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警備員の年収ってどれくらいなんだろう
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警備員には年収が低いイメージがあるけど、実際はどうなの?
このように、警備員の年収が気になっている方は多いのではないでしょうか。
本記事では、警備員の平均年収や給与アップのポイントを解説します。
警備員になって稼げる人・稼げない人の特徴も紹介するので、警備員への転職を考えている方はもちろん、今より収入アップを目指したい現役警備員の方もぜひ参考にしてみてください。
警備員の平均年収は335万
「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、警備員の平均年収は約335万円です。
18歳で高校を卒業して警備員になり、定年の60歳まで42年間働くと仮定した場合、年収335万円×42年の単純計算で、生涯年収は約1億4,070万円です。
なお、警備員は35歳から39歳が年収のピークで、この年齢層は平均年収が400万円を超えます。また、月給別の人数割合では、月収18~19.9万円の人が最も高い割合を占めています。
ただし、警備員の収入は所持している資格や業務内容、階級などによっても異なるので、参考程度に留めてください。
参考:職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「施設警備員」(参照 2024-01-15)
警備員の収入内訳
警備員の収入内訳は「基本給+手当+賞与」の仕組みになっている会社が多いです。
警備員は、夜勤手当や資格手当などさまざまな手当が存在しており、手当が支給されれば収入アップが期待できます。
特に「警備業務検定」「警備員指導教育責任者」といった国家資格を所持していると、資格手当がもらえるのはもちろん、監督的立場を担える貴重な戦力として会社から優遇されやすく、今後の転職活動で有利に働くメリットもあります。
【年齢別】警備員の平均年収
警備員の年収は、ピークである35歳から39歳にかけて上昇し、その後は少しずつ下降する傾向があります。
年齢 |
平均年収 |
20~24歳 |
311.08万円 |
25~29歳 |
371.19万円 |
30~34歳 |
380.83万円 |
35~39歳 |
422.83万円 |
40~44歳 |
392.79万円 |
45~49歳 |
389.34万円 |
50~54歳 |
367.93万円 |
55~59歳 |
342.04万円 |
働き始めて間もない20歳から24歳の警備員は、まだ経験も所持資格も少ないため平均年収は低めです。
しかし、25歳から29歳あたりで経験の積み重ねや資格取得など身に付いたスキルに応じて収入が反映される時期にかかるためか、平均年収は60.11万円も上がって約371.19万円になっています。
なお、40歳以降に年収が下がっているのは、年齢による体力低下を理由に夜勤勤務を控える人が増えるためではないかと考えられます。
【性別】警備員の平均年収
警備員の平均年収は、男女間で違いがみられます。
下記の表は「きまって支給する現金給与額×12カ月+年間賞与その他特別給与額」で割り出した、男女ごとの平均年収比較です。
なお、参考元となる「令和4年賃金構造基本統計調査」では、警備員と名のつく仕事が一括りにされているため「交通誘導警備員」「施設警備員」といった分類分けは行っていません。
性別 |
平均年収 (千円) |
きまって支給する現金給与額 (千円) |
年間賞与その他特別給与額 (千円) |
男女計 |
3,342.7 |
255.0 |
282.7 |
男 |
3,369.4 |
256.8 |
287.8 |
女 |
2,854.5 |
221.8 |
192.9 |
男性警備員の平均年収は約337万円、女性警備員の平均年収は約285万円です。
警備員として働くなら、上記のような男女による賃金格差があることを理解したうえで、今後のキャリアプランを考えていきましょう。
【地域別】警備員の平均年収
警備員の年収は、警備が必要な施設や工事現場が多い地域ほど高くなる傾向があります。
下記の表は、東京都と政令指定都市のある道府県の平均年収を比較した表です。
都道府県 |
平均年収 |
北海道 |
328.7万円 |
宮城県 |
268.9万円 |
東京都 |
372.8万円 |
埼玉県 |
302.2万円 |
千葉県 |
307.7万円 |
神奈川県 |
370.5万円 |
新潟県 |
326.2万円 |
静岡県 |
379.4万円 |
愛知県 |
349.1万円 |
京都府 |
357.2万円 |
大阪府 |
307.5万円 |
兵庫県 |
291万円 |
岡山県 |
379.6万円 |
広島県 |
349.8万円 |
福岡県 |
359.8万円 |
熊本県 |
279万円 |
警備員の平均年収が最も高い地域は379.6万円の岡山県、最も低い地域は268.9万円の宮城県で、100万円以上もの年収差が発生しています。
警備員として稼ぐことを重視するなら、平均年収が高い地域を選んでみてもいいかもしれません。
警備員の平均年収が低いと言われる理由
335万円という警備員の平均年収は、全職種の平均年収と比べても低いと言われています。
警備員の年収が低いと言われる理由は以下の通りです。
- 特別な資格や経験が必須ではなく誰でも目指せるから
- 体力的な負担の大きさと給料が見合っていないから
- 資格を取得しない限り給与が上がりにくいから
警備員は「無資格・未経験」でもなれる職業ですが、学歴や経験を問わずチャレンジしやすいがゆえに非正規雇用の募集も多く、平均年収も低くなりがちです。
また、24時間警備が必要な業務の場合、中抜けを挟みながら1人で警備を行う24時間勤務制を採用する会社も珍しくありません。長時間労働による体力的な負担が大きいので、仕事内容や勤務体制によっては給料と見合っていないと感じる人もいます。
資格を取得できれば、資格手当がプラスされて収入アップにつながりますが、見方を変えれば「資格を取らない限り給料が上がらない」とも言えます。
このように、ただ会社に在籍して目の前の業務に取り組むだけでは収入が上がりにくいことから、世間から警備員は年収が低いと認識されています。
警備員で稼げる人・稼げない人
たとえ警備員になれたとしても、適正がなければ稼げませんし、仕事をしていても楽しくありません。
警備員になって稼げる人、稼げない人の特徴を知り、自分に向いているかどうかを判断してください。
警備員で稼げる人 |
警備員で稼げない人 |
・体力・忍耐力がある人 |
・長時間勤務に耐えられない人 |
・しっかり体調管理できる人 |
・体育会系の雰囲気が苦手な人 |
・責任感や使命感が強い人 |
・規則を守るのがストレスになる人 |
・コミュニケーション能力が高い人 |
・気持ちの切り替えが下手な人 |
・柔軟な対応が得意な人 |
・集中力がない人 |
警備員の仕事は立ちっぱなしが基本であり、就業場所によっては季節や天気の変化に耐えなければいけません。また、24時間勤務制を採用する会社も珍しくないため、業務内容によっては夜勤を含む長時間労働をこなす体力も必要です。
警備員は、就業場所にもよるものの、施設の利用客や関係者、他の警備員など人と関わる機会が多い職業です。
特に、イベント会場や工事現場で人や車両の動きをコントロールする雑踏・交通誘導警備は、複数の警備員と連携しながら警備を行うため、柔軟に対応するためのコミュニケーション能力が求められます。
警備員で年収・給与を上げるポイント
警備員は年収が低いと言われていますが、どんな人材が求められているのかを分析したり、働き方を見直したりすることで収入アップが期待できます。
警備員で年収アップするために、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 警備員関連の資格を取得する
- 昇格して階級を上げる
- 働く会社や地域、雇用形態を見直す
各ポイントについて詳しく解説していくので「警備員としてさらに稼ぎたい」と考えている方はぜひ参考にしてみてください!
ポイント1:警備員関連の資格を取得する
仕事に役立つ警備員関連の資格を取得するのは、最も手っ取り早い収入アップ方法といっても過言ではありません。資格取得者の警備員には資格手当を付ける会社がほとんどで、さらには貴重な戦力としていろいろな現場を任されることから、頑張りに応じた年収アップが見込めます。
また、資格取得は正しい警備知識を習得した証明にもなるため、転職活動をする際の大きな強みになるのも特徴です。
警備員になり収入アップを目指すうえで有利な資格は、主に以下の国家資格が当てはまります。
- 警備業務検定1級
- 警備員指導教育責任者
- 機械警備業務管理者
ただし、受検条件に年単位の実務経験を定める資格もいくつかあるので、働きながら資格の勉強をしなければいけない点に注意しましょう。
ポイント2:昇格して階級を上げる
警備会社によっては、「警備士」「上級警備士」「警備長」といった階級制度を設けています。
階級が上がると昇給したり階級手当がもらえたりするため、高い年収を得るために階級アップを目指す警備員も少なくありません。階級アップの基準は会社によってさまざまですが、普段の働きぶりや社歴、昇格試験の結果によって決まります。
しかし、階級は会社独自の制度であり、全ての警備会社に設けられているわけではないので、事前に階級制度を採用している会社かどうか確認するようにしましょう。
ポイント3:働く会社や地域、雇用形態を見直す
地域別の平均年収で先述した通り、警備員の年収は働く地域によって大きく異なります。そのため、住む場所にこだわりがない人は、思い切って平均年収が高い地域に引っ越すというのも一つの手段です。
また、勤める企業の規模や雇用形態も年収に深く関係しています。
「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模が1000人以上の会社で働く警備員の平均年収が約381.5万円、10~99人の会社で働く警備員の平均年収が約282.4万円となっており、企業規模が大きければ大きいほど年収が高くなる傾向があります。
※「きまって支給する現金給与額×12カ月+年間賞与その他特別給与額」で算出
中小の警備会社よりも大手の警備会社のほうが高収入になりやすいことから、警備員として稼ぎたいのであれば、大手の警備会社を選ぶのがおすすめです。
さらに、警備員に限らず正規雇用か非正規雇用かによっても年収差が出るため、収入アップを狙うなら正社員になりましょう。
とは言え、未経験からいきなり警備員の正社員に転職することに対して不安を感じる方は、社員登用制度のある警備会社にアルバイトとして入社して、自分が警備員に向いているかどうか判断したうえで正社員を目指す方法もあります。
参考:e-State政府統計の総合窓口「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」(参照 2024-01-15)
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警備員で稼ぐには資格取得と会社選びが重要!
警備員の平均年収は約335万円で、全職種のなかでも年収が低い傾向がある仕事です。
国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」(参照 2024-01-15)によると、給与所得者の平均年収は458万円という結果が出ており、警備員の平均年収は123万円低いことがわかります。
とは言え、給与を上げるポイントを知っておけば、警備員として平均年収以上の収入を得ることは可能です。
本記事で紹介した警備員の給与を上げるポイントを復習しましょう。
【警備員として稼ぐポイントのおさらい】
- 警備の仕事に役立つ資格を取得する
- 階級制度のある会社に入社し、階級アップを目指す
- 企業規模が大きい警備会社に転職する
- 警備員の平均年収が高い地域で働く
特に資格を取得すれば、資格手当がもらえるのはもちろん、任される業務が増えて給与アップが期待できます。
また、階級制度をはじめ評価基準を明確している警備会社に就職することで、昇給するために何をすべきかがはっきりするので、より早く収入アップが目指せます。
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できることから取り組んで、ぜひ稼げる警備員を目指してください!