験などについて事実と異なる説明をした場合、入社後に本来の自分以上の成果を求められ、結果的に自分で自分の首を絞める結果になりかねません。

話を盛るよりも、現状を正確に伝える姿勢のほうが誠実な人柄として評価され、入社後のミスマッチも防げます。できないことについては「現在勉強中です」「今後身につけていきたいと考えています」などと前向きに伝え、成長意欲を示しましょう。

出勤時間や期限など社会人としてのマナーを守る

業務スキル以前に、社会人としての基本的なマナーが身についているかどうかは、試用期間中の信頼形成に影響します。

遅刻や欠勤といった勤怠管理はもちろん、業務や書類提出などの期限遵守は、能力以上にその人の誠実さとして評価に直結しやすいポイントです。そのため、基本的なルールを徹底して守るように意識しましょう。

やむを得ず遅刻や欠勤をする場合は、分かった時点ですぐに連絡するのが社会人としてのマナーです。また、業務の期限に遅れそうな際は、早めに相談することでトラブルを未然に防げます。

こうした一つひとつの些細な行動の積み重ねが、周囲からの評価や信頼につながります。

体調管理を徹底する

体調管理を徹底することも、社会人としての基本です。体調不良による欠勤や早退が続くと、継続的な就業が難しいと判断される場合があります。

どうしても体調が優れないときは早めに職場へ連絡し、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

日頃から十分な睡眠や休息を心掛け、ストレスを溜め込まないようリフレッシュしましょう。必要に応じて医療機関を受診することも大切です。

ストイックな健康管理は必要ありません。安定して働くための体調管理は、結果的に自分の立場を守ることにもつながります。

上司や同僚とコミュニケーションを取る

日常的に上司や同僚とのコミュニケーションを取るよう意識することが大切です。業務上必要な相談や共有を適切に行い、周囲と連携しながら仕事を進める姿勢が求められます。

円滑に業務を遂行するためには、積極的なコミュニケーションが欠かせません。過度な雑談や無理に距離を縮める必要はありませんが、仕事に支障が出ない程度の関係性を築けているかどうかが、本採用における判断材料となります。

自分から進んで状況を報告し、周囲の助言を素直に受け入れることが大切です。こうした積み重ねが、自身の働きやすさや周囲からの信頼にもつながっていくでしょう。

指示待ちにならず自分から動く姿勢を見せる

業務に取り組む際は、受け身の姿勢ではなく、主体的な姿勢を意識することが大切です。常に指示を待つだけの状態だと、「言われたことしかできない」「仕事への意欲が低い」と判断されてしまう可能性があります。

分からない点は早めに確認し、次にやるべきことを主体的に考えて行動したりする姿勢は、前向きに評価されやすいポイントです。

自主的に考えて動き、目の前の仕事に真剣に取り組んでいれば、試用期間中にクビになる可能性は低いでしょう。

指示や注意を素直に受け入れる

上司や先輩から指示や注意を受けた際は、感情的に反発するのではなく、まずは素直に受け入れて改善に努めましょう。

たとえすぐに改善できなくても、指摘内容を理解し、行動に反映させようとする姿勢は評価されます。

逆に、自身の非を認めずに反論や言い訳をし続けてしまうと、指導しにくい人物と見なされて信頼を損なうおそれがあります。

反論や言い訳を重ねるよりも、行動で示すことが信頼につながるでしょう。注意を「否定」として捉えず、「成長を期待されている」と前向きに解釈して行動で示すのが試用期間中のクビを回避するコツです。

企業文化や組織風土を理解する

会社の価値観や仕事の進め方などを理解し、それに合わせて行動する姿勢が欠かせません。

各企業には独自の文化があります。社内ルールやマニュアルを読み込むだけでなく、先輩や上司がどのような考え方で仕事を進めているのか、日頃の言動や判断基準をよく観察することが大切です。

社風やチームの雰囲気を理解しようと努め、柔軟に適応する姿勢を見せましょう。職場に馴染める人材だと判断されれば、長期的な採用をしても問題ないと評価されやすくなります。

試用期間中に「明日から来なくていい」と言われたときの対処法

「この仕事は性格的に合わない」と感じるタイミング5選

よっぽどの理由がない限り、試用期間中にクビにされることはありません。万が一、試用期間中に「明日から来なくていい」と言われたら、焦らずに適切なステップを踏みましょう。

最後に、試用期間中に「明日から来なくていい」と言われたときの対処法を紹介します。

1.会社に解雇理由証明書を請求する

解雇を言い渡された場合は、その場ですぐに合意したり会社の書類にサインをしたりせず、まず解雇理由証明書を請求しましょう。

これは、労働基準法で認められている労働者の正当な権利です。請求を受けた会社側は、遅滞なく交付する義務があります。

解雇理由証明書には、具体的な解雇理由が明記されているため、解雇が正当か不当かを判断するための重要な資料となります。請求しないまま進めてしまうと、後から「不当解雇だ」と主張しても自己都合退職として処理される可能性があるため、必ず書面で確認しましょう。

なお、解雇理由証明書は労働者が請求しなければ発行されないので、必ず請求するようにしましょう。

一度サインしてしまうと、後から「不当解雇だ」と訴えたくても、自己都合退職として処理されてしまい、取り返しがつきにくくなります。

参考:e-Gov 法令検索「労働基準法」(参照 2026-02-20)

2.納得できない場合は会社と交渉する

解雇理由や手続きに疑問がある場合は、事実確認を目的として会社と話し合いの場を設けることが重要です。まずは冷静に状況を整理し、「なぜ解雇に至ったのか」「手続きに不備はなかったのか」を確認しましょう。

話し合いの際は、感情的にならず、事実を淡々と確認する姿勢を心掛けることが重要です。内容を後で証拠として残すために、会社の許可を得て録音しておくと安心です。録音は、労働基準監督署や弁護士に相談する際、また裁判になった場合にも有力な証拠になります。

3.解決できなければ労働基準監督署に相談する

会社との話し合いで解決しない場合は、労働基準監督署に相談するのも一つの選択肢です。

特に、客観的な理由のない不当解雇や30日前までの解雇予告がなかった場合などは、労働基準法や労働契約法といった法令に違反している可能性があります。

労働基準監督署に相談すると、会社に対する調査や指導が行われることがあります。これにより、違法な解雇の是正や賃金・手当の支払いが促される場合もあるのです。

ただし、労働基準監督署が対応できるのは、あくまで法令違反に該当するケースに限られます。明確な法律違反がない場合は対応してもらえないこともあるので、相談前に内容をしっかり整理しておきましょう。

4.法的措置を検討するなら弁護士に相談する

労働基準監督署で対応してもらえなかった場合や、法的措置を検討する場合は、弁護士に相談するのも一つの選択肢です。

特に、解雇の有効性を争う場合や不当解雇に伴う慰謝料を請求する場合には、専門的な知識と経験を持つ弁護士のサポートが欠かせません。法的な観点から交渉を行うため、個人での対応に比べて、会社側が誠実な対応に転じる可能性も高まります。

スムーズに対応してもらうためにも、相談前に「解雇理由証明書」や「会社とのやり取りの記録」を整理しておきましょう。記録や証拠が揃っているほど、弁護士による適切な対応が受けやすくなります。

5.失業保険の受給手続きを始める

当面の生活費を確保するためにも、ハローワークで失業保険の受給手続きを進めましょう。

試用期間中の解雇であっても、条件を満たせば失業保険は受給が可能です。通常は「離職前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上」必要ですが、倒産や解雇などの「特定受給資格者」に該当する場合、離職前1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上あれば失業保険を受給できます。

会社都合での退職と認められる場合、自己都合退職に比べて失業保険の受給開始までの待機期間が短く、受給できる期間も長くなるというメリットがあります。

なお、失業保険の受給手続きには「離職票」が必要となるため、退職後は早めに会社に請求しておきましょう。

参考:厚生労働省「離職されたみなさまへ」(参照 2026-02-16)

6.転職活動の準備をする

転職活動を進める際は、転職エージェントなどのサービスを活用するのがおすすめです。

転職エージェントは、求人紹介や履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、面接日程の調整、給料や労働条件の交渉など、転職活動を幅広くサポートしてくれます。

試用期間中の解雇は一般的に「短期離職」とみなされますが、解雇の理由をきちんと説明できれば不利にはなりません。転職エージェントを利用すれば、面接での伝え方もアドバイスしてもらえるため、安心して転職活動に取り組めるでしょう。

また、現状に不安を感じる場合は、まず自分の心の整理や対処法の情報収集から始めるのも有効です。たとえば、以下の記事では短期離職後の次のステップや注意点を解説しています。

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試用期間中は「よっぽど」の理由がなければクビにはならない

試用期間中も労働基準法・労働契約法によって労働者の権利は保護されており、よっぽどの理由がない限り、一方的な解雇は不当となります。ただし、経歴詐称や勤務態度に問題がある場合は、解雇のリスクが生じるのも事実です。

試用期間中のクビを回避するためには、基本的なビジネスマナーの徹底に加え、周囲からの指摘を真摯に受け止める姿勢が欠かせません。注意を受けた際は、内容を正しく理解して速やかに改善へつなげる姿勢を見せることが、職場での信頼獲得につながります。

万が一、解雇を宣告された際は、まず理由を確認したうえで専門機関への相談も検討してください。

真面目に業務へ取り組んでいるのであれば、試用期間にクビになることをそこまでおそれる必要はありません。

  • 目の前の仕事に誠実に向き合い、一歩ずつ着実に信頼を獲得していきましょう!

著者情報

シュウジ
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兵庫県生まれ。都内の私立大学卒業後、パチンコにハマって単位を落とすも、一浪して大学を卒業。派遣社員として工場で働きながら、副業としてナイト系ドライバーやせどりを始める。
本業に嫌気がさし、転職を決意し資格取得に励む。奇跡的に大手人材会社に入社し、給料が倍になり人生が変わる。人材業界でさまざまな職業や経歴を持つ人々との交流を通じて知識を蓄え、2023年にブログ「仕事図鑑」を開設。