中途採用の扱いがひどい理由とは?乗り越え方や転職したほうが良い例

中途採用の扱いがひどい理由とは?乗り越え方や転職したほうが良い例
  • 中途採用として入社したけど、職場での扱いがひどい

  • 中途採用された会社に馴染めなくてつらい

中途採用で入社した際に、職場内で放置されたり雑に扱われたりするケースがあります。

せっかく転職した先でひどい扱いを受けると「これなら転職しないほうが良かったかも」と不安になってしまうのも無理はありません。

本記事では、中途採用者への扱いがひどい企業がある理由や乗り越え方、転職したほうが良い事例、入社前の確認ポイントなどを解説します。

今の職場で孤立感・不安を抱いている方は、ぜひ参考にしてください。

目次 open

中途採用で「扱いがひどい」と感じる5つの理由と背景

中途採用として入社した職場で居心地の悪さを感じるとき、まずは「なぜそうなってしまうのか」を知ることが大切です。

中途採用者が「扱いがひどい」と感じてしまう背景には、次のような要因があります。

  • 「即戦力で当たり前」という期待があるから
  • 会社側の教育体制やマニュアルが整っていないから
  • 現場の社員が中途採用の受け入れに慣れていないから
  • 中途採用に対するネガティブなイメージがあるから
  • 職場にまだ馴染めていないから

「即戦力で当たり前」という期待があるから

中途採用者はすでに社会人経験があることから、「できて当然」「わかっていて当然」と思われやすい立場です。

実際に「即戦力として採用したのだから、すぐに結果を出すのが当たり前」という前提で中途採用者に接してくる企業は一定数存在します。また、中にはマニュアルやサポートを用意せず業務を丸投げして、中途採用者の力量を見定めようとするケースもあります。

しかし、新しい環境ではこれまでの経験やスキルをすぐに発揮できるとは限りません。サポートなしで即戦力として結果を出すのは現実的に難しいものです。

「できるでしょ?」と思われている空気感の中では疑問点や不明点の質問もしにくく、誰にも相談できずに職場内で孤立してしまうケースは少なくありません。

会社側の教育体制やマニュアルが整っていないから

教育制度やマニュアルが整っていない企業は、中途採用者に対して上手く指示を出せず、放置状態が発生する可能性が高いです。

また、企業の教育制度が曖昧な場合は「誰かが教えるだろう」と責任を押し付け合い、結局誰もフォローしないままになってしまうこともあります。

さらに、現場社員が業務で手一杯だったり、人事と現場で温度差があったりする会社では特に特に起こりやすい傾向にあります。

このような環境だと、中途採用者が本来持っている力を発揮できず、質問すらしにくい状況に追い込まれてしまいます。

現場の社員が中途採用の受け入れに慣れていないから

中途採用者の受け入れ実績が少ない企業は、そもそも中途採用者をどう扱えば良いのか分からず、ぎこちない対応になってしまうこともあります。

このような会社は、先輩社員の「教える側」としての意識やノウハウがほとんど育っていません。中途採用者を気に掛ける心はあったとしても、具体的な指導方法や接し方がわからず、指導方法を間違えてしまったり、サポート不足になってしまったりするケースが多いです。

また、中途採用者のスキルや経験を周囲の社員が十分に理解していないことが原因で、ひどい扱いにつながる場合もあります。

「中途採用者にどのようなスキルがあり、何ができるのか」が周知されていない職場では、周囲からの評価や信頼がなかなか得られず、馴染みにくさを感じやすくなります。

中途採用に対するネガティブなイメージがあるから

中途採用者は、組織に新しいスキルや経験を持ち込み、組織にプラスの価値を与えてくれる貴重な人材です。

しかし、一部の職場では、「外から来た人」という意識が強く、よそ者扱いされてしまうケースがあります。

特に、過去に中途採用で入ってきた人が仕事ができなかったなど良くない前例がある職場は、中途採用者への警戒心が高かったりイメージが悪くなる傾向にあります。

他にも、「自分にとって居心地の良い現状を脅かす可能性がある存在」として、社員からライバル視されるケースも珍しくありません。

たとえば、難関資格や高い実績を持っていたり、競合他社から転職してきたりすると、上層部からの期待が大きい分、現場の社員から自分の立場を奪う存在として嫉妬されてしまう場合があります。

職場にまだ馴染めていないから

既存の人間関係や職場特有の雰囲気にすぐに馴染めず、周囲に溶け込めなくて孤立感を覚えることもあります。

特に、社員同士の仲間意識が強い会社や、暗黙のルールがたくさんある会社などは、馴染むまでに時間がかかりやすいでしょう。

この場合は、企業側の受け入れ体制が不十分であるのも原因に挙げられますが、自らの行動次第で状況を改善できる可能性もあります。

たとえば、常に受け身で「話しかけられるのを待つ」といったスタンスだと、仕事を覚えたり、周囲と信頼関係を築いたりするのに時間がかかります。周囲との人間関係を構築できるように自分から積極的に行動すると、より早く職場に馴染めるようになるかもしれません。

中途採用で「扱いがひどい」と感じたときの乗り越え方

中途採用に対する扱いがひどい場合、ただ状況が変わるのを待っているだけでは、改善はなかなか期待できません。

そんなときは、まずは自分で対応できる範囲で積極的な姿勢や努力を見せてみるのが手です。

具体的な方法は以下の7つです。

  • 自分から声をかけて関係を築いていく
  • 仕事に慣れて戦力になることを示す
  • こまめに確認を取ったり質問したりする
  • できないことは素直に伝え、必要なスキルを身につける
  • 信頼できる上司や先輩に相談する
  • オフの時間を大切にしてメンタルを整える
  • どうにもならない状況は割り切って考えすぎない

今日から少しずつ実践してみましょう。

自分から声をかけて関係を築いていく

新しい職場で「周囲の人に声をかけづらい」と感じる場面は多々あるかと思います。

でも実は、そう感じているのは中途採用者だけではありません。既存の社員もまた「まだどんな人なのか」「どんなスキルがあるのか」がわからないため、声をかけられずにいる場合が多いのです。

だからこそ、まずは自分から挨拶や質問をしてみるのがおすすめです。ちょっとした自己紹介や雑談を交えながらコミュニケーションを取ることで、相手もあなたに安心感を持ちやすくなります。

たとえば、業務の不明点を素直に質問したり、休憩中に「最近どんな仕事が多いんですか?」といった軽い会話をしてみるだけでも十分です。

  • 少しずつやり取りを重ねるにつれてお互いに仲間意識が生まれ、徐々に馴染んでいけるはずです。

仕事に慣れて戦力になることを示す

まずは目の前の業務に集中し、戦力として周囲の期待に応えられるようにすると、職場の周囲の人から一目置かれやすくなります。

仕事で結果を出せるようになれば、大事な仕事仲間として周囲から評価され、信頼の獲得につながります。「戦力になる」と周囲から思ってもらえれば、頼られる場面が増えて、自然と職場に馴染んでいけるようになるでしょう。

また、たとえすぐに結果に結びつかなくても、業務に必要な知識の勉強をする、苦手な業務に自らトライして早く慣れようとする、周囲の仕事の手伝いを買って出るなどすると、周囲から前向きな印象を持たれて、扱いが変わる可能性があります。

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こまめに確認を取ったり質問したりする

業務で少しでも判断に迷ったり不安を感じたりしたときは、遠慮せずに周りに質問をしましょう。

「質問をすると迷惑になるかも」「呆れられるかも」と考えてしまうかもしれませんが、質問をしないことでミスにつながると、かえって信頼関係に悪影響が出るリスクもあります。

たとえ同業他社から入社した場合でも、会社が違えば業務の方針や作業フローは異なります。

経験豊富であっても「今の会社での経験は浅い」と受け止め、質問や確認をこまめに行ったほうが業務の精度が上がり、自信や成長にもつながります。また、その結果、周囲からも認められやすくなるでしょう。

  • 前職の経験から進め方がある程度イメージできる業務でも、念のために確認をとって、作業の着地点の擦り合わせを行うのがおすすめです。

できないことは素直に伝え、必要なスキルを身につける

今の自分に難しい業務が回ってきたときは、素直に「自分だけでは対応ができない」と伝えましょう。

中途採用者は「できるだろう」と思われて、知識や経験がない業務を任されるケースもあります。

しかし、対応できない業務を安請け合いしてしまうと、後になってから周りに負担をかけてしまう可能性が高まります。

「できない」と自分から伝えるのは勇気がいりますが、早い段階で意思表示をしたほうが、周囲もサポートしやすいです。加えて、隠さずに自分の今の実力を伝えると、「誠実な人」といった評価もされやすいでしょう。

また、「できない」「わからない」で終わらせず、自分に求められているスキルを習得しようとする姿勢を見せることも重要です。

信頼できる上司や先輩に相談する

孤立感を覚えたときは、一人で抱え込まずに上司や先輩に相談するのがおすすめです。相談することで、問題点が明らかになれば、適切なサポートを得られる可能性が高まります。

「よそ者扱いされている」「放置されている」といった状況を、上司が把握できていない可能性もあります。自分が置かれている現状を上司に知ってもらえれば、教育制度やマニュアルの見直しを行ったり、教育係の先輩を指導してくれたりするかもしれません。

また、先輩の中でも特に「自分と同じく中途採用で入社した先輩」は、頼りになる存在になります。

同じ境遇を経験しているからこそ、つらさを理解してもらいやすく、経験に基づいた具体的なアドバイスを受けられれば、現状を打開するヒントが見つかることも多いです。

オフの時間を大切にしてメンタルを整える

仕事後の時間や休日は、趣味に没頭する、友人と遊びに行く、家族と出掛けるなどして、プライベートの充実を図りましょう。

中途採用で入社した直後は、慣れない職場環境により、とりわけ精神的疲労を感じる傾向があります。

仕事で頭がいっぱいになりやすく、疲れやストレスが溜まりやすいので、プライベートの時間も大切にして心身ともにリフレッシュし、仕事の疲れやストレスをリセットしましょう。

特に、好きなことをする時間を意識的に作り、仕事だけに気持ちが引きずられないように気分転換をするのが重要です。

オフの時間を有効活用してメンタルを整えると、業務への集中力が向上し、仕事の成長速度も速まりやすいです。

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どうにもならない状況は割り切って考えすぎない

入社して間もない時期は特に、今すぐにはどうにもならないものです。「早くなんとかしないと」と考えすぎてしまうと、精神的に消耗しやすいです。

実際には、仕事を覚えるのに時間がかかることもありますし、こちらから歩み寄っても相手がすぐに心を開いてくれないケースもあります。そんなときは「入社直後は誰でも悩む時期」と割り切る視点を持つことも大切です。

無理に今すぐ状況を変えようとせずに、目の前の仕事に集中するように割り切ってみましょう。

実際、自分から大きな変化を起こさずとも、時間の経過とともに状況が好転するケースもよくあります。

  • 特に企業独自のルールや人間関係などは、時間が経てば自然に慣れてくることが多いので、入社して数か月は深く考えないようにして割り切ってしまうというのも手です。

中途採用の扱いがひどくて耐えられない…転職を検討すべきケース

中途採用への扱いがひどくてどうしても耐えられないという場合は、転職も検討しましょう。

「耐えられない」と感じるボーダーラインは人によって異なりますが、以下のような状況であれば転職したほうが良いと考えられます。

  • 教育されないままにどんどん業務量だけが増えている
  • 上司に相談しても改善されない
  • 職場に馴染めず人間関係に悩んでいる
  • ハラスメントを受けている
  • 正当な評価をされず、モチベーションが著しく低下している
  • 会社の将来性や企業文化に根本的な不信感を抱いている

このような状況に陥ってまだ日が浅い場合は、少し様子を見てみるという手もあります。

しかし、我慢しても改善されないような状況や、自分の努力ではどうにもならない状況が続いているなら注意が必要です。

特に、不眠や食欲不振、抑うつ状態といった心身の不調が出始めている場合は、転職を検討したほうが良いでしょう。

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中途採用で転職するなら転職エージェントの活用がおすすめ

中途採用で転職するなら、転職エージェントを活用するのがおすすめです。

中途採用者が転職エージェントを利用する主なメリットは以下の3つです。

  • 転職のプロによるサポートを無料で受けられる
  • 非公開求人やスカウトサービスが利用できる
  • 書類添削や面接対策などの支援が充実している

転職エージェントのメリットや特徴をチェックし、次の転職成功に活かしていきましょう。

転職のプロによるサポートを無料で受けられる

転職エージェントを利用すると、専任のキャリアアドバイザーから無料でさまざまなサポートを受けられます。

キャリアアドバイザーは、求職者の強みや希望の条件を把握したうえで、適性に合う求人を紹介してくれます。効率良く求人探しができるだけでなく、これまでの経験を活かせる可能性が高い求人を優先的に紹介してくれるので、転職後のミスマッチが起きにくいです。

また、面接の日程調整や給与交渉などもしてもらえるため、一人で行うよりも転職活動の負担が軽くなります。

  • さらに、応募先の企業の雰囲気を教えてくれたり、今後のキャリアに関する相談にも乗ってくれたりすることもありますよ。

非公開求人やスカウトサービスが利用できる

転職エージェントに登録すると、一般求人サイトには公開されていない「非公開求人」を紹介してもらえる場合があります。

企業が求人を非公開にする理由はいくつかありますが、人気企業や好条件の求人ほど、応募者が殺到するのを避ける目的で非公開にしている傾向が強いです。

一般公開されている求人と併せて非公開求人もチェックできるようになれば、応募できる企業の選択肢が増えて自分に合う職場が見つかりやすくなります。

また、転職エージェントを通じて企業から直接スカウトが届くサービスもあり、特別なポストや好待遇の求人に出会える確率も上がるでしょう。

書類添削や面接対策などの支援が充実している

転職活動の書類提出や面接は絶対的な正解がないからこそ、どのようにアピールすれば良いのか悩んでしまうのではないでしょうか。

転職エージェントのサービス内容には、職務経歴書や履歴書の添削、面接の練習といった支援も含まれています。

キャリアアドバイザーは単なる模範回答ではなく、企業に合わせたアピール方法をアドバイスしてくれます。自分では気付きにくいポイントも指摘してもらえるので、一人で転職活動をするよりも、書類選考や面接の通過率が上がる可能性が高いです。

  • 特定の業界や職種に特化したキャリアアドバイザーがいるサービスもあり、有益なアドバイスをもらうことができます!

中途採用で早期離職しないために!入社前に確認すべき7つのポイント

中途採用で「扱いがひどい」と感じると、早期離職につながりやすくなります。

できるだけ早期離職を回避するためには、入社前に働くうえで重要なポイントを確認し、転職先の見極めを行うことも重要です。

ここでは、下記の入社を決める前に確認すべき7つのポイントについて解説します。

  • 中途採用の離職率が高すぎないか
  • 給与や昇給の水準が妥当か
  • 担当業務や役割が明確に定められているか
  • 教育体制やサポート環境が整っているか
  • 評価のルールや仕組みが整っているか
  • 人間関係や社内の雰囲気は良さそうか
  • 柔軟な働き方や福利厚生が充実しているか

中途採用の離職率が高すぎないか

過去に多くの中途採用者が早期離職している場合、中途採用者にとって働きにくい企業である可能性が非常に高いです。

中途採用の社員がどれくらい定着しているか、どれくらいの期間で辞めているかを入社前にチェックしておきましょう。

なお、厚生労働省の調査によると、令和5年の平均離職率は15.4%なので、この数字を基準として、離職率の判断をすると良いでしょう。

中途採用の離職率は求人情報に掲載されていないケースが大半ですが、調べる方法はいくつかあります。

もっともおすすめなのは、転職エージェントに質問してみるという方法です。転職エージェントは、一般に公開されていない企業の定着率や離職率を把握している可能性が高く、親身になって回答してもらえるでしょう。

ほかにも、採用面接で直接聞く、企業の口コミサイトで確認するといった方法もあります。

参考:厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」(参照 2025-09-22)

給与や昇給の水準が妥当か

同業他社と比べて給与が著しく低くないか、昇給・賞与の仕組みが整っているかという点も、入社前に確認したいポイントです。

給与や昇給の水準から、企業の考え方や財務状況を推察できます。

給与水準が高い企業や昇給システムが整っている企業は、単に利益を追求するだけでなく「社員への還元」にも重きを置いています。また、高い報酬を支払える会社は業績が安定していると考えられるので、今後の昇給も期待できるでしょう。

仕事の対価がしっかり支払われて生活の質が上がると、会社に対する満足度も向上する傾向にあるため、早期離職が起こりにくくなる可能性が高まります。

担当業務や役割が明確に定められているか

求人や面接で、業務内容や社内での役割が具体的に説明されているかを確認するのも大切です。

業務内容や自分の役割の詳細が不明瞭なまま入社を決めると、適性や希望に合わないミスマッチな業務を割り当てられてしまう恐れがあり、ストレスから早期離職につながりやすくなります。

担当業務や役割が明確な企業は、入社後の仕事のイメージがしやすく、適性や希望に合った業務に従事できる可能性が高まります。適性や希望に合う業務であれば、たとえ慣れない作業でもモチベーションが続きやすいでしょう。

教育体制やサポート環境が整っているか

中途採用者に対する教育制度やサポート環境が整っているかもよく確認しておきましょう。

新しい職場へ適応しやすく、孤立感を感じにくくなるような研修制度、メンター制度などが整備されていると、職場に早く馴染める可能性が高くなります。

求人情報に教育制度や入社直後の流れについて記載している企業ばかりではないので、面接の際に質問しておくのがおすすめです。

  • ちなみに、求人で即戦力採用が押し出されている場合、「中途採用者=何も教えなくても活躍できる存在」と思われて、研修制度が用意されていないケースもあります。

評価のルールや仕組みが整っているか

職場内で業務のフィードバックがどのように行われているか、適切な評価制度が設けられているかといった、評価の仕組みも確認しておきたい事項です。

評価制度が正しく機能している企業では、社員個人の努力や成果に見合った評価が行われます。頑張りが昇進・昇給などに反映されるので、モチベーション維持につながるでしょう。

たとえあまり良くない評価を受けたとしても、評価基準が明確なら納得しやすく、自分の改善点も把握しやすいため、評価の向上を目指して前向きに仕事に取り組める可能性が高いです。

評価制度について求人に記載がない場合は、面接の際に質問してみましょう。

人間関係や社内の雰囲気は良さそうか

社員同士の距離感や職場の雰囲気が良さそうかといった点も、長期的に働くためには大切なポイントです。

面接時の対応や社内見学、口コミなどから、社員や社内の雰囲気をチェックしましょう。

職場では特別仲が良い人をつくる必要はありませんが、円滑に業務遂行するためには良好な人間関係の維持が欠かせません。人間関係のストレスが少ない職場は働きやすく、安定して働ける可能性が高いです。

また、明るい雰囲気で人間関係が良い職場ほど、中途採用者を雑に扱わずに歓迎してくれる傾向があります。親しみやすい空気感があれば、新しい環境に早く馴染めるでしょう。

柔軟な働き方や福利厚生が充実しているか

柔軟な働き方ができるか、福利厚生が充実しているかという点も、入社前に確認するのがおすすめです。

社員の定着率が高い会社は、ワークライフバランスを重視し、福利厚生が充実している傾向にあります。仕事に集中しやすい環境の職場は、社員の満足度も高くなりやすいです。

各種手当の有無や、リモートワーク、フレックスタイム制、時短勤務といった柔軟な働き方ができるかどうかを確認しましょう。

有給休暇や産休・育休などの取得率も要チェックです。求人情報では「制度あり」としていても、実際には制度が機能しておらず取得実績が低い企業もあるため、注意しましょう。

中途採用で扱いがひどいときによくある質問

中途採用で入社して「扱いがひどい」と感じると、「やはり即戦力にならないとダメなのか?」「転職したいけど、転職回数が多くなると不利になるかも」など、さまざまな疑問や不安が生まれます。

ここでは、中途採用で「扱いがひどい」と感じたときによくある質問をQ&A形式でまとめました。

中途採用は即戦力で働けないとダメですか?

中途採用者を即戦力として期待する企業は多いですが、必ずしも入社直後から結果を出す必要はありません。

即戦力とは、研修やOJTなどを行わなくても、入社後すぐに業務を担当して活躍できる人材を指します。

しかし、未経験の業種や職種での転職の場合は、仕事を覚えるまでに時間がかかるのは当然です。また、たとえ同業他社からの転職だったとしても、これまでとは異なる文化の慣れない環境下でいきなり活躍するのは難しいでしょう。

中途採用であっても、新入社員への教育・サポート体制は非常に重要で、これらが整っていない企業では、即戦力となり得る人材も実力を発揮できない可能性が高いです。

  • 特にサポート体制が整っていない職場の場合は、すぐに即戦力になれなくても気にしすぎないようにしましょう。

企業が中途採用をするのは何のためですか?

企業が中途採用を行う主な目的は以下です。

  • 事業拡大や急務の案件に向けた人材の確保
  • 社員の退職や異動による欠員補充
  • 特定の専門スキルや経験を持つ人材の確保
  • 異業種での経験を持つ人材の確保

中途採用は求人掲載から入社までのサイクルが短いので、「今すぐ社員を増やしたい」という場面でよく行われます。すでに高いスキルや実務経験がある社員が必要な場面でも重宝されやすいです。

また、あえて異なる業界や職種を経験した人材を雇い、職場内に新しい視点を取り入れるという意図で中途採用をする企業もあります。

中途で転職回数が多いと悪影響がありますか?

採用担当者の考え方にもよりますが、退職理由を明確に説明でき、その理由が妥当と判断されれば悪影響が出ないケースがほとんどなので、過剰に心配する必要はありません。

ただし、転職理由を説明する際に、「他人や環境が不満だった」と述べてしまうと、長続きしなそうな人とネガティブな印象を与える可能性が高いです。

退職理由や転職回数を説明する場合は、退職に至った理由を客観的な視点で説明しましょう。また、自分の考えや行動を振り返り、過去の経験を経て今後どのようにそれを活かしていく予定なのかを説明できるようにすると、ネガティブに受け取られにくくなります。

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中途採用で扱いがひどいのは自分のせいじゃない!前向きに行動を始めよう

中途採用者は企業から即戦力になると思われやすく、過度に期待されるケースが多いです。また、企業が中途採用者の受け入れに慣れておらず、入社後に雑な扱いを受けてしまう場合もよくあります。

自分から周囲に声をかけて関係を構築したり、早く仕事に慣れようと前向きな姿勢を見せたりすると、扱いが変わるケースも珍しくはありません。

時間の経過で解決する場合もあるので、まずは現在の状況や自分の気持ちを整理して、できることから進めてみるのがおすすめです。

とはいえ、何をしても状況が改善しない際や、心身に不調が現れている際は、転職を視野に入れても問題はありません。

  • 転職を行う場合、自分にとって職場に必要な環境を「見極め直す」といった視点を持つと、次の職場選びの成功につながりやすくなります!

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著者情報

シュウジ
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兵庫県生まれ。都内の私立大学卒業後、パチンコにハマって単位を落とすも、一浪して大学を卒業。派遣社員として工場で働きながら、副業としてナイト系ドライバーやせどりを始める。
本業に嫌気がさし、転職を決意し資格取得に励む。奇跡的に大手人材会社に入社し、給料が倍になり人生が変わる。人材業界でさまざまな職業や経歴を持つ人々との交流を通じて知識を蓄え、2023年にブログ「仕事図鑑」を開設。