イラストレーターの年収まとめ!稼げる人と稼げない人の特徴と年収アップのコツ

イラストレーターの年収まとめ!稼げる人と稼げない人の特徴と年収アップのコツ

イラストレーターは本や雑誌、ポスター、商品パッケージ、Webサイト、ゲーム、動画など、あらゆる媒体で使われるイラストを作成する職業です。

イラストレーターの雇用形態はさまざまで、最近ではフリーランスのイラストレーターも増えています。しかし、雇用形態や知名度、個人のスキルなどによって収入に差が生まれやすい職業でもあるため、イラストレーターとして思うように稼げないとお悩みの方もいるでしょう。

本記事では、イラストレーターの年収について徹底解説します。

年齢別・性別・地域別の平均年収やイラストレーターで稼げる人と稼げない人の特徴、年収・給与を上げるポイントについてご紹介しているので、今よりももっと稼ぎたい方はぜひ参考にしてみてください。

イラストレーターの平均年収は466万円

イラストレーターの平均年収は約466万円です。
(※厚労省データの月給32.6万円をもとに、年間賞与75.1万円として計算した場合)

大学卒業後にイラストレーターとして同一の企業に勤務し続けた場合の生涯年収は、約1億7,708万円です。
(※勤続年数が22歳から定年の60歳までの38年間と仮定して単純計算をした場合)

なお、イラストレーターの年収がピークを迎えるのは55歳~59歳頃で、年収は637.9万円です。また、イラストレーター全体の月収別の人数割合としては、24~25.9万円の人がもっとも高い割合を占める結果が出ています。

ただし、先述したようにイラストレーターは雇用形態、知名度、技量などによって収入が大きく変わるので、紹介した数値や年代は一つの目安として参考にしてください。

参考:職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「イラストレーター」(参照 2024-03-01) 

 

イラストレーターの収入内訳

イラストレーターの収入内訳は「基本給・賞与・諸手当」で構成されている企業が多いです。

手当の種類は企業によって異なりますが、通勤手当や時間外手当、役職手当などさまざまなものが用意されています。

また、クリエイティブな職業であることから、グラフィック系のソフトに関する資格を取得すると資格手当が出たり、個々の貢献度やスキルが評価されればプラスアルファで収入が増えるインセンティブ制度が導入されていたりする場合もあります。

企業によって諸手当の種類や金額、制度の有無などは異なるため、収入内訳は勤務先の条件次第で変動します。

 

【年齢別】イラストレーターの平均年収

イラストレーターの平均年収は年齢によって大きく変わります。

年齢

平均年収
20~24歳 296.44万円
25~29歳 333.25万円
30~34歳 446.32万円
35~39歳 442.99万円
40~44歳 475.51万円
45~49歳 566.59万円
50~54歳 630.73万円
55~59歳 637.94万円
参照元:職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「イラストレーター」(参照 2024-03-01)

年齢が上がるにつれて平均年収も上がっていく傾向があるため、実務経験の積み重ねやスキル・専門性の向上などによる昇給、役職手当による収入アップなどが影響していると考えられます。 

20~24歳はイラストレーターとして働き始めて間もないため、経験も浅く専門性も低いことから平均年収は296.4万円と低めです。25~29歳になると平均年収が333.3万円になり、経験の積み重ねや専門性の向上などによる昇給が見てとれます。

その後も年代が上がるにつれて平均年収は高くなっており、45~49歳になると平均年収は500万円を超え、50~54歳では600万円以上に達します。

 

【性別】イラストレーターの平均年収

イラストレーターの平均年収は性別によっても違いがあります。

以下の表は、「きまって支給する現金給与額×12カ月+年間賞与その他特別給与額」で算出した男女ごとの平均年収の比較です。

なお、参考元となる厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」では、イラストレーターだけでなく美術家・写真家・映像撮影者の賃金が一括りにされているため、その点にご留意ください。

性別

平均年収

(千円)

きまって支給する現金給与額

(千円)

年間賞与その他特別給与額

(千円)

男女計

4,666.8

326.3

751.2

5,007.3

345.1

866.1

3,722.6

274.2

432.2

参照元:e-State政府統計の総合窓口「職種(小分類)性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」(参照 2024-03-01)

男性イラストレーターの平均年収は約500万円、女性イラストレーターの平均年収は約372万円となり、100万円以上の差があります。

イラストレーターとして働くのであれば、上記のように性別による賃金格差があることを考慮に入れ、今後のキャリアプランを考えることが大切です。

 

【地域別】イラストレーターの平均年収

イラストレーターの平均年収は、各地域の経済状況や市場の需要などに応じて異なる傾向があります。

以下の表は、東京都と政令指定都市のある道府県の平均年収を比較したものです。

都道府県

平均年収

北海道

537.7万円

宮城県

681.9万円

東京都

556.9万円

埼玉県

382.4万円

千葉県

461.3万円

神奈川県

445.9万円

新潟県

429.6万円

静岡県

582.9万円

愛知県

629.7万円

京都府

489万円

大阪府

405.4万円

兵庫県

381.5万円

岡山県

483.2万円

広島県

509.8万円

福岡県

308.3万円

熊本県

430.9万円

参照元:職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「イラストレーター」(参照 2024-03-01) 

イラストレーターの平均年収がもっとも高い地域は宮城県の681.9万円、もっとも低い地域は福岡県の308.3万円で、370万円以上もの年収差が発生しています。

地域によって平均年収に大きな差があるため、イラストレーターとして年収アップを重視するのであれば、働く地域を慎重に検討しましょう。

 

イラストレーターの平均年収が高いと言われる理由

国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によれば、給与所得者の平均年収は男性が563万円、女性が314万円、男女計で458万円と出ています。
466万円というイラストレーターの平均年収は、全職種の平均年収に比べるとやや高めです。

イラストレーターの平均年収が高いといわれる理由は、以下の通りです。

  • 実力主義であり稼げる人が平均を上げているから
  • イラストの価値が高い大手企業などに勤めている人の収入が高いから

総じて、実力のある人がイラストレーター全体の収入の平均を押し上げていることが理由と考えられます。イラストレーターは名が売れている知名度が高い人であれば報酬がかなり高いので、一般の会社員以上に稼げる可能性もあります。

そのため、すべてのイラストレーターが高い年収を稼げるというわけではありません。

実力主義の職種である以上、大企業に勤務していることやイラストレーターとして知名度・人気があることが、イラストレーターとして高収入を稼ぐための条件となります。

  • 人気商売でもあり、最近は作成ツールも充実している関係からかイラストレーターを目指す人が増えていてライバルもかなり多いです。必ずしも稼げる職業ではないという点は注意しておきましょう。

参考:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」(参照 2024-03-01)

 

イラストレーターで稼げる人・稼げない人

イラストレーターとして稼ぐなら、実力だけでなく以下のような能力を身につけて、スキルを磨きながら実務経験を積む必要があります。

イラストレーターに求められる能力

  • イラスト作成スキル(画力)
  • 画像編集ソフトを扱うスキル
  • クライアントの要望をヒアリングできるコミュニケーションスキル
  • 納期通りにイラストを作成できるスケジュール管理スキル

これらのイラストレーターに求められる能力をもとに、イラストレーターで稼げる人・稼げない人の特徴をまとめました。

イラストレーターで稼げる人

イラストレーターで稼げない人

自分を売り込む営業力がある人

絵を描き続けられない人

イラストへの探求心がある人

自分のやり方にこだわりすぎる人

プレッシャーに押しつぶされない人

自己管理能力がない人

ヒアリング能力がある人

コミュニケーションが苦手な人

イラストレーターは絵を描くのがメインの仕事なので、まず何があってもずっと絵を描くことが好きであるということが大前提です。ただし、趣味で絵を描くときとは違って、限られた納期のなかでクライアントの要望に合わせて作品を作る柔軟性が求められます。

仕事である以上、自分の好きなように絵が描けなかったりクライアントから修正依頼やダメ出しがあったりしても、幅広いジャンルのイラスト作成を楽しめる向上心と前向きさも大切といえるでしょう。

また、イラストの仕事を安定して得るためには自分を売り込む営業力や、クライアントとスムーズなやりとりができるコミュニケーションスキル、納期に作品を納品するための自己管理能力も必須です。

  • もちろん、クライアントの要望に応えられるように、常に最新の絵柄やトレンドの技術などを取り入れる情報収集スキルや技術力も大事です!

 

イラストレーターで年収・給与を上げるポイント

ここからは、イラストレーターで年収・給与を上げるポイントを具体的に4つご紹介していきます。

  • ポートフォリオをSNSで発信する
  • 仕事の幅を広げて新たなスキルを獲得する
  • 専門性や自分らしい作風を獲得する
  • 転職や独立を視野に入れる

イラストレーター全体の平均年収は高めですが、働き方によっては思うように稼げない場合もあります。クリエイティブな職業なので、技術力があることを前提に、さらに自分の市場価値を高めていけば年収アップにつながります。

それぞれ具体的に解説していくので、「現在の年収・給与に不安がある」「イラストレーターとしてもっと稼ぎたい」という方はぜひ参考にしてみてください。

 

ポートフォリオをSNSで発信する

イラストレーターにとって、ポートフォリオを作成することは非常に重要です。ポートフォリオとは自分の過去の作品を集めた作品集のことで、ポートフォリオを見た人に自分の実績やスキルの程度、作品の魅力を伝えることができます。

ポートフォリオは公開しておくことで新規の仕事の依頼が舞い込む可能性があるので、稼ぎたいイラストレーターは必ず作成・公開しておきましょう。

特にSNSは一般の人だけでなく、クリエイティブ業界の人や出版関係の人など、多くの企業関係者もチェックしているツールのため、自分のポートフォリオをSNSで発信する場として非常に効果的です。上手く活用できれば拡散力もあるため自分の作品を効率よく不特定多数にアピールしやすく、SNS経由での依頼も期待できます。

また、イラストレーターを探している人は依頼したいイラストの雰囲気やジャンルで実績があるイラストレーターに依頼をします。そのため、自分が描きたいイラストの傾向に近い作品だけを集めるなど、今後の仕事の希望に合わせてポートフォリオを編集することも大切です。

自分の実績やスキルはもちろんこと、作品をしっかりアピールできるように意識して作成することが大切です。

  • ポートフォリオは大事な営業ツールです!見た人に「依頼したい」と思ってもらえるように、丁寧に作成しましょう!

 

仕事の幅を広げて新たなスキルを獲得する

イラストレーターとして対応できる仕事の幅を広げると、年収アップにつながりやすいです。

まず画力やグラフィックソフトの操作スキルが不足していると、対応可能な仕事はかなり限られてしまいます。苦手な分野も対応できるようにスキルを磨いておくことで、新たな依頼を獲得できるチャンスも掴みやすくなります。

たとえば、「キャラクターしか描けない場合は背景も描けるようにする」「リアルテイストの絵柄だけでなくデフォルメの絵柄も描けるようにする」というように、イラストに関するスキルを幅広く獲得しておくのが有効です。

また、グラフィック・デザインの知識やアニメーション制作、HTMLやCSSをはじめとしたWebに関する知識、AIでのイラスト作成のスキルなども身につけて希少価値を高めておけば、活躍の幅を広げられます。

現代社会はIT技術が進化し続けているため、イラストレーターも常に最新のスキルをキャッチアップすることが高収入維持においては必要不可欠です。

 

専門性や自分らしい作風を獲得する

仕事の幅を広げることも大切ですが、専門性や自分らしい作風を獲得することも大切です。

イラストレーターとしての専門分野や他のイラストレーターやAI作成イラストにはないオリジナリティといった強みを持っておくと、競争率が高いイラストレーター業界において仕事を勝ち取りやすくなります。

たとえば、自分にしか描けない絵柄や作風、キャラクターなど、「この人にしか描けない」「このイラストはこの人が描いたと一目でわかる」「この人に頼みたい」と思われるような作品を作って自分をブランド化できれば、高単価な案件を安定して受注しやすいです。

昨今はAIでもハイクオリティーなイラストを短時間で生成できるようになっているので、個性がなくAIで生成できるようなイラストしか作成できないイラストレーターは、今後受けられる仕事がますます減少する可能性も考えられます。

  • 絵柄や作風のオリジナリティを究めたり、軸となるスキルを磨いたりして専門性を獲得することが重要です。

 

転職や独立を視野に入れる

イラストレーターとして収入を大きくアップしたいなら、転職や独立を視野に入れるのもおすすめです。

企業には給与の規定があることが多く、同一企業で働き続けるとなると昇給を目指すにも限度があります。そのため、思い切って今よりも年収の高い企業へ転職することで、同一企業で頑張り続けるよりも簡単に年収アップが実現できる場合もあるのです。

先述したように、地域によって平均年収の差も大きいので、自分が就職している地域とは別の地域に目を向けてみるといった方法も年収アップにつながります。

また、独立してフリーランスとして活動することも可能です。組織に縛られない働き方ができるため、自分の実力次第でどんどん収入アップを目指せます。

ただし、独立する場合はイラストレーターとしての実力や実績、認知度などが案件獲得に大きく影響するので、今のうちからスキルを磨いて実績をたくさん積んでおくようにしましょう。

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おさらいとして、イラストレーターとして収入アップを目指すためのポイントをまとめてみました。

  • ポートフォリオをSNSで発信する
  • 仕事の幅を広げて新たなスキルを獲得する
  • 専門性や自分らしい作風を獲得する
  • 転職や独立を視野に入れる

イラストレーターとして稼ぎたいなら、継続的なスキルアップや自分の作品の売り込みは欠かせません。

仕事の幅を広げられるよういろいろなテイストのイラストを描けるようにしたり、「このジャンルならこの人」といったように名指しで依頼をもらえるようにオリジナリティ性を高めたりするなど、イラストレーターとしての価値を高める必要があります。

上記のポイントを押さえて、イラストレーターとしてスキルアップやキャリアアップをはかりながら年収アップを目指しましょう。

著者情報

シュウジ
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兵庫県生まれ。都内の私立大学卒業後、パチンコにハマって単位を落とすも、一浪して大学を卒業。派遣社員として工場で働きながら、副業としてナイト系ドライバーやせどりを始める。
本業に嫌気がさし、転職を決意し資格取得に励む。奇跡的に大手人材会社に入社し、給料が倍になり人生が変わる。人材業界でさまざまな職業や経歴を持つ人々との交流を通じて知識を蓄え、2023年にブログ「仕事図鑑」を開設。