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異動したいのはわがまま?
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異動希望はどうやって伝えたらいい?
今の部署に不満があって異動したいにも関わらず、自分のわがままに思えて一歩踏み出せない方もいるでしょう。本記事では、異動の考え方や伝え方、例文、異動希望を通すコツなどを解説します。
しっかりと準備しておけば、異動の希望が通る可能性も高まるでしょう。
また、異動希望が通らなかった場合の対処法も合わせてご紹介します。
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異動したいと思っている方はぜひ参考にしてください。
異動したいのはわがままではない

異動したいと望むことは、決してわがままではありません。それは以下のような理由があるためです。
- キャリアやスキルアップの手段だから
- 適材配置により生産性が向上するから
- 部署異動でしか解決できない問題もあるから
そもそも異動制度は、社員一人ひとりの能力や適性を最大限に活かし、組織全体の生産性や成果を高めることを目的に設けられたものになり、本来、個人だけでなく企業にもメリットのあるものです。
それでは、それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
キャリアやスキルアップの手段だから
異動はキャリアやスキルアップの有効な手段なので、わがままではありません。
異動とは、新たな部署や業務に挑戦することで、自分の視野を広げ、スキルを磨くチャンスです。慣れない環境では戸惑うこともありますが、それも成長に欠かせない経験です。
また、異動にはキャリア形成において次のようなメリットがあります。
- 新しい人間関係や業務内容で、成長につながる刺激を得られる
- 新しい経験や実績で、キャリアパスの選択肢も増える
- 異動先で必要なスキルを習得でき、できる業務が増える
- 多角的な視点で仕事に取り組める
もちろん、幅が広い業務を任せられる社員が育つことは、会社側にも大きなメリットです。
自分にも会社にもメリットがある異動を、「わがまま」と捉えて遠慮する必要はありません。むしろ、それは前向きな一歩です。
適材配置により生産性が向上するから
異動は適材適所の人員配置になるため、わがままではありません。
より能力を発揮できる環境に移ることで、生産性やモチベーションを高められるメリットがあります。
たとえば、興味のある分野に移ることでより積極的に取り組めたり、経験やスキルを活かせる部署であれば、強みを業務に反映できます。
一方で、適性に合わない部署にとどめてしまえば、パフォーマンスの低下やモチベーションの喪失につながり、会社としてもデメリットと言えます。
つまり、自分の適性を活かせる部署への異動を希望することは、会社の求める成果を最大化するための前向きな提案であり、わがままではありません。
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同じ業務を長期間続けることで、飽きやマンネリ化することもあるのだとか。
モチベーションを維持させるうえでも、異動はメリットのある制度です。
部署異動でしか解決できない問題もあるから
異動を希望する理由が、部署では解決できない問題にあるなら、それはわがままではなく適切な判断です。
たとえば、上司や同僚との関係に強いストレスを感じており、改善の見込みがない場合、異動で環境を変えることが最善策になることもあります。
また、人には向き・不向きがあります。
単純作業が得意な人もいれば、会話やアイデア出しに強みを持つ人もいます。自分の特性に合わない仕事に長く携わることで、ストレスが蓄積されてしまうこともあるでしょう。
こうした状況を異動によって解消できれば、会社にとっても長く貢献してくれる存在になります。
つまり、異動は「問題解決の手段」であり、建設的な選択なのです。
異動希望を通すためのポイント

部署異動は会社側にもメリットがあるものの、希望が必ずしも通るとは限りません。異動希望を通すには、以下のポイントへの意識が大切です。
- 人事制度を確認する
- 異動理由に対して異動が最善策か振り返る
- 直属の上司に相談する
- 繁忙期を避けて異動希望を出す
上記4つのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
人事制度を確認する
異動希望を出す前に、人事制度の確認が大切です。人事制度には、主に以下の3つの種類があります。
人事制度 | 特徴 |
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自己申告制度 | 従業員に対して、自身の希望する部署やキャリアなどを申告させる制度 |
社内公募制度 | 特定のポジションやプロジェクトに対して、各部署が社内の従業員から希望者を募る制度 |
社内フリーエージェント制度 | 勤続年数や実績などの条件を満たすことで、希望部署への異動をアピールし、マッチングすると異動できる制度 |
上記のような制度を活用すれば、希望の部署へ異動できる可能性が高まります。
自社に部署異動に関する制度がない場合は、上司に直接異動を申し出たり人事に相談したりなど、自分で積極的に行動を起こしましょう。
異動理由に対して異動が最善策か振り返る
異動を希望する前に、まずは本当に異動でしか解決できない問題かどうかを冷静に振り返るのも重要です。
たとえば「業務量が多くてつらい」「上司と合わない」といった悩みがあった場合に、上司に業務の見直しを相談する、人間関係について一度第三者に相談する、などもしかしたら異動以外の方法で解決できる余地があるかもしれません。
一方で、業務内容が自分の適性に大きく合っていない、職場環境がどうしても改善されないといった場合は、異動が最善策となることもあります。
重要なのは、「なぜ異動したいのか」を明確にし、その理由に対して異動という選択がベストな解決策かどうかを見極めることです。
自分の希望を伝える際にも説得力が生まれ、上司や人事の理解も得やすくなります。
直属の上司に相談する
いざ部署異動を願い出る場合、まずは直属の上司への相談が重要です。
上司の理解や協力を得られれば、人事課への説得もスムーズに進みやすくなり、具体的な解決策や多角的な意見をもらえるメリットもあります。
そのためにも、上司と日頃からコミュニケーションをとっておくと良いでしょう。良好な関係を築いていれば、いざというときに相談しやすくなり、希望の部署に配属される可能性も高まります。
また、上司が事情を把握していれば、引き継ぎや異動先への紹介など異動後の環境整備もスムーズに進めてもらえる可能性が高まります。上司からのサポートは、部署異動を希望通りに進めるうえで欠かせない要素です。
繁忙期を避けて異動希望を出す
異動希望を通すには、タイミングも重要です。
チームで大きなプロジェクトが進行していたり、会社全体が繁忙期だったりする場合は、上司と話す時間を作りにくくなります。「この時期に異動希望?」と、受け取る側の印象も悪くなりがちです。
また、繁忙期はどの部署もバタバタしていて、引き継ぎや異動先の受け入れ準備がスムーズに進みにくく、新しい部署での教育やフォローを受けにくいというデメリットもあります。
異動希望を出す際は、繁忙期を避けて、落ち着いて話を聞いてもらえるタイミングを選びましょう。ゆっくり話を聞いてもらえる時間を作れれば、異動希望を前向きに検討してもらいやすくなります。
異動希望の伝え方と例文

異動希望を通すうえで、伝え方は非常に重要です。異動希望を伝える際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 異動希望の理由をポジティブなものにする(会社への不満は伝えない)
- 自身のキャリアビジョンを明確にする(前向きに働く意欲を示す)
- 上司に感謝の気持ちを伝える(異動までの間良好な関係を保つ)
ここからは、上記のポイントを踏まえて、ケースごとの異動希望の伝え方と例文をご紹介します。
キャリアアップが目的の場合
キャリアアップを理由に異動を希望する場合、なぜその部署に行きたいのか、異動先でどんなスキルを身につけたいのかの明確化が大切です。
「今の部署に不満があるから異動したい」といった理由はネガティブな印象を与えるため、「新しい環境で成長したい」「さらに貢献したい」というように、ポジティブな理由を選びましょう。
また、異動希望が自分の都合だけではなく、会社の成長や利益にもつながることがアピールできれば、受け入れてもらいやすくなります。
キャリアアップが目的の場合の例文は、以下の通りです。
私は、キャリアアップの一環として、マーケティング部への異動を希望します。
営業部での約2年間、法人顧客への提案活動や課題解決に取り組み、顧客対応力や提案スキルを培ってきました。しかし、今後さらに広い視野を持つためには、マーケティングの分野での知識を深め、データ分析や戦略立案のスキルの習得が必要だと考えています。
営業部で培った現場の知見を商品企画や市場分析といったマーケティング業務に活かしつつ、マーケティングの力も身につけて、会社全体の成長に貢献できる人材になりたいと考えております。
能力不足の場合
能力不足によって異動を希望する場合は、前向きな姿勢が大切です。
「今の業務が難しすぎてできません」といった仕事内容への不満を伝えるとネガティブな印象を与えるため、「より適性に合った業務で貢献したい」というようにポジティブな理由に言い換えましょう。
今の業務で成果を出しにくい理由を明確にし、「どんな業務なら力を発揮できるのか」を具体的に伝えられるようにします。「頑張ったけれど、適性が合わなかった」という姿勢を見せることで、単なる逃げではなく、前向きなキャリア選択であると印象づけられるでしょう。
能力不足の場合の例文は、以下の通りです。
営業部で2年間、法人顧客への提案活動や新規開拓に取り組んでまいりましたが、自身の力不足を感じる場面が増えておりました。
一方で、見積書の作成や受発注処理などの事務的な業務に携わる中で、細かな作業や正確性を求められる仕事にやりがいを感じ、このような分野でスキルを深めていきたいという思いが強まりました。
そこで、事務部門での業務を通じて、文書作成やデータ管理、社内調整力といったスキルをさらに磨き、会社の業務運営を支える役割に挑戦したいと考え、事務部門への異動を希望します。
人間関係が原因の場合
人間関係が原因の場合、上司や同僚との意見の相違が大きく業務に支障が出ているケースや、ハラスメントに近い行為を受けているケースが想定されます。
人間関係が原因のときも「○○さんが嫌だから」「職場の雰囲気が最悪」というように不満をそのまま伝えるのではなく、「環境を変えて前向きに成長したい」というようにポジティブに言い換えましょう。
人間関係が原因の場合の例文は、以下の通りです。
営業部での2年間、法人顧客への提案活動や売上目標の達成に取り組み、多くの経験を積むことができました。しかし、日々の業務の中で、部署内での人間関係やコミュニケーションでの悩みが増え、思うように力を発揮できない状況が続いております。
つきましては、これまでの営業経験を活かしつつ、さらなるスキルアップを図るため、営業企画部への異動を希望します。営業企画部は部門間の連携が良好でコミュニケーションを大切にしながら業務が進められると聞いております。
新しい環境に身を置き、営業現場を支える役割として会社に貢献したい所存です。
家庭の事情による場合
介護や育児、配偶者の転勤、家族の健康問題など、家庭の事情によって異動を希望する場合は、正直に理由を伝えて問題ありません。ただし、内容を細かく説明しすぎる必要はないため、簡潔に理由を伝えましょう。
現状のままでは働くのが難しい旨を含めつつ、異動によって会社側にもメリットがあると伝えることが大切です。また、会社にできるだけ迷惑をかけずに異動したいという姿勢を示すと、前向きに受け入れてもらいやすくなります。
家庭の事情による場合の例文は、以下の通りです。
昨年末から親の介護が必要となり、これまでのように営業部での外勤や出張を中心とした働き方が難しくなっております。つきましては、リモートワークが可能で、これまで培った営業経験を活かせる営業企画部への異動を希望します。
在宅勤務であれば家庭と仕事の両立が可能で、パフォーマンスを発揮しやすくなると考えております。新たな環境では、内勤業務を通じて営業部門を支え、これまでの実務経験をもとに成果に貢献したい所存です。長期的に安定して業務に取り組める体制を整えたいと考えておりますので、ご検討いただけますと幸いです。
体調不良の場合
現在の業務によって身体面・精神面の不調が出ている場合、業務にどのような支障が出ているのかを明確に伝えることが大切です。「体調が悪い」とだけ伝えると、会社側も具体的にどう対応すれば良いか判断に困ってしまうので、ある程度症状を具体的に伝えたほうが良いでしょう。
なお、会社の規則で異動の申請に医師の診断書が必要なケースもあります。診断書が必要なら、あらかじめ用意しておくようにしてください。
体調不良の場合の例文は、以下の通りです。
営業活動に伴う長時間の外出や残業が続いており、体調管理が難しくなってきました。その影響で集中力の低下やミスも増え、現状の働き方の継続が難しいと感じております。
そのため、オフィスでの勤務が中心でリモートワークも可能な営業企画部への異動を希望します。これまで培った知識や経験を活かしつつ、体調面にも配慮しながら、より安定してパフォーマンスを発揮できると考えております。
環境を整え、心身の状態を安定させながら、引き続き会社に貢献していけるよう努めてまいりますので、ご検討いただけますと幸いです。
異動希望が通る人の特徴

異動希望は通りやすい人もいれば、なかなか通らない人もいます。異動希望が通りやすい人の特徴は、以下の5つです。
- 現在の部署で成果を上げている
- 上司との関係が良好である
- キャリア・スキルアップ意識が高い
- 異動先で活躍できるスキルがある
- 希望と会社の方向性が一致している
上記5つの特徴について、詳しく見ていきましょう。
現在の部署で成果を上げている
現在の部署で目に見える成果や一定の実績を上げている人は、異動希望が通りやすい傾向にあります。
実績がある人は、異動後の業務においても力を発揮してくれるという期待を持たれやすく、安心して新たなポジションを任せやすいと判断されます。
ただし、「成果=数字」だけではなく、与えられた業務に対する誠実な姿勢や改善の努力なども、評価の対象になります。
自身の適性と向き合いながら前向きに努力してきた姿勢が伝われば、単に今の仕事から逃げたいのではなく、自分の力をより発揮できる場所で貢献したいという前向きな意図として受け取ってもらえるでしょう。
上司との関係が良好である
異動希望を通すには上司からのサポートが重要です。
会社の人事異動には直属の上司の意見が反映されやすいため、普段から上司との関係が良好のほうが希望が通りやすいでしょう。
今の部署で自分に任せたい業務がないかを聞けば、やり残しの有無もはっきりします。
また、事前に異動したい旨を相談しておけば、上司が早めに各所の調整に動いてくれるかもしれません。直属の上司の推薦であれば、異動先の上長も安心感を得やすく、希望通りに異動できる可能性が上がります。
キャリア・スキルアップ意識が高い
どんなに異動したいという気持ちが強くても、理由が曖昧では説得力に欠け、希望が通りにくくなります。希望を通すには、本人だけでなく会社側にもメリットがあると伝えましょう。
キャリアの方向性が明確な人やスキルアップの意識が高い人は成長が見込めるため、異動希望が通りやすい傾向があります。
なお、異動後の具体的な目標もあると異動希望の理由を明確化しやすく、上司や人事を納得させられるでしょう。
異動先で活躍できるスキルがある
異動先で求められるスキルを身につけていると、即戦力として認められやすくなります。
たとえば、事務部門への異動を希望する場合、パソコンに関する資格を取得していたり、パソコンスクールに通って知識を深めていたりすると、希望が通りやすくなります。
また、目標に向かって努力をしている人は、意欲があるとみなされ、好印象を持たれやすくなります。異動先で必要な知識や経験は何かを見定め、スキル習得に向けて早めに行動に移しましょう。
希望と会社の方向性が一致している
自分の希望が、会社が求めるものや目指す事業の方向性と合致していることも大切です。
自分の希望と会社の方向性が一致している場合、会社側にとってメリットが大きいため、希望が通りやすくなります。
異動希望を伝える際は、自分の希望がどれだけ反映されるのかを重視するだけでなく、異動によってどのように会社に貢献できるのかという視点を持つようにしましょう。
誰にとってもメリットのある異動希望であれば、止める理由がないわけです。
部署異動のデメリットと注意点

部署異動は必ずしも成功するものではありません。部署異動のデメリット・注意点も把握しておきましょう。
- 希望通りの部署に異動できる保証はない
- 異動先の環境が必ずしも良いとは限らない
- 評価がリセットされる可能性がある
上記3つのデメリット・注意点について、詳しく見ていきましょう。
希望通りの部署に異動できる保証はない
異動希望を出したからといって、自分が行きたい部署に行ける保証はありません。人手が足りている部署は、そもそも新しい人材を受け入れていないでしょう。
また、人気の部署だとどうしても即戦力となる人材が優先されます。
そのような場合、希望とはまったく異なる部署に異動させられる可能性もあります。少しでも希望の部署に異動できる確率を上げるためにも、異動先で求められるスキルや資格を取得しておくと良いでしょう。
異動先の環境が必ずしも良いとは限らない
異動先の環境が必ずしも自分にとって良い環境である保証はありません。
今の部署での業務や人間関係によるストレスを解消するために異動したとしても、新しい上司や同僚との相性が悪かったり、業務に慣れるまでに時間がかかったりする場合も考えられます。
異動先の業務や人間関係に馴染めなければ、新たなストレスが生まれる可能性もあります。
異動後のギャップを最小限に抑えるには、異動先の業務内容や業務の進め方などは事前にしっかり調査しておきましょう。
評価がリセットされる可能性がある
人事異動によって、これまでの評価がリセットされる可能性もある点に注意が必要です。
評価がリセットされると、一から頑張らなければいけないという不安や異動した後悔などを感じやすくなります。そのため、精神面が不安定になりやすく、業務にも支障をきたすおそれがあります。
また、短期間で異動を繰り返した場合、特定のスキルが身につかない可能性もあり、評価につながりにくいというデメリットがある点も覚えておきましょう。
異動が認められなかったときの対処法

異動が認められなかったときは、以下の対処法を試してみましょう。
- 希望先で求められるスキルを身につける
- タイミングを見計らって再度上司に相談する
- 現在の部署で努力をして成果を上げる
それぞれの対処法について、詳しく解説します。
希望先で求められるスキルを身につける
異動が認められなかったのは、知識やスキルの不足が原因かもしれません。その場合は、即戦力として期待される人物になるために、異動したい部署で求められる資格やスキルの取得を目指しましょう。
必要な資格やスキルを取得しておけば、再び異動希望を出した際に、自分がその部署への適性があるという説得力を高められます。
また、上司や人事に対して、異動したい意欲を示すことも可能です。
今のうちからスキルアップを目指すのは、大きなメリットです。異動希望が通った場合、異動先の業務への適応が早くなり、新しい環境に馴染めないという異動後のギャップを回避しやすくなります。
タイミングを見計らって再度上司に相談する
異動希望が認められなかったからといって、諦めるのは早いです。
今の時点で異動希望が認められなくても、状況やタイミング次第では再度検討のチャンスがあるので、タイミングを見計らってもう一度上司に相談してみましょう。
人事異動が行われやすい時期や、希望する部署の人手が不足したタイミング、新規プロジェクトで新たに人材を募集するタイミングなどを狙えば、希望が通る可能性が高くなります。
現在の部署で努力をして成果を上げる
現在の部署で成果や実績を出していない場合、異動希望が認められない可能性があります。
そのようなときは、まず現在の部署で成果を上げる努力をしましょう。成果や実績を出していれば、他部署でも実績を残せるという信頼感が生まれ、上司や人事からの評価も高まります。
「プロジェクトリーダーとしてプロジェクトを成功に導いた」「業務改善提案を行い、残業時間の削減や作業効率向上を達成した」など、自分の実績を上司や人事にアピールできるように業務に取り組んでみてください。
また、上司と日頃から積極的にコミュニケーションをとり、フィードバックをもらうのも有効です。改善点を把握できればやるべきことが明確になり、自己成長につなげられます。
【番外編】難しい場合は転職を視野に入れる
現在の部署ではストレスが改善されず、異動も難しい場合は、転職を視野に入れるのも一つの選択肢です。
人間関係や業務によるストレスは、転職でリセットできます。
転職は自分が希望する業種・職種に挑戦できる機会でもあります。自分に合った職場環境・業務内容で働ければ、仕事に対するモチベーションが向上し、パフォーマンスも発揮しやすくなるでしょう。
ただし、転職したからといって、必ずしも今より環境や待遇が良くなるとは限りません。転職活動を行う際は、自己分析や企業研究を念入りに行い、自分のスキルや経験と企業が求めるものがマッチするかをしっかり確認することが大切です。
異動に関するよくある質問

最後に、異動に関するよくある質問をQ&A形式でまとめました。
異動は自身のキャリア形成にも関わる大きな決断です。これから紹介するよくある質問を参考にして、不安を解消してから行動に移しましょう。
Q.1年目の新人だけど異動したいと思っている
A.1年目の新人の場合でも異動希望を出せます。
ただし、実績の少ない1年目は判断が難しく、異動希望が反映されない場合があります。職場環境や業務内容、人間関係にまだ馴染めていないケースもあり、「今の仕事から逃げたいのではないか」と誤解される可能性も少なくありません。
「希望部署ではなかった」「チームが好きではない」といった個人的な問題を理由にするのは、目の前の辛さから逃げているように見えるので避けるべきです。自己成長のために早いうちから行動したいのであれば、その理由を丁寧に説明できるようにしておきましょう。
Q.異動したばかりだけど合わなくて戻りたい
A.まずは直属の上司に相談しましょう。
上司に相談する際、「仕事がつまらない」「同僚との相性が悪い」といった自己中心的な理由を挙げるのではなく、「職場環境に馴染めず悩んでいる」といった切り口で相談するのがよいでしょう。
また、異動後すぐに「合わないから戻りたい」と相談しても、判断するのは尚早と捉えられる可能性が高いです。数ヶ月働いてみて努力したうえで、それでも合わないと感じるなら、上司も納得してくれるかもしれません。
なお、「戻れないなら退職する」という覚悟がある場合は、その旨も上司に伝えましょう。ただし、退職する覚悟を伝えたからといって戻してもらえるとは限りません。上手くいかなかったときを見越して、転職活動も同時に進めておくのがおすすめです。
Q.仕事が合わない場合、異動するのは悪いこと?
A.仕事が合わないなら異動するのは悪いことではありません。
人事異動は、従業員にとって以下のようなメリットがあります。
- 環境が変わってモチベーションがアップする
- 新しいスキルが身につく
- 理想とするキャリアプランを実現できる
- 得意分野の場合、作業効率がアップする
適材適所の配置は生産性向上や従業員の成長促進にもつながり、組織の活性化も期待できるので、会社側にもメリットが大きいものです。
自分のやりたいことを実現できる部署や、スキル・経験を活かせる部署が他にあるのであれば、積極的に異動希望を出してみましょう。
異動したいと思ったら実現に向けて準備しよう

異動したいと思うのは決してわがままではありません。異動によって生産性やモチベーションが向上したりスキルアップやキャリアパスの選択肢が増えたりなどのメリットがあります。
希望を通すには、これまでの実績や所有しているスキル・資格など「自分の価値」を提示できることが大切です。
また、直属の上司のサポートや異動先の受け入れ準備なども必要なので、早めに上司に相談するとともに、実現に向けた自分自身の準備も進めておきましょう。
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異動はキャリア形成に有効な手段なので、上手に活用しましょう。