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旅館で働く人の平均年収ってどれくらい?
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旅館はあまり稼げないって本当なの?
このような疑問を抱えている方に向けて、本記事では旅館のフロントで働く人の年収事情について詳しく解説します。
旅館は、お客さんにおもてなしを提供する仕事として華やかなイメージがあるため、「稼げるなら自分も働いてみたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
旅館で稼げる人と稼げない人の違い、年収を上げるポイントなどについても紹介するので、旅館で働きたいと考えている方はもちろん、現役の方にとっても有益な情報が得られます。
旅館業で年収を上げたい方は、ぜひ最後までご一読ください。
旅館の平均年収は約329万円
旅館の平均年収は約329万円です。
このデータは、「令和5年賃金構造基本統計調査」の「身の回り世話従事者」を参考に、月給25.4万円、年間賞与24.5万から算出しています。
22歳で大学を卒業してから60歳の定年まで38年間を旅館フロントとして従事したと仮定した場合、生涯年収は約1億2,502万円となる見込みです。
また、旅館フロントの平均年収は45〜49歳でピークを迎える傾向にあり、その年収は約377.08万円というデータもあります。
国税庁が令和5年度に調査したデータによると、日本全体の給与所得者の平均年収は460万円となっており、それを鑑みると旅館フロントの年収は低めです。
しかし、同じ旅館に長く勤めて管理職へ昇進したり、経験を活かして自ら旅館経営に回ったりする選択肢をとれば、平均を大きく上回る年収を得られる可能性はあります。
参考:
職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「フロント(ホテル・旅館)」(参照 2024-10-07)e-State政府統計の総合窓口「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」(参照 2024-10-07)
旅館の収入内訳
旅館従業員の収入は、「基本給」「賞与」「諸手当」の3つの要素で構成されているのが一般的です。
諸手当の内訳は職場によって異なりますが、主に以下のような手当が用意されているケースが多いです。
参考
通勤手当・深夜手当・時間外手当・役職手当・住宅手当・資格手当
旅館のフロントは主に深夜から夜明けまでの時間帯に働くナイトフロントスタッフだと、深夜手当がつく時間帯の勤務が大半のため、シフトによっては深夜手当の割合が大きくなる傾向にあります。
求人によってはまかないや食事補助、社宅・寮、無料で温泉入浴ができるといった待遇が用意されているところも多く、総じて福利厚生は充実している職種と言えます。
いわゆる歩合制の給与システムを採用する旅館は少なく、基本的に毎月の給与は固定されている傾向が強いです。
賞与は年間1~2回支給する旅館が多いですが、旅館の収入は宿泊客数に大きく依存するため、自然災害や天候といった理由で業績が悪化した場合は、賞与が不支給となる可能性もあります。
また、旅館業は個人の仕事の成果が給与に影響しにくいので、旅館フロントで高年収を狙うためには、上記のような諸手当をいかに多く獲得するかが重要となります。
ちなみに、小規模な旅館になると、フロント業務のほかに部屋の清掃やレストランサービスといった業務を任せられるケースも少なくありません。肉体労働の多い業種であるという点も把握したうえで、報酬が妥当か否かを判断しましょう。
【年齢別】旅館の平均年収
以下は、旅館フロントの平均年収を年齢別で比較した表です。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20~24歳 | 282.29万円 |
25~29歳 | 329.01万円 |
30~34歳 | 339.71万円 |
35~39歳 | 363.17万円 |
40~44歳 | 360.96万円 |
45~49歳 | 377.08万円 |
50~54歳 | 360.96万円 |
55~59歳 | 341.48万円 |
旅館フロントは、年齢による年収の差は少ない傾向にあるのが特徴です。
平均年収がもっとも低い20~24歳の頃とピークとなる45~49歳代においても、年収の差は90万円程度しかありません。
定年まで収入が安定していると捉えれば魅力的ですが、たくさん稼ぎたいと考えている人にはいささか割に合わないと感じるかもしれません。
なお、上記はあくまでフロントスタッフとしての平均年収ですが、実際には旅館業一筋で40代まで勤めていれば、マネージャーなどの上位職種にキャリアアップしていることが多いです。そのため、「旅館で働く人」全体における40代以上の平均年収はさらに上という可能性が高いです。
一方、旅館のフロントの平均年収は、50代以降になると右肩下がりになっていきます。これは、先述のように、長く旅館に勤めている人はフロントを「卒業」していき、その年齢でフロントとして勤務しているのは非常勤・パートスタッフなどが多いからと考えられます。
参考:職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「フロント(ホテル・旅館)」(参照 2024-10-07)
【性別】旅館の平均年収
旅館フロントは、性別によって平均年収にそこまで大きな差がないというのも特徴です。
以下は、旅館フロントの男女別の平均年収を比較したデータです。
性別 | 平均年収(千円) | きまって支給する現金給与額(千円) | 年間賞与その他特別給与額(千円) |
---|---|---|---|
男女計 | 3296.3 | 254.3 | 244.7 |
男 | 3629.9 | 278.9 | 283.1 |
女 | 3003.4 | 232.7 | 211 |
参考:e-State政府統計の総合窓口「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」(参照 2024-10-07)
男性は約363万円、女性は300万円ほどと、性別によって60万円ほどの収入差が生じる傾向です。
女性は、結婚・出産・育児といった事情によってフルタイムで働けないケースも多いため、基本的に男性よりも平均給与は少ない傾向にあります。
それを鑑みたうえで収入差が年間に60万円ほどしかないという点を考慮すると、旅館従業員は性別による収入差があまりない業種だと言えるでしょう。
【地域別】旅館の平均年収
旅館従業員の平均年収は、地域によっても若干の差があります。
参考として、東京都と政令指定都市のある道府県の年収差を以下にまとめました。
都道府県 | 平均年収 |
---|---|
北海道 | 293.6万円 |
宮城県 | 283.4万円 |
東京都 | 390.4万円 |
埼玉県 | 329.9万円 |
千葉県 | 320.9万円 |
神奈川県 | 341.3万円 |
新潟県 | 339.4万円 |
静岡県 | 333.8万円 |
愛知県 | 356.7万円 |
京都府 | 378.7万円 |
大阪府 | 373.5万円 |
兵庫県 | 339.1万円 |
岡山県 | 332.5万円 |
広島県 | 296.1万円 |
福岡県 | 340万円 |
熊本県 | 289.4万円 |
旅館従業員の平均年収は、東京都が約390万円ともっとも高く、宮城県が約283万円ともっとも低い水準にあるというデータが出ています。
やはり、東京都、大阪府、愛知県といった大都市圏の平均年収が高く、地方部の平均年収はそれよりも低いことが見て取れます。京都府が高いのは、国内外からの観光需要の高さを反映していると思われ、旅館業ならではの結果です。
宿泊客が多い観光地や人口が集中している都市部にある旅館は、給与水準が高い施設が多い傾向にあります。
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旅館フロントとして稼ぐことを目指すなら、勤める旅館の地域は大変重要と言えるでしょう。
参考:職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「フロント(ホテル・旅館)」(参照 2024-10-07)
旅館の平均年収が低いと言われる理由
旅館で働く人の平均年収は、ほかの業種と比較すると低い傾向にあります。
平均年収が低い理由は、主に以下のような要因があるからと想定されます。
- 業界全体で給与相場が低く設定されているから
- 景気や天候・災害状況によって業績が左右されやすい業界だから
- 実働時間や業務内容が厳しく割に合っていないと感じられやすいから
旅館などの宿泊業は、基本的に特別な資格がなくても就けるため、就職難易度は高くありません。
アルバイトや契約社員といった非正規労働者でも十分に活躍できる業種であり、総じて給与相場も低く設定されがちです。
また、旅館への宿泊は一般的に「不要不急」かつ贅沢な行為と捉えられることが多く、景気の状況によって業績は大きく左右されます。さらに、天候や災害、疫病などの状況によって、突然宿泊予約が激減する場合もあります。
景気が悪くなると、旅館への宿泊のような散財は真っ先に抑えられ、実際近年では新型コロナウイルスの蔓延や、それに伴うインバウンド需要の停滞により宿泊業は大きな打撃を受けました。
そのため、経営者側からすれば、従業員の給料を安易に上げられないのです。
そのうえ、サービス業という性質上、実働時間も長くなりがちで個人の努力で収益性を上げることが難しい業種である点も、収入が伸びにくい理由です。
旅館の仕事は、サービス業の中でもかなりハードな部類といえます。日ごろから質の高い接客対応が求められるのに加えて、お客さんの様々な要望に応えたり、トラブルに対処したりする臨機応変さも必要です。
給与が労働の割に合わないと感じる人も少なくないため、この点も「旅館フロントは年収が低い」と言われることに拍車をかけていると考えられます。
旅館で稼げる人・稼げない人
旅館に勤めて稼げる人になりたいのであれば、以下の能力を重点的に磨くことが重要となります。
- コミュニケーション能力
- 接客・接遇スキル
- 語学スキル
- PCスキル
以上の能力を踏まえて、旅館で稼げる人の特徴をまとめたので参考にしてください。
旅館で稼げる人 | 旅館で稼げない人 |
---|---|
コミュニケーション能力のある人 | 自己中心的な人 |
臨機応変な対応ができる人 | 言葉遣いや所作が乱暴な人 |
日常会話レベルの外国語が話せる人 | PCの扱いが苦手な人 |
旅館は、お客さんが最大限リラックスできる環境の提供を行うサービス業です。
特にフロント業務は宿泊客が最初に接するスタッフである場合が多く、その旅館の「顔」でもあるため、高いコミュニケーション能力や接客スキル、相手が何を求めているかを察する判断力などは、必須スキルです。
コミュニケーション能力を評価された経験のある人であれば、お客さんや従業員からも支持され、早い段階での昇格が期待できます。
老若男女問わずさまざまなお客さんが訪れる旅館は、予期せぬトラブルも生じやすい職種です。あらゆるトラブルにも臨機応変に対応できる人であれば、どの旅館においても重宝されるでしょう。
また、現在の旅館は日本の伝統的な文化を大事にしたおもてなしだけにとどまらず、時代に即した対応力も求められています。常に新しい企画を出したり、積極的に宣伝をしたりと、臨機応変かつ積極的に行動できる人が活躍します。
加えて、外国語が話せるとより理想的です。近年では外国人客も増えているため、語学スキルはあるに越したことはありません。英語はもちろん、これからの時代は中国語や韓国語が話せると貴重な人材として評価されやすくなります。
一方で、旅館の運営は多くのスタッフとの連携が必要なチームプレイなので、協調性がなく自己中心的な人だと活躍はできません。
また、フロント業務はPCを使っての予約管理や部屋の調整など、宿泊施設の運営業務も担います。フロント業務から管理職に昇格すると、PCで売上や従業員のシフト管理なども担います。
そのため、基本的なPCスキルやITリテラシーもないと、スムーズに業務を行うことが難しいです。
旅館で年収・給与を上げるポイント
旅館フロントが年収・給与を上げる方法は、主に以下5つがあります。
- 職場で活用できる資格を取得する
- 積極的に深夜シフトに入り夜勤手当をもらう
- 実績を積んで役職持ちになる
- 待遇のいい職場へと転職する
- 自ら旅館経営を行う
旅館は多岐にわたるサービスを提供する業種という性質上、個人の力だけで大きな利益を出すのが難しい業種です。
そのため資格を取得したり、役職を得たりして、「替えのきかない人材」になることに注力するのが、年収アップにおいて重要となります。
ここでは、年収・給与アップするための方法を具体的に解説するので、ぜひ実践してみてください。
職場で活用できる資格を取得する
旅館業界は、資格保有者に資格手当を設ける職場も少なくありません。
資格を取得すると、マネージャーや管理職への昇格において有利に働くケースもあるため、年収・給与を上げたいのであれば、資格は積極的に取得すべきです。
旅館関連の職場で役立つ代表的な資格は、主に以下があります。
ホテルビジネス実務検定資格(H検) | ホテルの実務に必要な知識の体系的な理解度を測定する検定試験で、文部科学省や観光庁が後援している資格です。 ベーシックレベルとマネジメントレベルがあり、それぞれ1級と2級に分かれています。旅館の仕事もホテルと共通する部分が多いため、旅館業務においても重宝します。 |
ホテル実務技能検定 | ホテル実務や業界の動向を網羅した能力認定試験です。 接遇マナーやホテル業界の基礎知識、ホテル業務の宿泊部門、料飲部門に関する専門知識まで幅広く出題されています。レベルは上級と下級に分かれています。 |
サービス接遇実務検定 | ホスピタリティ精神が求められるホテル業やサービス業全般で必要とされる接遇スキル(サービス業務に対する心構えや対人心理の理解、応対の技術、言葉遣い、立ち居振る舞いなど)の理解度を測定する資格です。 レベルは1級・準1級・2級・3級に分かれています。 |
マナー・プロトコール検定 | 礼儀やエチケット、主に国の間の公式儀礼を指すマナー・プロトコールの知識を見る資格です。 海外からの観光客が増加しているため、昨今はホテル・旅館業でもマナー・プロトコールに関して知識のある人材が求められています。 レベルは1級・準1級・2級・3級に分かれており、主にホテルや旅館、ブライダル関係などサービス業においては上位のレベルが必要とされています。 |
ホテル・マネジメント技能検定 | マネジメントの観点からホテルや旅館業の構造を見られる人材であるかを評価する資格です。 収益管理力、企画力、課題解決力、管理運営力、専門知識などの分野が網羅されています。レベルは1級・2級・3級に分かれています。 |
いずれも年齢や学歴不問で受験可能なため、自分のスキルや実務経験の年数などに応じて働きながら徐々に資格を取得していくのがおすすめです。
また上記のほかに、「TOEIC」や「観光英語検定」といった語学スキルをアピールできる資格も重宝されます。
近年は地方の旅館であっても外国からの宿泊客が多く訪れるため、旅館で活躍するには語学力が必要不可欠になりつつあります。
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高い語学力があれば、より高待遇の旅館にも転職しやすくなるので、語学関連の資格の取得も積極的に行いましょう。
積極的に深夜シフトに入り夜勤手当をもらう
基本給自体が大きく上がらない場合でも、積極的に深夜シフトに入って深夜手当をもらい、結果的に年収をアップさせるという方法があります。
深夜帯の勤務は、労働基準法によって割増賃金を付与するよう義務付けられており、22時~5時の間の勤務は25%の深夜割増賃金が支払われます。
働く時間を夜間に集中させるだけで、特別な努力をせずとも収入アップが期待できるため、積極的に実践を検討したい方法と言えるでしょう。
また、夜勤には、手当が付く以外にも、日中と比べて接客数の機会が少なかったり、夜勤明けの時間を自由に使えたりするといった特徴もあります。これらの点をメリットと感じる人にとっては、夜勤は「いいことずくめ」かもしれません。
とは言え、深夜勤務には、昼夜逆転の生活になり生活リズムが崩れやすくなるというデメリットもあります。自身の生活や健康と相談して、収入とどちらを優先するかを考えることをおすすめします。
実績を積んで役職持ちになる
旅館フロントは、若干のベースアップはあるものの、単に就業年数の長さだけで大きく給与が上がる業界ではないというのが実情です。
給与額を大きく引き上げるうえでは、言われた業務をこなすだけでなく、積極的に昇進を目指して昇給したり、役職手当を得たりするのがおすすめです。
役職手当の金額は職場によって異なるものの、マネージャークラスまで昇進すれば年収も大幅に上がると期待できます。
旅館のフロントのキャリアパスは旅館によって多様ですが、「スタッフ」「シニアスタッフ」「リーダー」「アシスタントマネージャー(副支配人)」「マネージャー(支配人)」「アシスタントゼネラルマネージャー(副総支配人)」「ゼネラルマネージャー(総支配人)」といった風に役職が上がっていくのが一般的です。
また、管理職・経営者である「ゼネラリスト」と、特定の分野に特化して深い知識・高い専門性を有する「スペシャリスト」とキャリアパスが分かれる旅館も多いです。
高級旅館の部門長であるマネージャークラス以上になれば、年収1,000万円に近い収入を得られるチャンスが生まれます。
ただし、役職はただ勤続年数を伸ばすだけで就けるわけではありません。業務に関するスキルを磨くだけでなく、同僚と上手くコミュニケーションをとりながら指示役を積極的に担うなど、リーダーシップのある人材だとアピールする姿勢を持っておくことが重要となります。
待遇のいい職場へと転職する
現在働いている旅館でキャリアアップが見込めないようであれば、ほかの職場への転職も積極的に検討してみましょう。
基本的に規模の大きい旅館や高級旅館ほど、従業員の給与水準も高い傾向にあります。
どの旅館でも役職の数には限りがあるため、ポストに空きがない職場で働き続けても、なかなか昇進はできません。ポストに空きのある旅館に転職できれば、早めの段階での昇進が期待でき、総じてもらえる給料も多くなります。
旅館やホテルといった業界は年功序列の風潮が残っている業界でもあるので、規模の小さい旅館の場合はポストが空くまでかなりの時間を要することもあります。
規模の大きい旅館や比較的新しい旅館は、役職を細かく設定したり、若手のキャリアアップに前向きな場合もあったりするため、転職の際はキャリアパス事例や昇給・昇格システムについても調査しておくと安心です。
旅館業界は人材不足に悩んでいる職場も多く、経験者からの応募は重宝されやすい傾向にあります。自身の市場価値を確かめる意味でも、試しに求人情報をチェックしてみて損はないです。
自ら旅館経営を行う
年収を大きく上げたいと考えているのであれば、旅館業を通じて得られた経験や人脈、スキルを活かして、自ら旅館経営者になることで年収をアップさせるという方法もあります。
新しく旅館を建設して経営を始めるための手順は以下の通りです。
- 都道府県の旅館業法窓口で旅館開業の可否を相談する
- 旅館業営業許可申請書を提出する
- 旅館の建物の建設と内装工事を行う
- 保健所・消防の調査を受ける
- 営業許可証の交付を受ける
旅館経営を行うためには、まず旅館を建てるエリアの自治体から旅館営業許可を得る必要があります。
また、以上に加えて「飲食店営業許可」や「食品衛生責任」「酒類販売業免許」「公衆浴場許可」など、設置する設備や業務の幅に応じてさまざまな許可の取得が必要となります。
もちろん、実際に旅館を開業するには、出資や融資を受けて多くの費用を調達する必要があり、スタッフを雇うための人脈や教育ノウハウなども不可欠です。
せっかく開業しても赤字続きで潰れてしまっては意味がないため、経営者としての優れた手腕が必要なのは言うまでもありません。
近年では高齢化や地方の過疎化といった背景から、後継者不足に悩んでいる旅館も増えています。そうした旅館の現経営者と上手く話がまとまれば、後継者として旅館を引き継ぐ可能性もあるかもしれません。
旅館の経営をするためには膨大な資金と準備期間がかかり、経営スキルも問われるので簡単ではないですが、成功すれば年収は大きく跳ね上がる可能性があります。
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旅館業で成功をつかみたい方は、しっかり準備をしてからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
年収の高い旅館の求人を探すなら?
ここでは、年収の高い旅館の求人を探すうえで役立つ、おすすめの転職エージェントを3つご紹介します。
ホテルズラボ | 最短1分で求人応募が可能な、宿泊業界特化型の求人サービスです。全国5ヶ所に拠点を設置しており、1,700件以上もの豊富な求人を保有しています。企業のスタッフとすぐに連絡が取れるので、短期で転職活動を進めたい人にもおすすめです。 |
もしも、この宿ではたらいたら | 働きやすい職場環境づくりをしている宿泊施設を厳選して掲載している、宿泊施設を厳選している求人サービスです。年間休日104日以上の職場の求人が多数集まっています。 |
おもてなしHR | 31,000人以上もの登録者数を誇るホテル・旅館業界専門の転職サイトです。全国各地37,000件以上もの豊富な求人を扱っており、内定後のサポートも充実しています。 |
いずれも、宿泊業界の事情に詳しいアドバイザーからのサポートサービスが用意されており、高待遇の求人を紹介してもらえたり、履歴書の添削を受けられたりとさまざまな支援をしてもらえます。
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登録料なども不要なので、年収の高い旅館の求人を探すなら、試しに登録してみることをおすすめします。
旅館以外だと未経験でも年収1,000万円を目指せるナイト系もおすすめ!
旅館フロントで収入を上げるためには、資格を取得したり、深夜シフトに入ったり、昇進を目指したり、転職や独立をしたりと、時間をかけて準備しなければならないケースが多く、すぐに高収入を得るのは難しいケースが大半です。
他業種と比較しても、決して平均年収が高い傾向にあるわけではなく、旅館で大幅に年収を上げる難易度は比較的高いと言えます。
旅館と似た業界で仕事をしつつ、スピーディに年収を上げたい方には、ナイト系への転職もおすすめです。ナイト系の求人は、高校生を除く18歳以上なら学歴・資格不問で応募できるものが多く、未経験の人にも広く門戸が開かれています。
旅館とナイト系は、どちらもお客さんをおもてなしする仕事で、業務に必要なマインドは共通する部分もあります。接客能力を評価する求人も多く、旅館で培ったコミュニケーションスキルを存分に活かせるでしょう。
それでいて、ナイト系は未経験でも結果を出せば昇給・昇進が早いのが特徴です。若くして責任ある立場を任され、年収1,000万円を超える人も少なくありません。
頑張りを今すぐ収入に変えたいという意欲が強い方は、ぜひナイト系の求人もチェックしてみてください。
旅館で稼ぐには資格の取得や夜勤、昇進や転職・独立が重要!
旅館フロントの平均年収は約329万円と、ほかの業種と比較すると得られる収入はそう高くない職種です。
年収アップのためには主体的な行動・努力が必要不可欠となります。旅館業で稼げる方法をおさらいしましょう。
- 職場で活用できる資格を取得する
- 積極的に深夜シフトに入り夜勤手当をもらう
- 実績を積んで役職持ちになる
- 待遇のいい職場へと転職する
- 自ら旅館経営を行う
インバウンド需要が今後も高まる中、宿泊業は常に人手が必要とされている職種で、工夫次第で稼げる道もあります。外資系ホテルなども広く視野に入れ、自分に合った選択肢を選ぶことが重要です。