勤め先の会社が昇給なしだった場合、仕事へのモチベーションが下がってしまうのは無理もありません。
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そもそも昇給なしの会社は違法じゃないの?
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昇給なしの会社の特徴を知りたい
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昇給なしの会社でモチベーションが下がったまま働き続けるとどうなるの?
このように、昇給しない会社に関するあらゆる疑問を抱く方は多いです。本記事では、実際に昇給なしの会社はどのくらいあるのか、違法性はないのか、昇給なしの会社の特徴などをご紹介します。
昇給しないことが理由で仕事へのやる気がなくなってしまった時の懸念点やその打開策、自分だけ昇給しない原因なども解説するので、実際に昇給なしの会社で働いている方や今後の会社選びの参考にぜひご活用ください。
昇給なしになった会社は全体の1割未満
厚生労働省が発表した「令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」によると、昇給制度がある会社のうち昇給しなかった会社の割合は、全体の1割未満です。
昇給を行った会社と行わなかった会社の割合を、管理職と一般職に分類して表にまとめてみました。
実施状況 | 管理職 | 一般職 |
---|---|---|
昇給を行った・行う | 92.3% | 95.30% |
昇給を行わなかった・行わない | 6.40% | 4.50% |
延期した | 1.30% | 0.20% |
参照:厚生労働省「令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」(2024-11-24)
見ての通り、昇給ありの会社の9割以上は予定通り実施しているため、昇給が行われていないケースは非常に珍しいと言えます。
企業規模が小さいほど昇給なしの割合が大きくなる傾向にある
昇給を実施しない会社は、企業規模が小さくなればなるほど増えていきます。
以下は、昇給しなかった会社の割合を企業規模別に示したものです。
企業規模 | 管理職 | 一般職 |
---|---|---|
5,000人以上 | 2.80% | 3.10% |
1,000~4,999人 | 0.90% | 0.60% |
300~999人 | 2.20% | 1.90% |
100~299人 | 6.20% | 4.60% |
参照:厚生労働省「令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」(2024-11-24)
企業規模が小さい会社は、大企業より資金力や経営基盤が弱い傾向にあります。経営に支障が出るほどの大打撃を受けてしまうと、社員の昇給ができるほどの余裕がなくなってしまうのです。
昇給制度がない会社は全体の約2割
昇給制度を設けている会社は全体の約8割で、残りの約2割は昇給制度そのものがないという結果が出ています。
昇給あり・なしの会社の割合を管理職と一般職にわけてまとめた表は以下の通りです。
昇給の有無 | 管理職 | 一般職 |
---|---|---|
昇給あり | 77.70% | 83.40% |
昇給なし | 20.90% | 15.40% |
参照:厚生労働省「令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」(2024-11-24)
管理職に就く人の20.9%、一般職として働く人の15.4%は昇給なしの会社に在籍しているのがわかります。このことから、昇給なしの会社で働くと、管理職に就く・就かないにかかわらず昇給の望みは薄いと言えます。
昇給をしないのは決して違法ではない
労働基準法には、企業に対して従業員の昇給を義務付ける規定はありません。最低賃金を下回ってさえいなければ、会社が自由に賃金を設定できるため、昇給しなくても違法ではないのです。
ほとんどの会社は、就業規則や労働契約書に昇給に関する明確なルールを記載しています。
【昇給に関する記載例】
- 昇給は、勤務成績その他が良好な労働者について、毎年〇月〇日をもって行うものとする
- 顕著な業績が認められた労働者については、前項の規定にかかわらず昇給を行うことがある
- 昇給額は、労働者の勤務成績等を考慮して各人ごとに決定する
基本的には、会社に貢献した従業員に対して昇給を行います。しかし、以下のように「会社の業績次第では昇給しない」と明記されている場合が多いです。
ただし、会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由がある場合は、行わないことがある。
この規定がある以上、たとえ昇給なしだったとしても違反とは言えないのです。
そのため、もし昇給がなかった際は、まず自分の労働契約書や就業規則を確認し、昇給に関する条項について確認するようにしましょう。
会社が昇給を行わない5つの理由
会社が昇給を行わない理由として、以下の5つが考えられます。
- 会社の業績不振により資金力がない
- 昇給を凍結している
- そもそも昇給制度を設けていない
- 特殊な給与制度を設けている
- 自分のスキル面や勤務態度に問題がある
会社はどのような経緯で昇給なしを判断するのか、詳しく解説していきます。
業績不振により資金力がない
会社が昇給を行わない理由の一つに、業績不振により社員の昇給ができるほどの資金力がない点が挙げられます。
昇給できなくなるほど資金力が弱くなるのは、以下のように業績不振が原因になるケースが多いです。
- 会社全体の売り上げが低迷している
- 何カ月も連続して赤字を出している
また、ここ数年で積極的に人材の採用を行っている会社の場合、人件費の増加に対して想定した収益を得られなければ、人件費を抑えようと定期昇給をストップすることもあります。
ほとんどの会社では、就業規則に「業績悪化などやむを得ない事情があれば昇給は見送る」といったニュアンスのルールが記載されています。企業規模にかかわらず、経営を続けられなくなるほど業績が悪化したと判断すれば、昇給はなくなってしまうでしょう。
しかし、業績が回復すれば、また昇給されるようになる場合もあります。そのため、昇給させてもらえなかった時は、会社の業績や経営状況について深く調査したうえでこのまま働き続けるか、それとも何かしらのアクションを起こすのかを決めるのがおすすめです。
昇給を凍結している
会社が昇給を行わない理由として、経営状況の悪化以外に経営判断で一時的に昇給を凍結しているケースがあります。
これは、人件費を抑制しつつ、将来的な成長を見据えた戦略的な投資を行うためです。
たとえば、会社が新規事業への投資資金を集めている場合や、設備投資を優先している場合などが該当します。
このような状況では、短期間の昇給凍結が行われることは少なくありません。
昇給の凍結が解除された際、企業としては以下のような対応が求められます。
- 一年分のみ昇給を実施する
- 年齢給・勤続給のみを改定し、職能給は個別に対応する
- 実態に応じて一時的な昇給基準を設ける
これらの対応が適切に行われるまでは、一旦様子を見るのがおすすめです。その際は、昇給を凍結した理由や期間について、会社から明確な説明を受けておくのも重要です。
ただし、連続的に昇給の凍結が行われたり、昇給の凍結期間が長くなったりした場合、「将来的な成長」は表向きの理由なだけであって、実際は会社の経営自体が危ない可能性があります。そのため、会社の対応次第では、見切りをつけて転職を検討する必要があります。
特殊な給与制度を設けている
会社によっては、昇給がない分さまざまな手当をつけたり歩合率を上げたりするケースもあります。会社側は、他の手段で給与を上げているので、無理に昇給しなくてもいいと判断しているのです。
このような特殊な給与制度を設けている背景として、会社側は従業員全員を昇給させるのではなく、業績を踏まえて貢献度の高い人材に優先して報酬を支払いたいと考えている点が挙げられます。
自分の努力次第で昇給がなくても収入を増やせるメリットがある一方で、定期昇給がなくなるため「給料が上がらないかもしれない」という不安を抱えながら働かなければいけないデメリットもあります。
会社の給与制度については就業規則や労働契約書から確認できるので、どんな給与体系になっているのか把握しておくのがおすすめです。
自分のスキル面や勤務態度などに問題がある
昇給しない理由の一つとして、会社から昇給基準に満たない人材だと判断されている可能性があります。多くの会社では、勤務態度や業務の成績を重視した昇給基準を定めています。
昇給の対象外になる可能性が高い原因は以下の通りです。
- スキル不足
- 勤務態度の悪さ
- 周りとのコミュニケーション不足
特に、与えられた仕事を1人で回せず他の社員に迷惑をかけたり、遅刻や欠勤を繰り返したりする、「スキル不足」「勤務態度の悪さ」の2点は、自身の評価を下げる大きな要因と言えます。
また、以前は勤務年数が長くなればなるほど基本給が上がっていく「年功序列制度」が一般的でしたが、近年では会社への貢献度を重視して昇給の有無を決める会社が増えています。そのため、「一つの会社で長く働けば自ずと給与が上がっていく」という考えは、もはや時代遅れな考え方かもしれません。
今の自分の働き方に難ありと自覚しているのであれば、会社への貢献度を高める意味でも改善できるように努力しましょう。
そもそも昇給制度を設けていない
そもそも会社が昇給制度を設けていないのも、昇給が行われない理由の一つです。
先述した通り、日本の企業の約2割は昇給制度そのものがないと言われています。昇給制度がない会社は、経営者の一存で給与額を決める傾向にあるため、収入アップがかなり難しくなります。
とはいえ、定期昇給を受け続けることは、決してメリットばかりではありません。成果を問わず誰でも給与が上がる状況になってしまうがゆえに、「仕事をサボりがちなあの人と給料が一緒なの?」と真面目に取り組んでいる人のモチベーションを下げる原因になりうるのです。
そのため、近年は定期昇給を廃止して、個人の成果が給料に都度反映されるような給与制度に変更する会社も増えつつあります。
成果主義の働き方を好む人であれば、定期昇給なしの会社でも気にせず続けられる可能性が高いです。逆に、安定して収入アップを望む人であれば、キャリアの選択肢が減ってしまう前に対策を講じる必要があります。
昇給なしでモチベーションもなくなった状態で働き続ける5つのデメリット
昇給がないことでモチベーションが低下したまま働き続けると、さまざまなデメリットが生じます。
モチベーションが低下した状態で働き続ける主なデメリットとして、以下の5つが挙げられます。
- スキルアップの停滞で新しい仕事を任されなくなる
- 意欲の低下で仕事のミスが増える
- 仕事がうまくいかないことでストレスが増加する
- 過度なストレスによって精神的な病を患う場合もある
- 精神的に余裕がないと人生の先行きが見えなくなる
これらのデメリットについて、一つずつ詳しく見ていきましょう。
スキルアップの停滞で新しい仕事を任されなくなる
昇給がなかったことがきっかけでモチベーションが低下すると、それに伴ってスキルアップも停滞してしまう場合があります。
新しい知識や技術を学ぶ意欲が減少し、自己研鑽を怠るようになると、新規案件やプロジェクトを任されなくなる可能性が高いです。自分の仕事がどんどん減っていくのと同時に、周囲からの評価も下がってしまい、出世への道も絶たれてしまうかもしれません。
また、スキルアップが停滞すると、業界の変化や技術の進歩についていけず、今後転職活動を行う際に不利になってしまうリスクも考えられます。その結果、自身の市場価値が低下し、将来のキャリアに悪影響を及ぼす悪循環に陥りかねません。
スキルが上がらないことは、仕事においてさまざまな弊害をもたらします。
意欲の低下で仕事のミスが増える
仕事へのモチベーションが低下すると、集中力も下がって業務中のミスが増える傾向があります。
仕事のミスは、報告書の誤字脱字やデータの入力ミスといった些細なものや、重要な連絡事項の見落としや商談のすっぽかしなど、取り返しのつかなくなるような重大なものまでさまざまです。
職種によっては、ケアレスミス一つで会社の経営に悪影響を及ぼす場合もあるので、なるべくミスが続かないように心身を整える必要があります。
また、仕事のミスが増えると、生産性が下がってしまいます。上司や同僚などから他の社員より業務の進み具合が遅いと判断された場合、ビジネス上の信頼関係が築けなくなってしまうでしょう。
結果として、会社からスキル不足の人材として評価され、さらに昇給できる可能性が低くなったりモチベーションが低下したりするリスクが考えられます。
仕事がうまくいかないことでストレスが増加する
昇給がないままでも、会社での勤務年数が増えると、経験に応じて任される仕事や責任は増えていきます。
しかし、給与が変わらない中で仕事量や責任が増すと不公平感を抱きやすくなります。
この不公平感からストレスが増えると集中力が低下したり、体調が悪化したりして、さらなる業務のミスや遅れにつながる可能性も無視できません。
結果としてモチベーションがさらに下がり、悪循環に陥る危険性が高まります。
そしてこのような状況を放置すると、精神的な健康にも影響を及ぼすことが懸念されます。
ストレスを適切に管理し、早めに対策を講じることが重要です。
過度なストレスによって精神的な病を患う場合もある
昇給がなくなったことがきっかけで過度なストレスを抱えてしまうと、精神的な病を患う可能性もあります。
過度なストレスは、日常生活や仕事のパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。ストレスを抱えているからといってそのまま放置していると、以下のような精神病を引き起こす原因になりかねません。
- 適応障害
- うつ病
- パニック障害
- 摂食障害
- 自律神経失調症
一度精神的な病を患うと、その後の社会復帰に時間を要する場合も珍しくないので、早めに自分の状態に気づき、ストレスの原因を改善できるように取り組みましょう。
とはいえ、ストレスの根本的な原因が昇給がないことへの失望や会社への不信感だった場合、自力で改善するのは難しいです。
精神的に余裕がないと人生の先行きが見えなくなる
昇給なしの会社でモチベーションが低いまま働き続けてしまうと、精神的な余裕が失われ、人生の先行きが見えなくなってしまいます。
人生には、以下のようにさまざまなライフイベントがあります。
- 転職
- 結婚
- 出産
- 子育て
- マイホームの購入
- 定年退職
精神的な余裕がないと、これらの人生プランを立てようとする意欲もなくなり、将来の可能性を狭めてしまう恐れがあります。
また、上記のライフイベントは多かれ少なかれ財力が必要となるものばかりです。
昇給がなくなってしまうのは、大幅な収入アップが見込めないことを意味します。収入が上がらなければ、満足のいく人生を送れなくなるかもしれません。
もちろんお金がなくても幸せな人生を送れる人も存在します。しかし、昇給がなくてモチベーションが下がっている人は、自分の財力のなさに耐えられなくなる可能性が高いです。
昇給がなくモチベーションがなくなった時の打開策4選
昇給がなくモチベーションが低下してしまった時、どのように対処すればよいのでしょうか。
ここでは、その状況を打開するための方法を4つご紹介します。
- 昇給がなくなった原因を考える
- 仕事のスキルを上げる
- マインドセットを変える
- 副業や転職を検討する
昇給がなくなった原因を考える
昇給がなくモチベーションが低下したと感じた時は、なぜ昇給がなくなってしまったのか、その理由を深く考えてみましょう。
先述した通り、会社が昇給をしない理由はいくつかあります。
- 業績不振により昇給できるほどの資金力がない
- 特殊な給与制度を設けている
- 自分のスキル面や勤務態度に問題がある
- そもそも昇給制度を設けていない
会社の業績不振や給与体系が原因だった場合、自力ではどうすることもできない部分が多いです。会社の経営状況を見極めたうえでこのまま働き続けるか、それとも副業もしくは転職するかを検討しましょう。
スキル不足や勤務態度の悪さなど自分に原因がある場合、自身の働き方を変える必要があります。近年は、年功序列ではなく会社への貢献度で昇給の有無を決める会社が増えているので、「会社の一員としてどれほどの利益を生み出しているのか」についても一度じっくり考えるのもおすすめです。
昇給しない原因がどうしてもわからないのであれば、同僚や先輩など普段から交流のある人に聞いてみるのもありです。いきなり人事部や上層部に昇給について聞いてしまうと、今後会社に居づらくなる可能性があります。
身近な人に軽く問いかける程度に留めておけば、自分の立場を危うくすることなく、昇給なしになった原因を見つけられるかもしれません。
仕事のスキルを上げる
自分のスキルを磨いていけば、仕事へのモチベーションを復活させることができる可能性があります。
昇給の有無にかかわらず、自分のスキルを上げ続ける努力をするメリットは以下の通りです。
- できる仕事の幅が広がり会社への貢献度が高まる
- 社内で高く評価され昇給できる可能性がある
- 副業や転職をする時のアピール材料になる
- 自己肯定感が上がる
仕事のスキルアップは、業務効率やパフォーマンスの向上につながります。できることが増えれば任せられる仕事も増えていく場合が多いので、今まで以上に会社に貢献できます。また、スキルを上げて結果が出せるようになれば、周囲から高評価を得られ、昇給の対象者になれるかもしれません。
とはいえ、会社の業績が悪い場合、いくら会社のために働いても給料として還元されないパターンもあります。その際は、今後副業や転職活動をしたくなった時の実績作りだと考えるのもおすすめです。
特に、転職活動を成功させるうえで、企業にアピールできる材料を持っておくのは必要不可欠と言えます。モチベーションが下がったままなんとなく働くのではなく、未来の自分のために今のうちからスキル向上を図りましょう。
そして、仕事のスキルアップは、自己肯定感を高められるメリットもあります。自分に自信を持つことで、仕事へのモチベーションアップにもつながります。
昇給しなかったからといって、スキル向上を怠ってしまうのはもったいないです。業務に役立つ資格を取得したり、業界に関する最新情報を収集したりして、仕事のスキルを磨いていきましょう。
マインドセットを変える
「昇給がない=やる気がなくなる」という考えを変えることで、結果的にモチベーションの低下を防げる可能性もあります。
まず、昇給なしになった事実をなるべく前向きにとらえてみましょう。現状を悲観するのではなく、「今こそ人生の転機かもしれない」「自分を変えるチャンスだ」と考えれば、その後の人生もポジティブな方向に進みやすくなります。
また、「仕事は仕事」と割り切る気持ちも大切です。昇給なしの事実をずっと引きずってしまうと、プライベートの時間も気持ちが沈んだままになってしまいます。
そのため、私生活では仕事のことを忘れられるようにストレスを発散して、仕事とプライベートで気持ちを切り替える工夫を行いましょう。
仕事をする際は、モチベーションの有無にかかわらず、一定のパフォーマンスを保つ働き方をするのが大切です。パフォーマンスにムラがあると思わぬミスにつながるので、どんな精神状態でも最低限の成果が出せるようにマインドを整えておきましょう。
副業や転職を検討する
昇給なしによって給与面に不満を感じるのであれば、副業や転職により収入アップを目指すのがおすすめです。
もし今の会社で働き続けたい場合は副業を検討してみましょう。
副業を始めることで、収入が増えるのはもちろん、新たな知識やスキルを身につけるきっかけにつながるので、自己肯定感が高まり、仕事のモチベーションも上がります。
しかし、副業を禁止にしている会社も存在します。副業禁止の会社で働いている場合、思い切って昇給ありの会社への転職を検討しましょう。
いつまでも昇給しない会社で大きなストレスを抱えながら働くくらいなら、いっそのことより好条件の会社に転職したほうが自分にとってプラスになります。
昇給ありの会社を探す際は、以下の2つのポイントを押さえておくのがおすすめです。
- 業績が安定している業界から探す
- 企業規模が大きい会社から探す
業績が安定している業界例として、インフラ系があります。インフラ系は、電力・ガス・水道・鉄道・通信事業などが該当します。どれも日常生活に必要不可欠なものなので、極度の業績悪化に陥る心配は少ないでしょう。
他にも以下の業界は、景気に左右されにくいので、業績が安定している可能性が高いです。
- IT業界
- 食品業界
- 医薬品業界
また、企業規模が小さくなればなるほど、昇給しなくなる会社の割合が大きくなる傾向にあります。そのため、なるべく企業規模が大きい会社への転職を目指しましょう。
たとえ大企業に直接入社しなくても、そのグループ会社に入社できれば、昇給なしの状況から打破できる可能性は高いです。
【よくある質問】退職理由で「昇給なし」はありか否か
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昇給がなかったことを転職活動の時の退職理由として正直に伝えるべき?
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良い場合と悪い場合の両方が考えられます。
まず昇給がないことを正直に伝えてOKなのは、個人の成果を重んじる業界に転職しようとしている場合です。不動産業界や保険業界など、成果報酬型の給与制度を採用している会社が多い業界であれば、採用担当者に「稼ぎたい意欲が強いから会社のためにしっかり働いてくれそう」とポジティブな印象を与えられる可能性があります。
一方で、昇給なしが退職理由であることを伝えないほうがいいのは、年功序列を重んじる会社に転職する場合です。年功序列を重視する会社は、成果主義の会社と比べると昇給スピードが遅い傾向にあります。そのため、採用担当者によっては、「給与が期待通りでなければすぐに転職してしまうかもしれない」とネガティブにとらえてしまうかもしれません。
なお、昇給なしが退職理由であることを伝える際は、感情的にならず冷静に話すのが大切です。また、「自己成長のために新しい環境で挑戦したい」といったポジティブな理由も併せて伝えられれば、そこまで悪い印象は与えないでしょう。
昇給がなくやる気がなくなったらまずは自分でできる改善策を見つけてみよう
昇給がなくなったのがきっかけで仕事へのモチベーションが下がってしまった時は、以下の行動をするのがおすすめです。
- 昇給がなくなった原因を考える
- 仕事のスキルを上げる
- マインドセットを変える
- 副業や転職を検討する
昇給なしという現実を悲観的に見るのではなく、まずは自力で改善できるかどうか模索するのが大切です。
たとえば、業績不振が原因で今後も昇給が望めそうにない場合、副業を始めて昇給分を賄ったり、昇給ありの会社に転職したりする方法があります。また、自分だけ昇給しなかった場合、勤務態度を改めたり、仕事のスキルアップを図ったりして、会社への貢献度を高める努力をするのが有効です。
昇給がない状況を放置したまま働き続けてしまうと、キャリアアップが難しくなったり過度なストレスによって精神的な病を患ったり、さまざまなデメリットが生じる可能性があります。
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自分の将来をより良くするためにも、今のうちから積極的に動き出しましょう。