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自分の体調不良や子どもの熱で会社を休みすぎて気まずい…
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どうしたら仕事を休みすぎた気まずさを解消できる?
会社を休んでしまった罪悪感や不安から「気まずい」「出勤しにくい」と悩む人は多いです。
仕事を休んだ翌日に職場へ行くことに気まずさを感じてしまう経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
しかし、会社を休みすぎても必要以上に気まずさを感じる必要はありません。
本記事では、会社を休みすぎてしまっても気まずく感じなくていい理由や、それでも気まずいときの対処法、気まずくても決してやってはいけないNG行動などを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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仕事を休みすぎてしまって悩んでいる方!大丈夫なので悩みすぎないようにしましょう!
「会社を休みすぎて気まずい」と感じる理由

周りと比べて会社を休みすぎてしまう理由としては、以下のような理由がよく挙げられます。
- 体調不良
- 家庭の都合
- そもそも仕事がしたくない
仕事をしたいという気持ちはあっても心身の状態が気持ちについていかなかったり、家族の事情などで休まざるを得なくなったりすることはあります。また、さまざまな理由で仕事をしたくなくてつい会社を休んでしまうケースもあると思います。
会社を休んでしまう理由は人によってさまざまです。
そして、会社を休みすぎて気まずさを感じてしまう理由には、下記の3つが考えられます。
- 同僚や上司に迷惑をかけているという罪悪感
- 職場での自分の立場が悪くなっているのではないかという不安
- 同僚とのコミュニケーションが減ったことによる孤立感
会社を休むとその穴を誰かにフォローしてもらわなければいけないため、休んだ分だけ罪悪感を抱いてしまいがちです。
また、勤怠が人事考課に影響しないかといった不安や、休んでいる間、上司・同僚とコミュニケーションが取れないため休んでいた後ろめたさも重なり孤立感を抱いてしまうといった点も、休むことに対する気まずさの理由になります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
同僚や上司に迷惑をかけているという罪悪感
会社を休みすぎて気まずいと感じる大きな理由に罪悪感があります。
たとえ上司・同僚が休むことに理解を示してくれたとしても、休みの間にフォローしてもらった申し訳なさから気まずいと感じてしまう人が多いです。
事実、「休むことに罪悪感がある人の割合調査」では、以下のような結果が出ています。
とてもある | 3.2% |
ある | 8.3% |
どちらかといえばある | 26.8% |
全くない | 29.7% |
ない | 18.9% |
どちらかといえばない | 13.1% |
参考:PR TIMES「日本経済新聞×Job総研『2023年 日本人の休み方実態調査』を実施 4割が”休むことに罪悪感” 20代に顕著 同僚に合わせて取得」(参照 2025-01-22)
全体の38.3%もの人が、休むと少なからず「罪悪感がある」と回答しました。
日本には昔から「会社を休む=悪い、迷惑をかける」という価値観が根強く、必要以上に休むことに対して罪悪感を抱えてしまう人が多い傾向にあります。
これは、日本人が幼い頃から幼稚園や学校などにある「皆勤賞」の制度などによって「休まない=えらい」という価値観が根付いていることが考えられます。
こういった罪悪感から、周囲の人の表情や言動を必要以上に気にしてしまい、職場復帰後、気まずさを感じるきっかけとなることが多いです。
確かに会社を休むと、少なからず上司や同僚の負担を増やして迷惑をかけてしまいます。
しかし「休んだ人のフォロー」も仕事の一環ですし、休んだときの「迷惑」はお互い様でもあるため、必要以上に気にする必要はありません。
職場での自分の立場が悪くなっているのではないかという不安
会社を休みすぎると、以下のように「周囲からどう思われているのか」「自分の立場に悪影響がないか」と、自分の立場や評価が心配になって不安を感じる人も多くいます。
- 自分のせいで仕事の進捗に支障が出ていると思われていないか
- 上司や同僚に休みが多すぎて迷惑だと思われていないか
- 勤怠不良で会社からの評価が落ちていないか
- 職場に不要と思われて解雇されるのではないか
しかし、結論を言えば、不安や気まずさを感じているのは自分だけというケースが大半なので、過度に心配する必要はありません。
長く休んでしまった場合でも、再び出勤した際に休んだ分を取り返すつもりで一生懸命働ければ問題はないのです。
ただし、勤怠評価に関しては会社のルールによるので、あらかじめ評価のルールを確認しておくと安心でしょう。
同僚とのコミュニケーションが減ったことによる孤立感
休みすぎると同僚とうまくコミュニケーションがとれず、孤立感から気まずさを感じてしまう人もいます。
特に長く休んでしまうと、担当業務や部署内で扱っている業務の状況が変わるため、休みから復帰するとあらゆる物事が変化している場合があります。
「取り組んでいたプロジェクトが休んでいる間に終わっていた」「自分の業務が他の人の担当になっていた」「自分を除く同僚同士が仲良くなっていた」「いつの間にか周りで人事異動があった」などは、長く休んでいるときによくある変化です。
このような変化があると、時の流れを実感し、自分だけが取り残されているような感覚に陥りやすくなります。
そして、焦りや不安、孤独感から、さらに上司や同僚とのコミュニケーションが減って、気まずくなってしまう事例も多いのです。
孤立感は、休職中や復帰前に情報収集をすることで、ある程度和らげられます。情報を得れば変化にも対応しやすく、復帰後すぐに現在の職場に馴染みやすくなるでしょう。
また、復帰後は職場の様子や上司・同僚の表情などを観察し、周囲の空気を感じながら自分自身がどう振る舞うのがベストかを考えるのも手です。
たとえば、周りが忙しそうにしている場合は、何か手伝えることがないか聞いて積極的に仕事のフォローに入るといった行動に出られます。
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逆にアットホームな雰囲気であれば、積極的に雑談をして周りと馴染むのがおすすめです!
会社を休みすぎて気まずいと感じる必要はない3つの理由

「会社を休む=悪」と考えがちな日本社会の風潮も相まって、会社を休みすぎると気まずいと感じる人が大半ですが、休んだことを必要以上に気にする必要はありません。
会社を休みすぎても気まずいと感じなくていい理由は3つです。
- 自分が思っているほど周りは気にしていない
- 周囲も休むことに対して理解を示してくれる
- 休むことは権利である
人はそこまで注意深く他人を気にしていませんし、最近は社会全体で仕事を休むことに対して寛容な空気が生まれつつあります。
また、そもそも休みをとることは労働者の権利であるため、やむを得ず休んでしまっても後ろめたさを抱く理由がないのです。
各ポイントを詳しく解説していきます。
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どうしても「気まずい」「申し訳ない」と思ってしまう人はぜひ読んでみてください!
自分が思っているほど周りは気にしていない
会社を休みすぎると「職場の人から悪く思われているのでは」と不安になるでしょう。
日本人は輪を重んじる特性が強いため、休みすぎると自分が輪から外れてしまったように思えてしまい、人の目が気になるのは仕方がないことです。
しかし、実は人は他人に対してそこまで深く気にしていません。
何人も部下を抱える上司からすれば、部下一人の休みはそれほど大きな問題ではありませんし、やるべき仕事をたくさん抱えている同僚は自分の業務に集中しています。
また、職場の部下・同僚に対しては「仕事仲間」という認識を持ち、個人の問題やプライベートについてほとんど興味がない人もたくさんいます。
つまり、会社を休みすぎたあなたに対して、周囲の人の大半はポジティブな感情もネガティブな感情も持っていません。
休みすぎて気まずいと感じたとしても、そう感じているのは自分だけであり、周囲の人は気にもしていない可能性が高いのです。
気まずさから変によそよそしくなってしまったり、明らかに体調が悪いのに無理して出勤してしまったりすると、それが原因でかえって周囲とギクシャクしてしまう恐れがあります。
会社を休みすぎても過剰に気まずいと思う必要はありません。復帰後に今まで通りの態度で「普通に」仕事を進めていきましょう。
周囲も休むことに対して理解を示してくれる
意外と会社を休むことに対して理解のある社会人は多いです。
ほとんどの社会人はこれまでに自身も体調不良やプライベートな事情で仕事を休む経験をしています。
そして、現在はワークライフバランスや働き方改革が定着してきて、「何があっても休まないのが美徳」というかつての価値観も見直されつつあります。
「仕事よりも体調や家族の事情を優先したい」「仕事がつらくてどうしても休みたい」などと感じた経験がある社会人が大半を占めているため、自分が思っているよりも周囲は理解を示してくれるのです。
中には、「体調は大丈夫なのか」「何か困っていないか」など、自分の仕事を抱えながらもこちらを気にかけてくれる人もいます。
会社を休みすぎると、罪悪感や不安からついネガティブな考え方をしてしまいがちですが、理解者はいるので、気まずく思う必要はありません。
ただし、人の考え方はそれぞれなので、「休みすぎを理由に責められる」「急に冷たい態度をとられる」など、不当な扱いを受けてしまうケースももちろんあります。
休みに正当な理由があるにもかかわらず、パワハラのような言動をとる上司・同僚がいる場合は、会社に相談したり専門機関に助けを求めたりして、適切に対処してもらいましょう。
休むことは権利である
労働者は、労働基準法によって休暇を取得する権利が保証されています。
労働基準法に基づいた有給休暇を含む休日、会社ごとに規定されている休日は、労働者が心身のリフレッシュを図り、健康を維持するための権利です。
十分な休息はモチベーションやパフォーマンスを向上させ、周囲の上司・同僚、ひいては会社にも多くのメリットをもたらすからです。
そして、病気やケガといった体調不良、家族の介護や子どもの熱などのやむを得ない家庭の事情での休みも、労働者の権利として認められています。
労働基準法で定められた有給休暇を使ったり、会社で規定されている休暇・休職制度を使ったりして仕事を休むことは法的に認められた正当な権利なので、罪悪感を抱いたり、必要以上に卑屈になったりする必要はありません。
また、会社には労働者が休暇を取得しやすい環境を整える義務があります。会社内に「休みにくい雰囲気」があり、休むと気まずいと感じるケースの場合、それは会社に問題がある可能性が高いです。
そして、社員一人が休んだだけで仕事が回らなくなるのであれば、それは会社の管理の問題でもあります。
会社の環境が原因で休みをとれない場合は、必要に応じて労働基準監督署をはじめとする外部機関に相談しましょう。
【状況別】会社を休みすぎた気まずさを解消するための方法

ここでは、会社を休みすぎた気まずさを解消して前向きに職場復帰する方法を、以下4つの状況別に紹介します。
- 休職期間が短い場合(1週間~1ヶ月程度)
- 休職期間が長い場合(数ヶ月~1年以上)
- 休職理由がデリケートな場合(メンタルヘルスなど)
- 人間関係に問題がある場合(同僚・上司とのトラブルなど)
会社を休みすぎても気まずく感じる必要はないとわかっていても、罪悪感がぬぐえずいたたまれないと思う人は多いです。
スムーズに職場復帰するためにはどうすればいいのか、詳しくお伝えしていきます。
状況1:休職期間が短い場合(1週間~1ヶ月程度)
1週間~1ヶ月程度と休職期間が短い場合は、職場復帰のハードルも比較的低いです。
できれば復帰前から同僚や上司とこまめに連絡をとって会社の情報を得ておくと、復帰後に戸惑わずに業務を再開しやすくなります。
そして、具体的に復帰できる目処が立った時点で、電話またはメールで改めて上司に連絡を入れましょう。
上司への連絡では、復帰の意思と日時を報告するのはもちろん、仕事を引き継いでもらったり気遣ってもらったりしたことへの感謝も伝えてください。上司から「本当に職場復帰して大丈夫なのか」と心配される場合も多いため、仕事への意欲もあるとアピールできると好印象です。
また、職場復帰当日は、いつも通りに出勤し、明るく挨拶する点も大切です。休みすぎて気まずいからと普段より控えめな態度をとる人もいますが、委縮してしまうと周囲の人も気を遣ってしまい、かえってきまずい思いをしてしまうことになりかねません。
休んでいる間に迷惑をかけたと気になるなら、振る舞いはそのままに、ちょっとしたお土産を用意して、感謝やお詫びの気持ちを表すのがおすすめです。
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迷惑をかけてしまったとしても、必要以上に気にせず「働いて取り戻す!」という気概を持つのも大事ですよ!
状況2:休職期間が長い場合(数ヶ月~1年以上)
数ヶ月~1年以上の長期休職をした場合は、細かく段階を踏んで職場復帰しましょう。
会社側も安心してあなたを迎え入れられるよう、より丁寧なコミュニケーションを心がけてください。
復帰できる目処が立ったら、短期退職の際と同様に、電話やメールで上司に意思を伝えるのがおすすめです。
そして、出社日までに一度上司との面談の機会を設けてもらいましょう。事前の面談では、会社や自分の現状を報告し合い、今後の仕事への携わり方をすり合わせます。
復帰後に上司や同僚からのサポートが必要そうな場合は、後々トラブルにならないよう、この事前面談で正直に伝えておくのがポイントです。
また、いきなり以前と同じように働こうとするのではなく、時短勤務やリモートワークをしたり、簡易的な業務などから段階的に復帰したりできれば、よりスムーズに職場に馴染みやすいです。
ブランクがある状態で無理をしても、効率よく業務が進められず、自分を追い詰めてしまうおそれがあります。
復帰後は信頼できる上司に定期面談してもらえると安心感が増すので、可能であれば定期面談してほしいと伝えておくのも良いでしょう。
状況3:休職理由がデリケートな場合(メンタルヘルスなど)
自身のメンタルヘルスが原因で会社を休んでいる場合は、無理せず自分のペースで職場復帰することが何よりも大切です。
メンタルヘルスの問題は、心に不調を抱えつつも体は健康であるため、責任感が強い人ほど「頑張らなければ」と無理して働き、さらに精神を追い込んでしまうケースがよくあります。
しかし、公私ともに支障なく生活を送るためには、体はもちろん心の健康も欠かせません。心が不調なときは、思い切って仕事から離れて休養に専念しましょう。
メンタルヘルスを理由に休職した人が職場復帰する前にやるべきことは、以下の通りです。
- 上司、産業医、カウンセラーなどの信頼できる人への相談
- 現在の心身の状況と今後必要な配慮・協力の共有や提案
- 時短勤務やテレワーク勤務の申請
- 復帰後の業務内容や職場環境の確認
信頼できる人へ情報の伝達や復帰後の働き方などの相談をしておくのはもちろん、メンタルへの負担が少ない働き方から始めて少しずつ本格復帰していくのがおすすめです。
できれば時短勤務やテレワーク勤務をしたり、特定の業務から徐々に慣れていったりするのがベストでしょう。
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絶対に周囲と比較せずに自分のペースを守り、焦らず復帰を進めてください。
状況4:人間関係に問題がある場合(同僚・上司とのトラブルなど)
「同僚や上司との間にトラブルがあった」「職場の輪に馴染めなかった」など、人間関係の問題で休職した場合は、職場復帰を進める前に第三者に相談して状況の改善を図る必要があります。
会社を休んで心身の健康を取り戻したとしても、人間関係の問題が解決できていない状態で復帰すれば、再び人間関係に悩んで不調に見舞われる可能性が高いです。
以下のような取り組みを通じて、仕事に復帰する前に問題を解決させましょう。
- 問題点の整理と解決策を考える
- 会社の相談窓口や外部の相談機関を利用して相談する
職場の人との付き合い方を変えてみたり、考え方を変えて割り切ったりできるのであれば、それに越したことはありません。
しかし、部署内での問題解決が難しい場合は、部署異動を願い出たり、転職を考えたりと、環境を変えるのも選択肢になります。
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休職中は、心身の状態が回復したあとに、復帰後を考えて異動や転職についての情報収集もしてみましょう。
会社を休みすぎて気まずくてもやってはいけないこと

会社を休みすぎて気まずいあまりに、悪気なく下記のような礼儀を欠いた行動に出てしまう人もいます。
- 無断欠勤をしてその後の連絡も無視する
- 欠勤の当日連絡が数日続く
しかし、自らの評価を下げるような行動をとると、さらに気まずくなってしまい職場復帰しにくくなります。
相手に迷惑がかからないようにきちんと連絡を入れたり、連絡するタイミングに気をつけたりするだけで、印象はグッと良くなります。
ここでは、気まずくてもやってはいけない注意点を詳しく解説していくので、心に留めておいてください。
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自分の立場が不利にならないように、予防のために心がけていきましょう!
無断欠勤をしてその後の連絡も無視する
会社を休みすぎて気まずくなると、毎日休みの連絡を入れるのがつらいと思う人も多いです。
特に休みの報告が通話のみとなっている職場では、こう思ってしまうのも無理はありません。
しかし、職場に連絡を入れずに休む「無断欠勤」や、その後に職場から来る連絡を無視する「バックレ」といった不誠実な行動をとるのはやめましょう。
音信不通の社員がいると、会社は心配して何度も連絡をとろうとするなど、業務外の時間をとられてしまいます。
また、何日も連絡がつかなければ、あなたが休みたいのか辞めたいのかが判断できず、人事部や上司、同僚に多大な迷惑がかかります。場合によっては、自宅まで様子を見に行くといった対応をとられる場合もあるでしょう。
一度無断欠勤やバックレをすると「逃げ癖」がついてしまう場合もあります。会社で少し嫌な思いをしただけで無断欠勤やバックレをするようになると、評価が下がり、希望していたキャリアからも遠ざかってしまうでしょう。
そして、無断欠勤やバックレを続けてしまうと、以下のような重大なリスクもあります。一時の感情によるうかつな行動は禁物です。
- 緊急連絡先である家族を問題に巻き込む
- 警察へ捜索願が出される可能性がある
- 会社の懲戒解雇処分の対象になる
- 会社から損害賠償請求される可能性がある
ちなみに、「労働政策研究・研修機構」が行った「従業員の採用と退職に関する実態調査」によると、常用労働者50人以上を雇用している企業が普通解雇を行った理由の15%が「頻繁な無断欠勤」でした。
そのため、無断欠勤が続くと、解雇される可能性もゼロではありません。
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無断欠勤やバックレは、周囲の人に迷惑がかかるうえに、自分にも大きな不利益がある行為なので、絶対にやらないようにしてください。
参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「従業員の採用と退職に関する実態調査-労働契約をめぐる実態に関する調査(Ⅰ)-」(参照 2025-01-22)
欠勤の当日連絡が数日続く
突発的な理由で、やむを得ず「今日は休ませてください」と当日に欠勤を申請する場合もあるでしょう。
- 【欠勤とは】
- 会社所定の労働日に出勤しないことを指します。病気やケガ、家庭の事情などやむを得ない理由があったとしても、就業規則などで認められていなければ欠勤扱いとなります。
しかし、当日の欠勤連絡が何日も続くと、上司や同僚からの信頼を失ってしまう可能性が高いので要注意です。
「もっと早くに分かっていただろうに、どうして連絡が今さらなんだ」「まだ連絡は来てないけど、今日も休むかもしれないから仕事を振りづらい」と、思われる状況が続くと、自身にとって不利な状況になる恐れがあります。
この状況を回避するためは、相手の負担を最小限にするために「早めの連絡」が大切です。
たとえば、体調を崩したなら、症状を見て前日の夕方頃までに「明日出勤できそうか」の予想がだいたいつきます。体調が回復するか微妙な場合は、念のために上司に現状を伝えて「明日もお休みいただいてしまうかもしれません」と予告するだけでも、相手の心象は変わります。
特に、明日自分が休むことで仕事を誰かに肩代わりしてもらう必要がある場合は、できるだけ早めに休む可能性がある旨を連絡しておきましょう。誰かに迷惑をかけてしまうのは避けられない場合でも、早めに連絡があれば職場で対策をとりやすいです。
休むと決めた時点でいち早く会社に連絡を入れるようにしましょう。
会社を休みすぎることについてのよくある質問と回答

最後に、会社を休みすぎることについてのよくある質問に回答していきます。
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会社を休みすぎるとクビになりますか?
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仕事を休むのは甘えですか?
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休みすぎて上司や同僚との会話が気まずいのですがどうすればいいですか?
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子どもの熱などの体調不良で休みすぎると仕事で不利になりますか?
わからない物事に対して人はネガティブになりやすいですが、知識があれば余計な心配をする必要はなくなりますし、休む前から心構えができて対策も取りやすくなります。
ぜひ参考にしてください。
会社を休みすぎるとクビになりますか?
結論から言えば、会社は休みがちなことを理由に、いきなり社員をクビにできません。
労働契約法の第十六条により、企業が定めた就業規則における解雇の事由に該当し、社会通念上で解雇が相当と思われる程度の事情がなければ、裁判の際に解雇が無効となるリスクがあるためです。
基本的には業務へ大きな支障が出ていない場合、休みすぎたからといっていきなり解雇されることはありません。
しかし、業務に大きく支障が出るほどに悪質な無断欠勤を繰り返した場合は、会社が一方的に労働契約を解約できる懲戒解雇になる恐れが出てきます。
また、高頻度で欠勤を繰り返し、それに伴って業務に影響が出た際に、会社から再三注意や指導を受けたにもかかわらず改善が見込めない場合は、普通解雇を言い渡す会社もあります。
目安として出勤率が80%を下回ると、「休みすぎ」として会社が問題視する傾向が強いです。
この80%という数字は、労働基準法39条により定められている、労働者の権利である年次有給休暇(有給)が基準となっています。有給の付与要件は「全労働日の8割以上の出勤率」なので、有給が付与される出勤率であれば、解雇に至るには相当しないとされているのです。
休みすぎによるクビを回避するなら、少なくとも出勤率80%以上をキープしましょう。
なお、「休み」という響きは同じでも、休暇は欠勤にはあたらないため、休暇を取得して出勤日数が減ったことを理由に会社が労働者を普通解雇するのは認められていません。
正当な理由かつ適切な方法で取得された休暇は「休業」に該当します。
年次有給休暇、産前産後休業、育児休業、介護休業などが休業の代表例です。他にも、会社によっては夏季休暇、年末年始休暇、リフレッシュ休暇など、法律で定められていない独自の特別休暇を設けているケースがあります。
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会社の就業規則を確認しておき、解雇の条件を知っておくと、安心できるかもしれません。
参考:
e-Gov法令検索「平成十九年法律第百二十八号 労働契約法」(参照 2025-01-22)
e-Gov法令検索「昭和二十二年法律第四十九号 労働基準法」(参照 2025-01-22)
弁護士法人 咲くやこの花法律事務所「欠勤が多い社員を解雇できる?体調不良などで休みがちな従業員への対応」(参照 2025-01-22)
仕事を休むのは甘えですか?
真面目な人ほど仕事を休むことを「甘え」ととらえ、心身の不調を押してでも働いてしまいがちですが、休みは労働者に与えられた権利です。
体調不良や家庭の事情などの正当な理由があれば、仕事を休むことは決して甘えではありません。
不調は一日休んだだけでは治らない場合も珍しくなく、休みがちになって気まずいと感じる場合もあるでしょう。
しかし、調子が悪いときにあれこれ気に病むと余計にしんどくなってしまうので、不調なときこそ「休んでいいんだ」と自分の選択を肯定し、まずは心身をゆっくり休めてください。
仕事を休むのは甘えだと考える会社も中には存在するものの、体調やメンタルの調子が悪い状態で仕事をしても業務効率は上がりませんし、上司や同僚に迷惑をかける可能性も高まります。
正当な理由にもかかわらず休みを非難される職場は、無理して続けても心身を病んでしまう恐れもあるので、場合によっては転職を考えてもいいかもしれません。
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迷惑がかからないように、連絡や引継ぎなどはできる限りやっておくと吉です!
休みすぎて上司や同僚との会話が気まずいのですがどうすればいいですか?
休みすぎて上司や同僚との会話が気まずいときは、これまで以上に丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。
気まずい空気は、心を込めて接したり、たくさん会話を重ねたりすれば打破できることが多いです。
復帰してから時間が経ってしまうと、気まずい空気が当たり前になって関係がギクシャクしやすいので、復帰当日から積極的に周囲の人と話すのがポイントです。
ただし、いきなりまったく何事もなかったかのように接するよりは、まずは「休んでしまってすみません」「フォローしてくださってありがとうございました」「今日からまた頑張ります」といったお詫びやお礼の気持ちを伝えてから会話を始めてみてください。そのあとは、笑顔や軽いユーモアを適切に取り入れ、明るくコミュニケーションを取りましょう。
また、他人の業務を手伝って協力的な姿勢を見せるのも、気まずさ解消に効果的です。
自分から話しかけるのが苦手な人でも、業務に関する話であれば自然とコミュニケーションがとりやすいのではないでしょうか。行動から「これから頑張ろうとしている気持ち」が伝わるので、周囲と自然に良好な関係を築いていけるはずです。
子どもの熱などの体調不良で休みすぎると仕事で不利やクビになりますか?
特に小さい子どもは体調を崩しやすいので、体調不良のお子さんを看病するために仕事を早退したり、休まざるをえなかったりすることはよくあります。
近年は以前よりも働きながら子育てをする人への理解が広がってきています。
しかし、会社側の理解が行き届いていないと、子どもの体調不良で休みすぎたのが原因で仕事を外されてしまったり、改善できないなら辞めてほしいといった雰囲気を出されたりする可能性もゼロではありません。
いくら気を付けていても子どもの体調不良は避けられないので、子育て中の人は解雇や退職に追い込まれないように前もって対策しておくのがカギです。
たとえば、前もって看病を頼める親族や知り合いを見つけておく、会社側と契約内容について相談しておくなどして、急な子どもの体調不良時に備えておけるとベストです。
他にも、病児保育に登録しておくという方法もあります。病児保育とは、1日2,000円前後で一時的に病気の子どもを預かってくれる、医療機関と連携した施設です。
利用するためには事前登録が必要な施設が大半なので、もしもの場合に備えて早めに登録しておいてください。
仕事を休みすぎても気まずさを感じる必要はなし!対策はしておくと安心

仕事を休みがちになってしまっても、必要以上に気まずさを感じる必要はありません。
自身の体調不良や子どもの熱といった家庭の事情によって休むのは、法律で認められた労働者の権利です。また、休息が必要なときはしっかり休んだほうが仕事のパフォーマンスも上がります。
もちろん、休み中にフォローしてくれた人に対して感謝やお詫びの心を持つことは大切ですが、気まずいと感じて過剰に委縮してしまうのは逆効果です。
休んでも気まずくならないように、常日頃から職場の人間関係を円滑にし、突発的な休みのときには迅速な連絡・引継ぎを心がけましょう。休むのはお互い様なので、自分が働けるときは、積極的に周りの人の仕事のフォローに入っておくのもおすすめです。
周囲の人と良好な信頼関係が築けていれば、突発的な休みや長期の休みにも理解を示してもらいやすくなり、職場復帰もスムーズに進みます。
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やむを得ず会社を休みすぎてしまうことは誰しもにあり得るので、気まずさを引きずらないようにするのも大事です!