美容師の年収まとめ!稼げる人と稼げない人の特徴と年収アップのコツ

美容師の年収まとめ!稼げる人と稼げない人の特徴と年収アップのコツ

お客様一人ひとりに似合うヘアスタイルを提案して美しく仕上げる美容師は、憧れの職業として知られています。しかし、どれくらい稼げるのか疑問に感じる人も多いのではないでしょうか。

美容師は、スタイリストや店長といったランクによって年収が大きく左右される仕事です。年収アップの過程を把握しておくことで、美容師でどんなキャリアを築けるのか想像しやすくなります。

本記事では、美容師の平均年収はもちろんランクごとの年収や、稼げる美容師の特徴、給与アップのポイントなどを徹底解説します!

  • 美容師を目指す方だけではなく、今より年収を上げたい現役美容師の方にとっても役立つ情報を多数紹介しているので、気になった方はぜひご覧ください!

美容師の平均年収は330.1万円

令和4年時点の美容師の平均年収は約330.1万円と言われています。

生涯年収は、22歳から定年の60歳までの38年間働くと仮定して計算すると、約1億2,543万円です。

なお、美容師の年収がピークを迎えるのは45歳〜49歳頃で、年収は400万円を超えます。また、美容師全体で月収18〜19.9万円の人が最も高い割合を占める結果が出ています。

ただし、美容師はランクの高さや雇用形態、さらにはカリスマ美容師と呼ばれるほど知名度が高いかどうかによっても収入が大きく変わるので、紹介した数値や年代はあくまで参考値と捉えてください。

参考:職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「美容師」(参照 2024-01-08)

美容師の収入内訳

美容師は、アシスタント・スタイリスト・店長といったランクに分かれており、ランクによって以下のように収入内訳が異なります。

icon参考

【美容師のランク別収入内訳】
・アシスタント:基本給
・スタイリスト:基本給+歩合給
・店長:基本給+歩合給+役職手当

まだ一人でお客様の施術ができないアシスタントは、受付や会計、スタイリストの施術サポートや店内清掃が主な仕事で、収入内訳は基本給のみになります。

スタイリストに昇格すると、お客様への施術ができるようになるため、自身の売上や指名料の何割かが歩合給として給料に上乗せされます。歩合率は、サロンによって異なるものの、売上の約20~50%が一般的です。

その後、店長にまで昇り詰めることができれば、マネジメント業務も担いさらに仕事量が増えるので、役職手当もプラスされて収入アップが狙えます。

ただし、店長の場合は、「雇われ店長」なのか「独立したサロンのオーナー兼店長」なのかによって収入内訳が大きく変動します。

【年齢別】美容師の平均年収

美容師の平均年収は年齢によって変わり、年齢を重ねるほど年収が高くなる傾向があります。

年齢

平均年収

20~24歳

258.5万円

25~29歳

327.98万円

30~34歳

381.73万円

35~39歳

386.56万円

40~44歳

397.76万円

45~49歳

404.21万円

参照元:職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「美容師」(参照 2024-01-08)

20~24歳(258.5万円)と25~29歳(327.98万円)の年収差が約69万円と開いている要因は、アシスタントからスタイリストに昇格する美容師が多い時期である点が挙げられます。

アシスタント期間は3年程度と言われており、20歳でアシスタントとして働き始め20代半ばから後半にかけてスタイリストデビューする人がほとんどです。

スタイリストに昇格すれば、歩合給が発生して収入が大幅にアップするため、20代前半と後半で平均年収に差が出てくるのは自然な流れと言えます。

また、30~34歳は店長への昇格や独立開業など、キャリア面の変動が起きやすい年代なので、20代と比べると年収が大幅に上がりやすいのが特徴です。

【性別】美容師の平均年収

美容師の年収は性別によっても異なり、女性よりも男性のほうが高収入になる傾向です。

なお、平均年収は国税庁が公表した「令和4年賃金構造基本統計調査」の情報を元に、「きまって支給する現金給与額×12カ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

性別

平均年収

(千円)

きまって支給する現金給与額

(千円)

年間賞与その他特別給与額

(千円)

男女計

3,301.4

267.5

91.4

3,683.6

297.6

112.4

3,128.7

253.9

81.9

参照元:e-State政府統計の総合窓口「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」(参照 2024-01-08)

男性美容師の平均月収は約29.7万円、女性美容師の平均月収は約25.3万円で、約4万円の収入差があります。

性別による多少の収入差はあるものの、店長職に就くもしくは自分のサロンを開くといった今後のキャリア次第で補える範囲の収入差と言えるでしょう。

【地域別】美容師の平均年収

美容師は、店舗数や経済状況などが理由で地域によって年収が異なるケースもあります。

東京都と政令指定都市のある都道府県の美容師の平均年収をまとめたので、参考にしてください。

都道府県

平均年収

北海道

251.6万円

宮城県

273.5万円

東京都

306.1万円

埼玉県

314.4万円

千葉県

364万円

神奈川県

364.7万円

新潟県

233.2万円

静岡県

316.6万円

愛知県

363.7万円

京都府

378.6万円

大阪府

336万円

兵庫県

330.3万円

岡山県

340.8万円

広島県

322.2万円

福岡県

325.7万円

熊本県

272.4万円

参照元:職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「美容師」(参照 2024-01-08)

東京都と政令指定都市のある道府県のなかでは、378.6万円の京都府が最も平均年収が高く、233.2万円の新潟県が最も低い結果が出ました。

約145万円の大きい収入差が出ることから、美容師として高収入を得たい場合は、働くエリアも重要視すべきことがわかります。

美容師の平均年収が低いと言われる理由

昇格や歩合給などによる給与アップは見込めるものの、ピーク時でも400万円程度が目安であり、他業種と比べても美容師の年収は低い印象が強いです。

美容師の年収が低い原因は主に以下の3つです。

【美容師の年収が低い主な原因】

  • 低価格サロンの増加により売上が伸びにくく、人件費を削らざるを得ないから
  • 店舗の賃料や美容器具代、水道光熱費など多くの固定費がかかるから
  • スタイリストになるまで時間がかかるから

昨今は、低価格をセールスポイントにするサロンが多く、顧客を掴んで売上を確保するために人件費をカットして値下げ競争に参加せざるを得ない傾向にあります。

また、テナントの賃料やシャンプー・カラー剤の仕入れ、水道光熱費など、店舗を運営するためにさまざまな固定費がかかる点も、人件費カットの理由となっています。

さらには、アシスタントからスタイリストになるまで時間を要する点も、美容師が他の職種より給料が上がりにくい印象を与える原因です。

美容師は知識やスキルはもちろん、長時間立ちっぱなしで接客し続ける体力も必要なので、仕事内容と年収が見合っていないと感じる意見も多いです。

美容師で稼げる人・稼げない人

稼げる美容師になりたいなら、多くのお客様から求められる以下のような能力を身につけて、スキルを磨き続ける必要があります。

iconポイント

【美容師で稼ぐために求められる能力】
・お客様に心地いい時間を提供する「コミュニケーション能力」
・お客様の理想を具体的に聞き出す「傾聴力」
・新たな技術やお客様の要望を把握する「理解力」
・スムーズな施術やスキルアップの勉強に必要な「自己管理能力」
・お客様の要望を再現する「技術力」

これらの能力を参考にしながら、美容師になって稼げる人・稼げない人の特徴をそれぞれ以下のようにまとめてみました。

美容師で稼げる人

美容師で稼げない人

特徴1:美容やファッションの流行に敏感な人

特徴1:立ち仕事が苦手な人

特徴2:おもてなし精神を持っている人

特徴2:プライドが高い人

特徴3:スキルアップのために努力できる人

特徴3:向上心がない人

特徴4:協調性がある人

特徴4:継続力がない人

特徴5:心身ともにタフで忍耐力がある人

特徴5:コミュニケーションが苦手な人

お客様の理想のヘアスタイルを追及するだけでなく、お客様にとって快適な時間を提供するのも美容師の仕事です。

そのため、常に技術を学ぶ高い向上心を持つのはもちろん、目の前の相手を喜ばせたいという「おもてなしの心」を持つことも大切です。

あわせてCHECK!

人の話を聞く仕事おすすめ21選!必要スキル・向いている人・やりがい

美容師で年収・給与を上げるポイント

ここからは、美容師で年収・給与を上げるポイントを3つ紹介します。

iconポイント

【美容師で年収・給与を上げるポイント】
・店長を目指す
・収入面で好条件がそろったサロンに転職する
・フリーランスの美容師になる・独立開業する

「年収が低い」と言われがちな美容師ですが、目指すキャリアの方向性次第で大幅な年収アップにつながる可能性もあります。

それぞれ具体的に解説していくので「美容師になりたいけど年収の低さが心配」「現役美容師だけどもっと稼ぎたい」という方はぜひ参考にしてください。

ポイント1:店長を目指す

今いるサロンでさらに稼ぎたい場合や収入を安定させたい場合は、店長を目指すという方法が挙げられます。

サロンに新人美容師として就職後、まずはアシスタントからスタイリストへ昇格するのが必須です。スタイリストになると売上や指名に応じた歩合給が発生するので、コツコツ努力を継続して固定客を増やせば年収アップにつながります。

歩合制は、自分の売上や指名数に応じて支払われるため、月によって給料のバラつきが出ますが、店長になれればさらに役職手当が付き、毎月安定した給料を受け取れます

ただし、店長になると従業員の育成や採用、店舗の売上分析、改善点の洗い出し、責任者としてのクレーム対応など、接客業務と並行してマネジメント業務もこなさなくてはいけません。

店長職に就くのは、マネジメント業務に興味がある方や安定した収入を得たい方におすすめです。

ポイント2:収入面で好条件がそろったサロンに転職する

美容師の給与形態は、サロンによって異なります。「今のサロンでは収入アップが期待できない」「職場環境を変えたい」という方は、自分の実力や希望に合ったサロンに転職すれば、収入アップできる可能性があります。

サロンの求人を探す際は、歩合給の取り分や昇格による給与アップの有無をよく確認してください。

また、年収は地域によって左右されるので、美容師の平均年収が高い地域のサロンを中心に求人をチェックするのもおすすめです。

なお、サロンは企業規模が大きければ大きいほど、給与が高くなる傾向があります。「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、総従業員数1,000人以上の企業が運営するサロンで働く美容師の平均年収は約459.1万円です。

美容師の平均年収が約330.1万円である点を踏まえると、企業規模が大きければ大きいほど高収入が目指しやすいと言えます。

参考:e-State政府統計の総合窓口「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」(参照 2024-01-08)

ポイント3:フリーランスの美容師になる・独立開業する

集客力がある方や自己管理能力に自信がある方は、フリーランスの美容師を目指すという方法もあります。

フリーランスの美容師は完全歩合制なので、自分の力量次第でサロンに雇用されて働いていた時以上の高収入が得られる可能性が高いです。

また、一定以上のスキルを身につけて複数の固定客を獲得できれば、自分でサロンを独立開業するのもありです。売上から経費を差し引いた額が自分の収入になるので、利益次第でさらなる収入アップが期待できます。

ただし、フリーランスや独立開業は、転身してすぐに高収入が得られる保証はありません。目標の年収にたどり着くまで時間がかかるうえに成功できるとも限らない点を理解したうえで、資金面や集客面といった対策を考えることが重要です。

年収の高い美容師の求人を探すならエージェントを活用しよう

年収の高い美容師の求人を探すなら、業界に特化した以下の転職エージェントを利用するのがおすすめです。

エージェント名

特徴

サロンdeジョブ

スタイリスト・カラーリスト・幹部候補など、細かく求人条件を指定できる、美容業界専門の人材紹介サービスです。

QJ agent

専任のアドバイザーが就職活動を徹底サポートしてくれる、美容師専門の転職支援サービスです。

美容師求人.com

一般求人誌には載っていないサロンの求人案件も取り扱っている、日本最大級の美容師専門求人サイトです。

エージェントサービスを利用することで、業界知識を持った専任スタッフのサポートが受けられるので、年収アップが期待できる優良サロンが見つかりやすくなります。

美容師以外だと、未経験でも年収1000万円を目指せるナイト系もおすすめ!

美容師は、スタイリストにならない限り、労働に見合った収入を得るのは難しいのが実情です。また、美容師になるには、美容師養成施設に2~3年通い、美容師国家試験に合格して美容師免許を取得する必要があります。そして、一生懸命勉強して資格を取得しても、そこからアシスタントとして下積み生活が始まるので、稼げるようになるまで時間がかかります。

特別なスキルや下済み要らずでスピーディーに高収入を目指すなら、ナイト系の仕事に就くのもおすすめです。

ナイト系の仕事は、経験や学歴を問わず従業員の頑張りや成果を評価する傾向があるため、努力次第でスピード出世も目指せて、年収1,000万円も夢ではありません。

未経験でもしっかり稼げる仕事を探している方や、効率的に年収を上げたい方は、ぜひ一度ナイト系の求人もチェックしてみてください。

美容師で稼ぐにはスキルとキャリアアップが重要!

前述したように平均年収が330.1万円の美容師は、他業種の平均年収と比べて低いと言われています。

一方で、美容師は指名数に応じて給料も変わってくるため、実力次第では評価され稼げる職種とも言えます。

おさらいとして、美容師として収入アップを目指すためのポイントを改めてまとめてみました。

【美容師として稼ぐポイントのおさらい】

  • 店長職に就いて役職手当をもらう
  • 美容師の平均年収が高い地域で働く
  • 好条件のサロンや企業規模が大きいサロンに転職する
  • 固定客を掴んでフリーランスもしくは独立開業する

これらのポイントをおさえて、美容師としてキャリアアップや年収アップを目指してみてはいかがでしょうか?

著者情報

シュウジ
シュウジ twitter

兵庫県生まれ。都内の私立大学卒業後、パチンコにハマって単位を落とすも、一浪して大学を卒業。派遣社員として工場で働きながら、副業としてナイト系ドライバーやせどりを始める。
本業に嫌気がさし、転職を決意し資格取得に励む。奇跡的に大手人材会社に入社し、給料が倍になり人生が変わる。人材業界でさまざまな職業や経歴を持つ人々との交流を通じて知識を蓄え、2023年にブログ「仕事図鑑」を開設。