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社会人2年目はどんな目標を立てるべき?
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自立しろとか、主体性を持てとか、具体的にどういうこと?
会社の戦力として活躍し、そして自分のスキルやキャリアを成長させるために、社会人には目標設定が欠かせません。
特に社会人2年目は、1年目に覚えた業務や教えてもらった内容を活かして実践経験を積み、一気に成長を遂げやすいタイミングです。今後のキャリアを大きく左右する可能性もゼロではありません。
それだけ社会人2年目の目標設定は非常に重要な意味を持ちます。
本記事では、社会人2年目の目標例や会社のニーズに合わせた具体例を解説します。
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目標設定のコツやありがちな失敗例、目標を達成するポイントなどもご紹介するので、社会人2年目を迎える方は必見です!
社会人2年目の目標は今後のキャリアを考える中でも重要

社会人2年目の目標は今後のキャリア形成において、重要な意味を持つとされています。
なぜなら、社会人2年目は「1年間で基礎的なスキルと知識は身についた」という前提で、会社から成長と貢献を期待され始める時期だからです。
また、主観的には少しずつ高度な仕事が増えてプレッシャーを感じたり、本当に成長できているか不安になったりしやすい時期でもあります。
大切なこの時期に「ただがむしゃらに頑張る」という目標では、会社からの評価も上がりにくく、成長の手ごたえも小さくなってしまいます。
だからこそ、成長の道筋として目標設定の明確化が重要です。
小さくても具体的な目標が設定できれば、会社はできるようになったことを評価しやすく、主観的にも自分の成長が実感できます。
そして、成長はやりがいと意欲になり、能力を伸ばしていけるでしょう。
社会人2年目は「今やるべきこと」を正しく理解して目標設定をすれば、キャリアビジョンを明確にできます。結果として、今後のキャリア形成もしやすくなるわけです。
社会人2年目はより主体的な動きが求められる

社会人2年目は、業務知識やスキルは身についていて当然とみなされがちで、主体的な動きが求められます。
具体的には以下のような違いが現れてきます。
- 社会人1年目
- 基礎的な知識・スキルを身につける期間。慣れることも仕事の一環なので、指示待ちの姿勢でもそれほど問題視されない。
- 社会人2年目
- 1年間で基礎的な仕事はできる前提で、成果を求められはじめる。チームや会社へ貢献できる主体的な行動が必要になってくる。
たとえば、業務のクオリティ向上に向けたスキルアップ、新入社員や困っている仲間のサポート、積極的な提案や発言などに自発的に取り組まなくてはいけません。
誰かから指示をされなくても、気づき、考え、行動できる人材への成長が社会人2年目には期待されています。
求められる役割・行動が1年目とは異なり、新たな課題に直面する時期だからこそ、社会人2年目には明確な目標設定が欠かせないのです。
【職種別】社会人2年目の目標例

社会人2年目で設定すべき目標は、業種によっても異なります。
ここでは以下の業種別に、社会人2年目の目標例をご紹介します。
- SE
- 営業担当
- 事務担当
- マーケティング担当
- 広報担当
社会人2年目の目標は、個人の状況や会社のニーズによってもまちまちです。そのため下記の目標例を参考にしつつも、自分の現状に合った目標を設定してください。
SEの目標例
社会人2年目のSEは、1年目に引き続き基礎固めを行いつつ、技術面のレベルアップになるような挑戦を目標にするのがおすすめです。
数値目標例
- プログラムのレビューでの指摘件数を、今期の15件から10件以下に下げる
- 担当しているシステムに改良を加え、稼働率を現状の60%台から75%以上にする
- プログラムの開発効率を見直して工数を20%削減する
- プログラムのバグ発生件数を5件以内にする
行動目標例
- オンライン学習を利用して毎日1時間勉強する
- 「応用情報技術者試験」と「java silver」に合格して実務で活用する
- 担当システムのプログラム設計、実装、単体テストまで上司の補助なしで行う
- 小規模プロジェクトのリーダーになる
営業担当の目標例
社会人2年目の営業担当は、1年目以上に結果が求められます。営業プロセスを細かく分類して数値化すると、具体的かつ現実的な目標を設定できるでしょう。
数値目標例
- 新規顧客獲得数を昨年の35件から50件に増やす
- 年間の粗利益率を35%以上にする
- 顧客アンケートを実施し、現状80%の顧客満足度を90%以上にする
- 営業ロープレに週2回取り組み、成約率を今より10%アップさせる
- 月間売上500万円以上を達成する
行動目標例
- 40分の通勤時間は自主学習に充て、商品知識を深める
- 1週間に10件は新規企業を訪問する
- 毎日10件の架電、2件の商談を行う
- よりわかりやすい提案資料を作成するため「MOS資格」を取得する
事務担当の目標例
社会人2年目の事務担当は、日々の仕事の中でミスしがちな作業や苦手な作業、課題に感じていることを洗い出し「どうすればより良くなるか」を考えると適切な目標設定がしやすくなります。
数値目標例
- ダブルチェックをルール化して、月平均3件発生している仕訳入力ミスを0件にする
- 業務効率化に関するアイデアを5件以上提案し、作業効率を30%以上向上させる
- 給与計算にかかる工数を見直し、給料日前の残業時間を10%削減する
行動目標例
- 「エクセルVBA」の資格を取得し、大量データの一括処理業務に活かす
- メールを送る前に指差呼称を行い、誤字・宛先間違いを防ぐ
- 給与計算業務にチェックリストを導入する
- 紙の資料をスキャンしてデータ化し、情報共有しやすい環境を作る
マーケティング担当の目標例
社会人2年目のマーケティング担当には「スピード感のある対応」が求められる傾向があります。ブランドの認知度や利益率に直結しやすい目標を設定しましょう。
数値目標例
- 担当しているWebサイトをリニューアルし、見込み客のコンバージョンを2倍にする
- 広告キャンペーンを通じて、ソーシャル経由での売上を10%増やす
- 公式SNSを活用してブランド認知度を高め、指名検索数を前年の3倍にする
- 効果の薄い広告を分析して停止し、広告費を20%削減する
行動目標例
- 四半期ごとに集客イベントを開催して商品認知度を高める
- デジタルプレゼンス向上を目指して、Webサイトに毎月15本記事を掲載する
- 購入者にアンケート調査を実施し、サービスの改善点を洗い出す
広報担当の目標例
広報担当の仕事は「継続」が一つのカギとなり、行動の積み重ねが結果につながります。目標を高くしすぎるとなかなか結果が出ずに挫折する可能性があるので、無理なく継続できる目標を立てるのがコツです。
数値目標例
- SNSの投稿数を1日3回から5回に増やす
- プレスリリースの配信本数を月10本から15本に増やす
- まだ参入していないSNSプラットフォームに企業アカウントを作成し、フォロワー数を3か月で5,000人以上にする
行動目標例
- 人材の定着や業績の向上のために、年4回の社内イベントを開催する
- 人事異動時期が落ち着く4月と10月に、メディアリストをメンテナンスする
- 「ビジネス文書検定」に合格し、プレスリリースの作成に役立てる
- 外注ライターを3名新規採用し、プレスリリースを量産する
社会人2年目の目標例|会社のニーズに合わせた具体例

社会人2年目におすすめの会社のニーズに合わせた目標例は、以下の通りです。
- 業務スキルの向上
- より高いレベルのコミュニケーション
- 自立性やリーダーシップの意識向上
- チーム目標へのコミットメント・貢献度の向上
- 新たなプロジェクトへの参画
- 会社のミッション・ビジョン・バリューの体現
- 1年目でクリアできなかったことの改善
会社のニーズとズレていると、目標を立てて努力をしても評価がされにくくなります。目標設定時は「自分に求められているスキルや役割」をよく考えましょう。
業務スキルの向上
社会人2年目は自分一人で担当する仕事や新たなチャレンジとなる仕事が増える時期です。そのため、基礎的な業務遂行スキルと一歩進んだ専門スキルの向上が求められます。
それぞれに応じた目標設定をして、スキルを成長させましょう。
業務遂行スキルを向上させる目標例
- 作業時間を計測し、工数で見た業務の最適化をする
- 業務ツールを使った作業時間を20%短縮する
- 業務知識をテキストで蓄積し、ノウハウの見える化をする
専門スキルを向上させる目標例
- ITスキル関連の資格を1つ以上取得する
- 1年以内に新しいプログラミング言語を習得する
- 四半期に一度、社内研修や外部研修を受講する
- 1日15分以上、専門書籍を読む
業務スキルを向上させると、生産性がアップして社内評価が上がったり、仕事への理解度が深まったり、やりがいが増えたりなど、さまざまなメリットがあります。
より高いレベルのコミュニケーション
社会人2年目は任される仕事が増え、他部署や社外の人と関わる機会が多くなる人もいます。そのような人の場合、主な交流相手が同僚・チーム内のみだった1年目よりも、レベルの高いコミュニケーション力が求められるでしょう。
そこでコミュニケーション力を向上させる目標例をご紹介します。
目標例
- 参加したミーティングで3回以上発言・質問する
- 月に一度、プレゼンテーションの機会を作る
- 会議やプレゼンテーションのあとには上司にフィードバックを求める
- 新入社員に一日一度は声をかけ、雑談する
- 1か月以内にビジネスメールに関するノウハウ本を読破する
「話す力」「聞く力」に加えて、メールやチャットを頻繁に使用する現代の社会人には「文章力」も必須です。バランス良く鍛えてスムーズに意思疎通できる人材を目指してください。
自立性やリーダーシップの意識向上
社会人2年目は、仕事に責任感を持ち、自ら考えて行動する主体性が求められます。
新入社員が入ってきて頼られる場面があるほか、ゆくゆくは大きなプロジェクトやチームを率いる立場を任せられる可能性もあるでしょう。そういった立場では自立性とリーダーシップの養成は必要不可欠です。
自立性やリーダーシップの意識を向上させる目標例は以下の通りです。
目標例
- 積極的にチームやプロジェクトでリーダーを務める
- 週に1つ業務課題を見つけ、解決策を提案する
- 組織内の仕事の進捗状況を把握し、上司に報告する
- 担当業務の9割以上を上司の補助なしで行う
- チームの士気を高めるため、メンバーと積極的にコミュニケーションを取る
自立性やリーダーシップを向上させるには、チャレンジできそうな業務・課題を自ら見つけて、積極的に取り組んでいくことが大切です。
チーム目標へのコミットメント・貢献度の向上
社会人2年目は、チーム全体の目標にも目を向けて行動することが大切です。
2年目になると、基本的な業務はひと通りこなせるようになり、チームの一員としてどう貢献するかが問われるようになります。
自分の目標だけでなくチームの目標も意識して行動できるようになると、周囲からの信頼も深まっていきます。
チーム目標を意識した具体的な目標例は以下の通りです。
目標例
- 新入社員のメンターになる
- メンバー同士で考えや進捗状況を共有できるよう、月に一度情報共有の場を設ける
- 研修や勉強会を開催し、メンバーが新たなスキルを習得できる環境を整える
- 四半期ごとにチーム活動を振り返るミーティングを実施し、改善点を洗い出す
このようにチームの目標に積極的に関わる姿勢は、リーダーシップの芽生えとして会社からも評価されやすい傾向があります。
新たなプロジェクトへの参画
社会人2年目は、1年目のときよりも難易度の高いプロジェクトに携わりやすくなります。新規プロジェクトへの参画は、人脈作りや視野拡大、技術習得、キャリア形成の機会となるので、チャンスが巡ってきたときには積極的に手を挙げましょう。
新たなプロジェクトへの参画に関する目標例は以下の通りです。
目標例
- 四半期に一度以上、プロジェクト企画書を提出する
- 新たなプロジェクトに1つ以上参加する
- プロジェクトにおける重要ポジションに抜擢される
- 参加したプロジェクトでは、クライアントにプランを5つ以上提案する
- 部署横断プロジェクトに参加し、チーム外の人とも関係性を築く
自身の現状と会社のニーズを照らし合わせつつ、チャレンジ精神を持って目標設定してください。
会社のミッション・ビジョン・バリューの体現
ミッション・ビジョン・バリューとは、企業経営に欠かせない3つの要素です。ミッションは「会社の使命」、ビジョンは「会社の将来像」、バリューは「会社の価値観・行動指針」を指します。
ミッション・ビジョン・バリューは会社の価値観を社内外に示す重要な役割を担っているため、それを体現する目標を掲げるのもおすすめです。
会社のミッション・ビジョン・バリューを体現する目標例をご紹介します。
目標例
- 経営理念を理解し、経営ビジョン実現に向けた行動を取る
- 企業のミッションをもとに自分が果たすべき使命を考え、日々の業務に落とし込む
- 会社の文化・慣習を重んじながらも、時代や市場の変化に合わせて柔軟に改善する
ミッション・ビジョン・バリューに関する目標は数値化が難しいため、行動目標をメインに設定するのがポイントです。
1年目でクリアできなかったことの改善
社会人1年目でクリアできなかった課題や、苦手に感じた業務を改善させる目標を2年目に設定するのも良いでしょう。
1年目でクリアできなかったことを改善する目標例をご紹介します。
目標例
- 目標「1日5件の訪問・2件の商談」の達成率を、昨年の90%から今年は100%にする
- 目標の進捗状況を毎日確認し、現状と目標に差分がある場合は課題の特定・解決を優先する
- 昨年は資格試験に合格できなかったため、学習時間を倍にして再挑戦する
ただし、1年目でクリアできなかった理由は、実現不可能な目標設定が原因かもしれません。2年目もやみくもに目標を継続するのではなく、一度冷静に「今の自分の能力で達成可能な目標か」を考えてください。
社会人2年目の目標設定のコツ

社会人2年目の目標設定のコツは以下の通りです。
- SMARTの法則に基づいて目標を設定する
- 具体的な行動目標や数値目標を設定する
- 1年間のなかで短期・中期・長期の目標設定を設定する
- キャリアを逆算して目標設定をする
適切な目標設定には、いくつか押さえておくべきポイントがあります。各ポイントを詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
SMARTの法則に基づいて目標を設定する
SMARTの法則とは、目標を立てるのに必要な5つの要素からなるフレームワークです。
5つの要素は、以下のような意味を持ちます。
- Specific(具体的):目標の内容を具体的にする
- Measurable(測定可能):目標の達成度を数値で測定できるようにする
- Achievable(達成可能):現実的に考えて達成可能な目標か確認する
- Relevant(関連性):会社や部署の目標と関連しているか確認する
- Time-bound(期限付き):目標達成に期限を設ける
具体的かつ達成可能な目標を設定でき、達成進捗を把握しながら的確な行動計画を立てられるのが、SMARTの法則のメリットです。目標設定シートを用いると、SMARTの法則をより効果的に活用できるでしょう。
具体的な行動目標や数値目標を設定する
具体的な目標とは、何を、どれくらい、いつまでに達成するのかが明確な目標のことです。目標を設定する際は、数値目標や行動目標を数値化し、具体性を持たせましょう。
以下は、数値目標と行動目標の良い例・悪い例です。
数値目標
- 良い例:昨年比より売上を70%向上させる
- 悪い例:売上を上げる
行動目標
- 良い例:今週中に、3件の新規顧客にアプローチする
- 悪い例:顧客への訪問頻度を増やす
目標を数値化すると行動計画が立てやすく、今やるべき行動にすぐに移れます。そのため、目標達成までにかかる期間を短縮できる可能性が上がります。
また、目標達成の度合いを簡単に測定でき公平性のある評価を下しやすいのも、目標を数値化する利点といえます。
1年間のなかで短期・中期・長期の目標設定を設定する
社会人2年目の目標は、1年間の中で短期・中期・長期と時期を分けて、複数設定するのがおすすめです。目標を細分化すればこまめに目標を達成でき、自信が付きやすくなります。難易度の高い長期目標達成に向けたモチベーションも維持しやすくなるでしょう。
それぞれの目標を設定するときのポイントと、具体例は以下の通りです。
参考
【短期】
比較的取り組みやすい、1〜3か月ほどで達成できる目標にします。
例:月100時間以上勉強する
【中期】
長期目標達成につながり、3〜6か月ほどで達成できる目標にします。
例:「データベーススペシャリスト」の資格を取得する
【長期】
難易度が高いものの最も成し遂げたい、半年~1年ほどで達成できる目標にします。
例:プロジェクトリーダーを務める
キャリアを逆算して目標設定をする
最初にゴールとなる目標を定め、そこから逆算して目標達成に必要なプロセスを計画していく思考法を「逆算思考」といいます。目標達成に必要な行動やクリアすべき課題が明確になり、効率的な行動計画を立てられるのが逆算思考のメリットです。
社会人2年目は、理想とするキャリアから逆算して目標設定すると良いでしょう。
- 「目指すキャリア像」を明確にする
- 目標達成に必要な情報を集める
- 必要な行動・タスクを洗い出す
- スケジュールに落とし込む
- 定期的に振り返りと見直しを行う
キャリアを設定する際は、実現に何十年もかかるようなものは避けましょう。
1~3年後の自分をイメージするのがおすすめです。
ロールモデルを参考にする
ロールモデルとは、「こんな人になりたい」と思えるような、自分の考え方や行動の手本となる人物のことです。
ロールモデルを定めて参考にすると、将来のキャリアプランを描きやすくなり、目標もより具体化しやすくなります。また、「ロールモデルのようになるにはどうすればいいか?」と考えることで、自分の課題が明確になり、成長のスピードも上がっていきます。
ロールモデルとしてふさわしいのは、尊敬できる部分や見習いたい点がある人物です。
社会人2年目のうちは、上司や先輩と一緒に働く機会が多くあります。まずは、身近な上司や先輩の中から、尊敬できる人をロールモデルにしてみましょう。
また、身近にいない場合は、歴史上の人物や企業、ブランドなどの経営者を設定するのも有効です。
設定した目標を上司とすり合わせる
設定した目標は、上司に共有して内容のすり合わせを行う必要があります。自分一人で考えた目標は、実現がそもそも不可能だったり、会社のニーズやチームの目標に合っていなかったりする可能性があるためです。
また、上司とのすり合わせを行わないと客観的な視点を得られず、適切ではない目標を設定して努力が空回りするリスクがあります。
設定した目標を上司とすり合わせる際、特に念入りに相談すべきポイントは以下の5点です。
- 会社やチームの目標とバランスは取れているか
- 自分に期待されている役割に合っているか
- 目標は具体的かつ測定可能か
- 目標の妥当性はあるか
- 目標達成の期限はいつか
丁寧に目標をすり合わせることで、上司からのサポートやフィードバックも受けやすくなり、達成率の向上につながるでしょう。
社会人2年目の目標設定でありがちな失敗

社会人2年目の目標設定でありがちな失敗は以下の通りです。
- あいまいな目標を設定してしまう
- 目標設定が現状に対して高すぎる・低すぎる
- 目標に対する進捗管理をしていない
- チーム目標や部署目標と連動していない
よくある失敗例から注意点を学び、目標を設定する場面で活かしましょう。ここからは、各失敗について詳しく解説していきます。
あいまいな目標を設定してしまう
目標設定でよくある失敗のひとつが、「あいまいな目標」を立ててしまうことです。
「仕事で成果を上げる」「売上を伸ばす」など目標があいまいだと、何をもって達成となるのか、具体的にすべきことが見えにくく、アクションに繋がらなかったり、途中でモチベーションを失ってしまう原因にもなります。
社会人2年目はまだ経験が浅く、成し遂げたいことの多さから、抽象的な目標を立ててしまいがちです。
良い結果を求めるなら、目標には具体的な数値や期限を設け、自分なりに可視化する工夫が大切です。たとえば自分のやりやすい方法で、現在・目標・達成の数値を表や進行表にまとめ、目標を具体的にしましょう。
目標設定が現状に対して高すぎる・低すぎる
目標は高すぎても低すぎても良くなく、塩梅も重要です。
たとえば、月間平均売上100万円の現状から、いきなり「月間平均売上500万円以上」を目指すような、高すぎる目標設定はやめたほうが無難です。高すぎる目標はプレッシャーやストレスの原因となり、大きな挫折感を生んで最悪の場合、離職につながってしまうことがあります。
とはいえ、「毎日10件行っている架電を13件に増やす」のような低すぎる目標を設定してもいけません。低すぎる目標は少しの努力で簡単に達成できてしまい、スキルが身に付きにくく、チームや組織の成長も停滞します。
設定する目標の難易度は「達成可能な範囲にありながら挑戦的なレベル」にするのがベストです。目標は高すぎても低すぎてもデメリットがあるので、設定時は難易度をよく考えてください。
目標に対する進捗管理をしていない
社会人2年目は1年目よりも仕事の量が増え、目標の進捗管理が後回しになりがちです。
しかし、目標は定期的に振り返り、必要に応じて内容や行動計画を見直さなくてはいけません。
振り返りを怠ると、計画が遅れていることに気づけず、目標を達成しにくくなってしまいます。逆に、順調に進んでいることが確認できれば、小さな達成感が得られ、モチベーション維持にもつながります。
目標の進捗は、1週間~1か月ごとなど短いスパンで確認する習慣をつけましょう。
タスク管理ツールを活用したり、曜日や時間を決めて上司に報告することで、進捗管理を日常のルーティンに組み込みやすくなります。
チーム目標や部署目標と連動していない
チームや会社の目標と連動していない個人目標を設定してしまうのも、社会人2年目に多い失敗です。
社会人として仕事の目標を掲げる以上、チームや会社の方針に沿ったものであるべきです。たとえ目標を達成しても、会社への貢献にならなければ評価されず、成功とは言えません。
「個人の都合を優先している」「協調性がない」と誤解されやすく、チーム内での信頼や人間関係が悪化するリスクもあります。
なお、チームや組織の目標は、途中で変更となるケースも珍しくありません。目標そのものが変わる場合も多いですし、配置換えや異動などにより当初の目標と現状がマッチしなくなる可能性もあります。
そのため、状況に合わせて個人目標を柔軟に修正する姿勢が大切です。
社会人2年目の目標を達成するためのポイント

社会人2年目の目標を達成するためのポイントは、以下の4つです。
- 定期的に自己評価・振り返りを行う
- メンターや先輩社員にアドバイスを求める
- 社内外の研修や学習支援制度を活用する
- 目標管理ツールを活用する
周囲の人を頼ったり制度やツールをうまく活用したりするのが、目標達成のカギです。各ポイントを押さえて、効率的に目標達成を目指しましょう。
定期的に自己評価・振り返りを行う
設定した目標は進捗管理によって定期的な振り返りを行い、自己評価をつけましょう。
計画が順調に進行しているかの確認はもちろん、未達成の項目があればその理由やいつアクションをするのかを明確にします。
また、小さな成果や進歩に目を向けることも大切です。自身の成長を実感すると目標達成意欲を維持しやすく、行動するモチベーションが衰えにくくなるためです。
ただし、自己評価だけではどうしても自分視点に偏りがちなので、周囲の人にフィードバックを求めましょう。他者評価は客観性があって公平なものだと前向きに受け止めれば、一層の成長が期待できます。
メンターや先輩社員にアドバイスを求める
「指導者」「助言者」を意味するメンターは、新入社員や若手社員の相談に乗り、スキルアップやキャリア形成を支援してくれる存在です。
目標を達成するうえで、メンターや先輩社員にアドバイスを求めることも重要なポイントです。
勤務歴が長い分、経験に基づいた具体的なアドバイスが期待でき、新たな視点を得るきっかけにもなります。
特にメンターは、入社3~5年目の先輩社員が担当することが多く、年齢や立場が近いため相談しやすいのも特徴です。
困ったときは一人で抱え込まず、積極的に頼っていきましょう。
社内外の研修や学習支援制度を活用する
日々の業務から得られる経験・スキルには限界があります。そこで、社内外の研修や社内に用意されている学習支援制度を積極的に活用して、成長・学習のチャンスを自ら増やすことも重要です。
一人きりだとモチベーションを維持できず努力を継続しにくい人も、研修会や学習支援活動に参加すれば集中できる環境に良い刺激を受けて継続力が高まるでしょう。
一般企業でよくある研修や制度としては、昇進・昇格試験に向けた研修やコミュニケーション研修、資格取得支援制度などが挙げられます。
まずは自分の会社にどんな研修・支援制度があるのかを確認し、うまく活用してください。
目標管理ツールを活用する
目標管理には、専用のツールを活用するのもおすすめです。
進捗状況を細かく確認できるため、今やるべきことや優先すべきタスクを正確に把握できます。また、達成度が可視化されることで、モチベーションの維持にもつながります。
以下は、多くの企業で利用されている代表的なツールです。
- Backlog
- Strides
- Today
- Google Keep
- Todoist
いずれも目標や進捗を社内のメンバーと共有しやすい点もメリットです。状況説明の手間が減り、報告や相談もスムーズになります。
無料で利用できる目標管理ツールもあるので、予算や使いやすさを加味したうえで自分に合ったサービスを選んでください。
適切な目標設定で社会人2年目以降の成長が変わる!

社会人2年目は、今後の成長やキャリアに大きな影響を与える非常に大切な時期といえます。だからこそ自分の可能性を広げる適切な目標設定が重要です。
目標を設定する際は「いつまでに」「何を」「どうするのか」のように内容を細かく詰め、具体性を持たせましょう。そのうえで、メンターや社内外の研修、目標管理ツールなど活用できる手段は積極的に取り入れるのがおすすめです。
また、ただ設定しただけでは目標は達成できません。日々努力することはもちろん、定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて目標を再設定してください。
この記事を参考に適切な目標設定を行い、2年目以降の成長につなげていきましょう!