溶接の年収まとめ!稼げる人と稼げない人の特徴と年収アップのコツ

溶接の年収まとめ!稼げる人と稼げない人の特徴と年収アップのコツ

溶接工は、ステンレス・鉄・チタン・アルミといった金属材料を加熱・加圧して接合するのが主な仕事です。
溶接の種類は「融接」「ろう接」「圧接」と3つあり、それぞれ溶接の方法が異なります。

一般的に知られている溶接法と言えば、「アーク溶接」が該当します。
アーク溶接とは、溶接棒と接合する材料の隙間に、温度が約5,000〜20,000℃まで上昇する「アーク放電」を発生させて接合部分を溶かし、溶接する仕組みです。

専門性の高い技術職にあたる溶接工は、一体どれくらい稼げるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、溶接工の平均年収を年齢・性別・地域別で解説します。
稼げる人と稼げない人の違い、給与を上げる方法も紹介するので、収入アップを目指す現役溶接工の方はもちろん、今から溶接工になって稼いでいきたいと考えている方も必見です。

溶接工の平均年収は448万円

溶接工の全国平均年収は約448万円です。
この数字は、「令和5年賃金構造基本統計調査」の「金属溶接・溶断従事者」に記載されている月給31万円、年間賞与76.5万円の数値を参考に算出しています。

上記の平均年収額をもとに溶接工の生涯年収を計算すると、約1億7,024万円です。
※生涯年収額は大学卒業後の22歳から定年の60歳までの38年間、溶接工として同一企業に勤務し続けた場合を想定。

なお、溶接工の年収がピークに達するのは50〜54歳で、この年代の年収は547.45万円というデータが出ています。
溶接工の年収は、勤続年数の長さに応じて上がる傾向があるため、実務を通して得た経験やスキルが年収アップのカギと言えます。

参考:
e-State政府統計の総合窓口「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」(参照 2024-06-014)
職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「溶接工」(参照 2024-06-14)

溶接工の収入内訳

溶接工の収入内訳は「基本給+賞与+諸手当」で構成されることが多く、他職種と大きな違いはありません。諸手当の内容は企業によって異なりますが、残業手当、資格手当、通勤手当、家族手当、住宅手当といった手当がつくのが一般的です。

また、管理職に昇進すると役職手当も支給されるので、年収を伸ばしたいなら社内で実績を積み上げてキャリアアップを狙うのも一つの手と言えます。

なお、溶接工の主な就職先は「建設現場」または「製造工場」です。
現場や工場によっては夜勤があることも珍しくなく、この場合は深夜手当もつきます。
深夜手当は、1時間当たりの賃金に25%以上が割り増しされ、経験やスキルを問わず対象者全員に支給されます。

そのため「実務経験は少ないけど、できるだけ早く年収を上げたい」という方は、夜勤のある企業を選ぶのもおすすめです。

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【年齢別】溶接工の平均年収

溶接工の平均年収を年齢別で見た場合、推移の動きがやや変動しているものの、ピーク時にあたる50〜54歳までは、年齢を重ねるごとに高くなっています。

年齢

平均年収

20~24歳

325.01万円

25~29歳

365.45万円

30~34歳

426.94万円

35~39歳

471.02万円

40~44歳

507.19万円

45~49歳

494.78万円

50~54歳

547.45万円

55~59歳

496.98万円

参照元:職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「溶接工」(参照 2024-06-14)

未経験者が溶接工で働き始めると、最初は見習いからスタートします。
見習い期間中は、どうしても給与を低く設定されてしまうため、未経験者の割合を大きく占める「20~24歳」「25~29歳」の平均年収は300万円代です。

しかし、溶接工の見習い期間は3年程度と言われており、経験を積んで高いスキルを習得できた30代・40代・50代になると、平均年収は400〜500万円代に上がります。
溶接工は、一人前のスキルさえ身につけられれば、年齢に関係なく収入も上がり安定しやすい職業です。
 

【性別】溶接工の平均年収

溶接工の年収は性別によって開きがあり、女性よりも男性のほうが収入が高い傾向です。
以下の表では「令和5年賃金構造基本統計調査」に掲載されたデータをもとに「(きまって支給する現金給与額×12カ月)+年間賞与その他特別給与額」の式で、男女ごとの平均年収を算出しました。

性別

平均年収(千円)

きまって支給する現金給与額(千円)

年間賞与その他特別給与額(千円)

男女計

4,484

309.9

765.2

4,530

312.8

776.4

3,393

241.2

498.6

参照元:e-State政府統計の総合窓口「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」(参照 2024-06-14)

男性溶接工の平均年収が453万円なのに対し、女性溶接工の平均年収は339.3万円であり、その差は113.7万円と開いています。

溶接工で働く人の男女の割合は、男性が9割以上で女性は1割未満と言われており、圧倒的な男性中心の業界であることから、どうしても性別による収入差が生じやすいです。

また女性は妊娠出産、子育てといった家庭の事情で溶接工としてのキャリアが途絶えやすい点も、平均年収が低くなる一因と考えられます。
 

【地域別】溶接工の平均年収

溶接工の年収は、地域の需要や経済状況に応じても異なります。
下記の表では、東京都と政令指定都市のある道府県における溶接工の平均年収を比較しました。

都道府県

平均年収

北海道

480万円

宮城県

405.3万円

東京都

421万円

埼玉県

470.9万円

千葉県

418.8万円

神奈川県

424.7万円

新潟県

445万円

静岡県

548.7万円

愛知県

451.7万円

京都府

450.5万円

大阪府

535.6万円

兵庫県

549.3万円

岡山県

475.1万円

広島県

450.7万円

福岡県

449万円

熊本県

464.3万円

参照元:職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「溶接工」(参照 2024-06-14)

溶接工の平均年収が最も高い地域は兵庫県の549.3万円、最も低い地域は宮城県の405.3万円でした。
2つの県の間には144万円もの年収差があり、年収アップを狙うなら「働くエリア」も慎重に検討するべきだとわかります。

 

溶接工の平均年収が低いと言われる理由

溶接工の仕事に対して、「給料が安い」「年収が低い」という印象を持つ人が多いです。
しかし、溶接工の平均年収は448万円であり、全給与所得者の平均年収が458万円である点を踏まえると、決して稼げない職業ではありません。

それでも溶接工の平均年収が低いと言われる理由として、以下の2つの理由が挙げられます。

  • 見習い期間中の収入が低いため
  • 重労働の対価が見合ってないと感じるため

先述した通り、未経験者が溶接工として採用された後、しばらくの間は「見習い」として働くのが一般的です。
見習い期間中は、給与を低めに設定されており、会社の規模によっては賞与も出ない場合もあるため、溶接工全体の平均年収を下げる一因になっています。

また、溶接工の仕事は重労働かつ危険が伴う職業です。
たとえばアーク溶接の場合、作業中は火花が散るので長袖を着用します。
作業現場が高温なのも相まって、入念に対策をしないと熱中症にかかったり、溶接棒が体に触れてやけどや感電をしたりするといったリスクが生じます。

くわえて、無理な姿勢で作業を続けたり、重いものを運んだりする機会が多く、腰痛を患うケースも少なくありません。
このように、過酷な労働環境の割に得られる収入が少ないと感じる人が多いため、溶接工は年収が低いと言われています。

参考:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」(参照 2024-06-03)

 

溶接工で稼げる人・稼げない人

溶接工として高収入を得るためには、以下のスキルを身につける必要があります。

  • 集中力
  • 手先の器用さ
  • コミュニケーションスキル
  • 機械の操作スキル
  • 体力

上記のスキルを踏まえて、溶接工で稼げる人と稼げない人の特徴をまとめました。

溶接工で稼げる人

溶接工で稼げない人

細かい作業が得意な人

協調性がない人

根気強い人

集中力がない人

向上心がある人

体が弱い人

溶接の仕事は、主に切断・接合・磨き・塗装があり、どれも長時間細かい作業を行うことを求められます。そのため、手先が器用で根気強い人に向いています。また、溶接工はスキルを磨けば磨くほど高収入を得やすいのが特徴です。

独立できるほどの技術力を持つ人は、常にスキルアップを目指して学び続けられるほど、溶接の仕事にのめり込む傾向があります。
さまざまな種類の溶接の資格を取得するのはもちろんのこと、どうやって技術力を高めていくべきか考えている向上心のある人は、溶接工として稼げる可能性が高いです。

そして、溶接工はチームで作業する場合が多いので、周囲と協力するためのコミュニケーションスキルがないと、長く活躍するのは難しいと言えます。

さらに、取り扱う材料によっては重い金属を持つ機会が多かったり、基本的に立ち仕事だったりするため、それらに耐えられる体力も必要です。
くわえて、アーク溶接の作業中に「アーク光」と呼ばれる強い光を浴びたり、溶接機を動かす際に爆音を聞き続けたり、目や耳に負担がかかりやすい労働環境である点も懸念されています。

このように、溶接工は体力面でも健康面でもリスクを伴うため、体が弱い人には不向きです。

 

溶接工で年収・給与を上げるポイント

溶接工で年収・給与を上げる具体的な方法は、以下の通りです。

  • 溶接関連の資格を取得してスキルを高める
  • 専門性の高い分野の溶接工事に携わる
  • 待遇の良い会社に転職する
  • 一人親方として独立する

稼げる溶接工になるためには、溶接関連のさまざまな資格を取得してスキルを磨き、重宝される人材になることが大切です。

また、より高い専門性を求められる溶接の仕事を担当できれば、転職活動で有利に進められたり、独立後も仕事の依頼が絶えなかったりして、大幅な収入アップが目指せます。
溶接工が年収を上げるポイントについて一つずつ解説していくので、ぜひ参考にしてください。
 

溶接関連の資格を取得してスキルを高める

溶接工の年収を増やすのであれば、溶接関連の資格を取得してスキルを高めることが有効です。
資格を取れば、できる業務の幅が広がるのはもちろん、知識やスキルが可視化されて評価が上がり、昇給や昇進がしやすくなるのがメリットです。

とは言え、溶接関連の資格は、民間資格・国家資格を問わずたくさんあります。
今回は、溶接のスキルを高めていくうえで必須もしくはおすすめの資格をいくつか紹介しつつ、稼げる溶接工になるために求められるスキルも併せて解説していきます。
 

「アーク溶接」と「ガス溶接」は働く前に取得必須の資格がある

「アーク溶接」または「ガス溶接」に従事する場合、働く前に取得を義務付けられている資格があるので、取得条件やできるようになる業務などをチェックしましょう。

資格名

必要条件

できるようになる作業

アーク溶接等特別教育

満18歳以上

手アーク溶接、半自動アーク溶接、自動溶接

ガス溶接作業者

満18歳以上

可燃性ガス及び酸素混合ガスを使用した溶接・溶断

アーク溶接等特別教育は3日間、ガス溶接作業者は2日間の講習を経て試験に合格すれば、業務に従事できるようになります。
どちらも難易度はそれほど高くなく、真面目に講習を受けていれば合格できるレベルです。
 

JIS溶接技能者は高度なスキルを持っていることを証明できる

できる業務の幅が広がるわけではありませんが、収入アップを目指すなら「JIS溶接技能者」の取得もおすすめです。

JIS溶接技能者とは、鋼構造物の製作工程において溶接作業をするための民間資格を指します。
JIS(日本産業規格)・WES(日本溶接協会規格)などに基づいた評価試験に合格できれば、溶接技能者としてのスキルを証明することが可能です。

JIS溶接技能者の資格は、対象の材料、溶接方法、溶接姿勢、溶接継手、開先形状、裏当て金の有無によって細分化されています。
※溶接姿勢は、「基本級(下向き)」と「専門級(立向き、横向き、上向き、水平・鉛直固定)」で表記されるのが一般的です。

さらに、資格の項目は、すべて英数字で表記されているのも特徴です。

ここでは、「TN-F(Tig溶接の基本級)」と「N-2F(被覆アーク溶接の基本級)」の受験資格や資格の特徴をまとめてみました。

資格名

必要条件

特徴

JIS溶接技能者(TN-F)

15歳以上かつ溶接経験1ヶ月以上

薄板ステンレスにおいて、溶接姿勢が下向きの状態で高度な作業ができることを証明する資格

JIS溶接技能者(N-2F)

  • 15歳以上
  • 溶接経験1ヶ月以上
  • 「アーク溶接等特別教育」を取得していることが望ましい

手溶接において、溶接姿勢が下向きの状態で高度な作業ができることを証明する資格

なお、専門級のスキルも求められる「T-1F,P(Tig溶接での裏波溶接)」と「N-2V,P(被覆アーク溶接の技能資格)」の難易度はかなり高く、合格できればキャリアを築きやすくなります。
 

携わりたい分野や築きたいキャリアに合った溶接の資格を取得する

今後携わりたい分野や築きたいキャリアに応じて、取得する資格を選ぶのもありです。
今回は、ボイラー溶接を行う工場で働く人に適している「ボイラー溶接士」と、建築現場や工場の指導役や管理職になりたい人にぴったりの「溶接作業指導者」の2つをご紹介します。

資格名

必要条件

特徴

ボイラー溶接士
(普通ボイラー溶接士の場合)

溶接経験1年以上
(ガス溶接・自動溶接を除く)

ボイラーの製造・修理溶接、第一種圧力容器や重機・自動車部品の溶接作業ができる
(普通ボイラー溶接士は、溶接部が厚さ25mm以下のフランジ・菅台の溶接が可)

溶接作業指導者



  • 満25 歳以上
  • 手溶接、チタン、アルミニウム、ステンレス、半自動または、適格性証明書を発行する技能検定の資格保有者
  • 管の突合せ継手で裏当て金なしの資格保有期間が3年以上
  • 板の突合せ継手で裏当て金なしの下向き以外の異なる2つ以上の溶接姿勢の資格保有期間がそれぞれ3年以上
  • 下向以外の姿勢の資格保有期間が通算9年以上

溶接作業員の指導役を担えるスキルを有することを証明できる

どちらの資格も、溶接工歴4年目以降から取得を検討する人が多いです。
約3年間に及ぶ見習い期間を経た後、さらなるキャリアアップを目指してより専門的な資格を取っていきましょう。
 

図面の展開から製品の仕上げまですべて行えるスキルを習得する

稼げる溶接工を目指すうえで習得しておきたいスキルは、「図面の展開、素材の加工、溶接、製品の仕上げなど一貫して行えること」です。

一つの製品を作る工程として、主に「図面の展開」「素材の加工」「溶接作業」「製品の仕上げ」が挙げられます。
それぞれに専門職が存在するほど、多くの知識やスキルの習得が求められますが、これらをすべて一人でこなせるようになれれば、社内でも一目を置かれる存在になれます。

なお、図面を展開する時は、「CAD」を使用する場合が多いです。
CADとは、パソコン上で設計および製図を行うためのツールのことで、正式名称は「Computer Aided Design」と呼びます。

溶接の図面は、溶接の仕方を指示する「溶接記号」を使って作成するのが特徴です。
CADで図面を展開できる人は、何十通りもの溶接記号を理解しているため、おのずと図面をスムーズに読めるスキルも習得できるメリットもあります。
 

専門性の高い分野の溶接工事に携わる

専門性の高い分野の溶接工事に携わることも、溶接工が年収を上げる方法の一つです。
溶接工のなかでも特に専門的な知識や技術が求められる分野で働けば、需要の高い人材として会社から重宝されるため、大幅な収入アップが期待できます。

専門性が高く稼ぎやすい溶接の仕事は以下の通りです。

溶接の種類

仕事内容

年収相場

水中溶接

川・海・湖・ダム・プールなど水に関係する場所や建造、メンテナンスなどに携わり、水中で溶接作業を行う。

年収1,000~1,500万円程度

配管溶接

住宅設備・建設現場・工事現場・ビルなどさまざまな現場や施設で、水道管・ガス管・エアコンの冷媒配管といった配管の溶接作業を行う。

年収1,000万円程度

高所溶接

主にビルや塔など100m以上の高層建築物で溶接作業を行う。

年収1,000万円程度

航空宇宙

ロケット・宇宙船・人工衛星・航空機といった航空宇宙機器の溶接作業を行う。

年収800万円程度

造船溶接

主に造船所で、船舶の各ブロックを組み立てる際の溶接作業を行う。

年収600~700万円程度

どの溶接工も、高所や閉所など特殊な場所で作業することがほとんどで、さらに一般的な溶接工よりワンランク上の技術力が求められるのが特徴です。
そして、溶接の分野によっては、溶接とは異なるジャンルの資格を取らなければいけないケースもあります。

たとえば、水中溶接の場合、国家資格である「潜水士」の資格が必須です。
また、航空宇宙の溶接工は、あらかじめ航空専門学校や航空工学科がある大学・短期大学で航空宇宙工学について学んでおく必要があります。

このように、専門性の高い分野の溶接工事に携わるためには、段階を踏んで知識や技術を習得しなければいけないため、最初のうちに将来どの分野に進みたいのか決めておくことが大切です。
 

待遇の良い会社に転職する

溶接工は、企業によって見習い期間の長さや評価の基準が異なり、場合によってはスキルを身につけてもなかなか年収が上がらないこともあります。

積極的にスキルを磨いても、納得のいく収入を得られない状況が続くのであれば、今の職場より待遇の良い会社への転職を検討しましょう。
きちんとした実績や資格を提示できれば、高いスキルを持つ溶接工として会社から高く評価され、転職活動が有利に進みます。

待遇の良い会社の溶接工の求人を探すコツは、自分が目指すキャリアに近づけられるような待遇を受けられるかどうかチェックすることです。
たとえば、会社によっては幹部候補としての採用を前提とした求人を出しているケースがあります。
そのような会社に転職できれば、初めから裁量権を持って働けたり、幹部を目指すうえで必要なスキルを教えてもらえたりするため、目的が達成しやすくなります。

ただ基本給や賞与といった給与面ばかりに目を向けるのではなく、会社の方針と自分の将来のビジョンがマッチしているかどうかも考慮して、自分に合った溶接工の求人を探してみてください。
 

一人親方として独立する

一人親方として独立すれば、実力次第で会社員時代より大幅な年収アップが期待できます。
専門職である溶接工は、「確かな技術力」「豊富な実績」「案件を受注するための営業スキル」さえあれば、独立しやすい職業です。

ただし、独立するためには、事前に開業資金を貯めておくことや、その他独立するうえで必要な手続きをする必要があります。
溶接工の場合、溶接機や運搬用のトラックといった機材の購入費用や、電気代・ガス代をはじめとした固定費などを合算すると、約700万円程度の開業資金を用意しなければいけないと言われています。

会社から独立する際は、国民年金保険や国民年金への切り替えを忘れずに行うのはもちろん、労災保険に入っておくのも必須です。
建設業には、一人親方向けの労災保険が存在しており、溶接工として独立する人も加入できます。

また、労災保険の未加入者は現場入りを許可しない元請も少なくないため、独立した溶接工が稼ぐうえで加入は必要不可欠と言えます。

一人親方としての独立は、老後も溶接工の仕事を続けたい方にとってぴったりな働き方なので、生涯年収を上げていきたい方は挑戦してみてください。

 

年収の高い溶接工の求人を探すなら?

ここからは、年収アップが目指せる溶接工の求人サイトや転職支援サービスを紹介します。

工場ワークス

求人一覧を給与順に並び変えできるため、年収が高い企業を一目で見つけられる、工場・製造業に特化した求人サイトです。

工場求人ナビ

未経験OK・経験者向けといったさまざまな求人を取り扱う、工場・製造系専門の採用サイトです。

コウジョウ転職

「高収入」「正社員」にこだわり、東証一部上場企業や大手メーカーの求人を多く掲載している転職支援サービスです。

工場・製造系に特化した転職サービスを利用する最大の利点は、業界に精通したスタッフのサポートが受けられることです。
業界の転職動向や企業の実情を教えてもらえたり、不安や疑問があればすぐ相談できたりするため、一人で行うよりも有利に転職活動を進められるメリットがあります。

また、自分の希望年収とマッチする企業をスタッフが厳選して紹介してもらえる場合もあるので、求人を探す手間がかかりにくいのも魅力です。

 

溶接工以外だと未経験でも年収1,000万円を目指せるナイト系もおすすめ!

前述した通り、日本の全給与所得者の平均年収と比較しても、溶接工の年収は著しく低いわけではありません。

しかし、専門職であるがゆえに求められるスキルの基準値が高く、くわえて重労働の割に年収が見合っているとは言い切れないため、「努力した分がしっかり給与に還元される職業に就きたい」と考える方もいます。

スピーディーに高収入を狙うなら、年収1,000万円も目指せるナイト系の仕事に転職するのもおすすめです。
ナイト系の仕事は、学歴や資格・経験の有無を問わず高校生を除く18歳以上であれば応募できます。

また、成果がすぐに収入や評価に直結しやすいのも特徴で、実際に業界未経験で転職して、短期間で昇給・昇進した人がたくさんいます。
ナイト系の職種は、店舗スタッフ、送迎ドライバー、Web運営など幅広く、自分に合った仕事が見つかる可能性が高いです。

  • 年収アップを目指すなら、ぜひナイト系の求人もチェックしてみてください!

 

溶接工で稼ぐにはスキルの高さや資格の取得などが重要!

溶接工として年収を上げるためには、高いスキルを習得したりそのスキルを証明できる資格の取得がカギになってきます。

あらためて、稼げる溶接工になるうえで覚えておくべきポイントを押さえておきましょう。

  • 溶接関連の資格を取得してスキルを高める
  • 専門性の高い分野の溶接工事に携わる
  • 待遇の良い会社に転職する
  • 一人親方として独立する

溶接工は、技術力と実績があればあるほど長く活躍できる業界です。

  • 常に溶接のスキルを磨き続けることを忘れず、着実に実績を積み上げていきましょう!

著者情報

シュウジ
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兵庫県生まれ。都内の私立大学卒業後、パチンコにハマって単位を落とすも、一浪して大学を卒業。派遣社員として工場で働きながら、副業としてナイト系ドライバーやせどりを始める。
本業に嫌気がさし、転職を決意し資格取得に励む。奇跡的に大手人材会社に入社し、給料が倍になり人生が変わる。人材業界でさまざまな職業や経歴を持つ人々との交流を通じて知識を蓄え、2023年にブログ「仕事図鑑」を開設。