秘書の年収まとめ!稼げる人と稼げない人の特徴と年収アップのコツ

秘書の年収まとめ!稼げる人と稼げない人の特徴と年収アップのコツ

秘書の仕事で多くの方が思い浮かべるのは、経営者を補佐するプロフェッショナルな姿ではないでしょうか。そんな秘書の仕事内容と収入が見合っているのかどうかが気になるところです。

本記事では、秘書の平均年収を年齢別や地域別、性別で紹介しつつ、秘書として収入を増やす方法もいくつか解説します。

  • これから秘書を目指す方や、すでに秘書として働いているなかで今より稼ぎたいと考える方に役立つ情報が満載です!

秘書の平均年収は520万円

「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、秘書の平均年収は520万円という統計が出ています。

また、生涯年収を計算すると、約1億9,760万円です。
(※大学卒業後に同一企業で22歳から60歳まで38年間勤務した場合)

国税庁の調査によると、給与所得者全体の平均年収は458万円であることから、全職種のなかでも秘書の年収は高めです。

年齢別では、50~54歳で年収がピークとなり、650万円を超えます。また、秘書の所定内給与額別の人数割合は、月収20~21.9万円の人が最も高い割合を占めています。

しかし、秘書の年収は働き方や職務内容によって大きく変わるため、このデータは参考程度でご覧ください。

参考:職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「秘書」(参照 2024-01-12)

秘書の収入内訳

秘書の収入内訳は、主に基本給、賞与、手当で構成されている企業が多いです。

ただし、秘書として携わる業務内容によっては、深夜労働手当以外の残業代がもらえない点に注意が必要です。

労働基準法第41条には、「機密の事務を取り扱う者(機密事務取扱者)」に対して残業代を支払う必要がない記載があり、主に社長秘書や役員秘書はこの条件に該当する可能性があります。

機密事務取扱者の判断基準は、経営者と近い立場であるかどうかによります。常に経営者の行動に合わせて働き、突発的な業務も出てくることから、「時間外労働や休日という概念がない=残業代を支給する必要がない」と認識されています。

機密事務取扱者に該当する秘書は、残業代が支払われない代わりに、基本給に残業代相当の金額が上乗せされるのが一般的です。

とは言え、弁護士秘書、学者秘書、医療秘書、秘書室長の指示の下で働く秘書など、スケジュール管理や雑務の業務がメインの職業は、経営者と近い立場とはみなされず、機密事務取扱者に該当しないケースがほとんどです。

機密事務取扱者に当てはまらない秘書は、当然残業代をもらう義務があるものの、この仕組みを盾にして残業代を出さない企業も存在します。

秘書として働きたい時は、企業の求人情報から残業代が出るかどうか必ず確認しましょう。

参考:「労働基準法 | e-Gov法令検索」(参照 2024-01-12)

【年齢別】秘書の平均年収

秘書の平均年収は、入社直後にあたる20~24歳はやや低めであるものの、年齢が上がるにつれて年収も増加する傾向にあります。

年齢

平均年収

20~24歳

284.2万円

25~29歳

428.03万円

30~34歳

476.65万円

35~39歳

510.4万円

40~44歳

535.87万円

45~49歳

520.55万円

50~54歳

650.01万円

55~59歳

609.39万円

参照元:職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「秘書」(参照 2024-01-12)

秘書の平均年収のピークは50~54歳の650.01万円である点を踏まえると、経験や実績が高ければ高いほど収入が上がりやすいのがうかがえます。

【性別】秘書の平均年収

秘書の平均年収を男女別で確認すると、男性秘書の方が女性秘書よりも平均年収が100万以上高い結果が出ています。

なお、平均年収は「きまって支給する現金給与額×12カ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

性別

平均年収

(千円)

きまって支給する現金給与額

(千円)

年間賞与その他特別給与額

(千円)

男女計

5200.4

350.6

993.2

6153.3

398.9

1366.5

5068.3

343.9

941.5

参照元:e-State政府統計の総合窓口「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」(参照 2024-01-12)

年収は企業や携わる業務によって異なるものの、秘書として働きたい場合は、性別によって収入差が発生する可能性がある点を考慮して、キャリアプランを練ることが重要です。

【地域別】秘書の平均年収

秘書の収入水準は、各地域の経済状況や市場に応じて異なる傾向にあります。

東京都と政令指定都市のある道府県の平均年収を比較した結果が以下の通りです。

都道府県

平均年収

北海道

402万円

宮城県

565.2万円

東京都

623.1万円

埼玉県

359.1万円

千葉県

613.3万円

神奈川県

494.7万円

新潟県

453.3万円

静岡県

525.9万円

愛知県

419.1万円

京都府

527.8万円

大阪府

555.5万円

兵庫県

616.9万円

岡山県

326.9万円

広島県

439.9万円

福岡県

294.1万円

熊本県

474.7万円

参照元:職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「秘書」(参照 2024-01-12)

最も平均年収が高い東京都は623.1万円、最も平均年収が低い福岡県は294.1万円と、約329万円の収入差が出ている結果となりました。

秘書で年収アップを狙う際は、なるべく収入水準が高い地域で働くことを視野に入れてみてください。

秘書の平均年収が高いと言われる理由

秘書の平均年収が高いと言われる理由は、主に下記の4点が挙げられます。

【秘書の平均年収が高いと言われる理由】

  • 高いスキルや対応力が必要不可欠だから
  • 重役のサポート業務のためミスが許されない業務が多いから
  • 常に臨機応変の対応を求められるから
  • 残業代込みの基本給が設定されていることが多いから


秘書の年収が高いとされる背景には、重役のサポート役として責任が重い業務が多く、それに見合った高いスキルや対応力が必要であることが関係しています。また、「機密の事務を取り扱う者」に該当する秘書は、残業代込みの基本給に設定されているケースが多いのも理由のひとつです。
なお、より専門的な知識が求められる分野の秘書の存在も秘書全体の平均年収を押し上げる要因となっています。
たとえば、国会や地方議員の秘書、大企業の役員秘書、外資系企業の秘書、弁護士事務所や法律事務所の秘書など、秘書のスキルに加えて専門分野の知識も必要な仕事は、その分年収も高くなる傾向があります。
秘書として高収入を目指したいのであれば、秘書のなかでも特に高いスキルと知識が必須の職種を狙うのもありです。

秘書で稼げる人・稼げない人

秘書として高収入を得るためには、以下の能力が求められます。

icon参考

【秘書として求められる能力】
・高いコミュニケーション能力
・事務能力
・OAスキル
・ビジネスマナー
・情報収集能力

また、専門性のある秘書の場合は、さらに業界知識や語学力なども必要です。

これらの求められる能力を踏まえて、秘書で稼げる人と稼げない人の特徴をそれぞれ表でまとめてみました。

秘書で稼げる人

秘書で稼げない人

特徴1:管理業務が得意な人

特徴1:時間管理が苦手な人

特徴2:物事の優先順位を冷静に判断できる人

特徴2:コミュニケーションが苦手な人

特徴3:気遣いができる人

特徴3:感情的な対応をする人

特徴4:守秘義務を守れる人

特徴4:自分の都合を優先したい人

特徴5:裏方での業務が好きな人

特徴5:臨機応変な対応が苦手な人

向き不向きがあるとは言え、日々の業務に真摯に取り組むのはもちろん、自己研鑽と経験の積み重ねが収入アップの近道と言えます。

秘書で年収・給与を上げるポイント

ここからは、秘書として働きながら年収・給与を上げていくためのポイントを解説します。同じ「秘書」という仕事でも、働き方や習得したスキル、職場環境などによって年収が大きく変わっていきます。

秘書で年収・給与を上げるポイントは以下の4つです。

iconポイント

【秘書で年収・給与を上げるポイント】
・秘書としての実務経験を積む
・秘書の業務に直結する専門スキル・資格を取得する
・語学力を向上させる
・高収入を得られる職場へ転職する

これから秘書に転職しようと考えている場合はもちろん、既に秘書として活躍している方でさらなる収入アップを目指したい場合にも役立つ内容なので、ぜひ参考にしてみてください。

ポイント1:秘書としての実務経験を積む

秘書として高収入を目指すためには、多くの実務経験を積んでいるかどうかが重要です。

秘書の仕事はイレギュラー対応が多いので、単純にスキルや知識を持つだけでは収入アップが難しく、実務の中で遭遇するトラブル対応や管理業務を通じて経験値を高める必要があります

まずは未経験OKの企業に入社して、秘書としての経験を積むことが年収アップやキャリアアップの基本となります。

未経験可の秘書の仕事は、一般事務に近い業務が多く、最初から自分が理想とする秘書の仕事ができるとは限りません。しかし、秘書としての実践を積み重ねることで、より高収入を狙える専門分野の秘書への道に進めるきっかけにつながります。

ポイント2:秘書の業務に直結する専門スキル・資格を取得する

秘書として年収をアップさせるためには、業務に直結する専門スキルや資格の取得も重要です。

自社や業界に関する深い知識、たとえば事業の詳細や業界内での位置づけを理解することは、状況を把握して適切に上司のサポートをしやすくなるので、仕事の質を高めて昇給のチャンスにつなげられます。また、ビジネスマナーの向上も、評価されるうえで欠かせない要素の一つです。

そして、秘書として高い専門性を身につけるには、業務に直接関連する資格を取得するのがおすすめです。弁護士事務所の秘書の場合、法律に関する知識や資格があれば、転職する際に有利に働きます。また、政策秘書を目指す場合は、国家試験である「政策担当秘書資格試験」の合格が望ましいです。

専門分野の知識を身につけることは、現職で将来的にできる仕事の幅を広げるだけでなく、転職市場での価値を高めてくれる手段でもあります。ステップアップに役立つ秘書の資格をまとめたので、ぜひ取得を検討してみてください。

icon参考

▼秘書のステップアップに役に立つ資格
・秘書検定2級以上
・ビジネス実務マナー検定
・ビジネス電話検定
・CBS(国際秘書資格)検定
・日商簿記検定
・パラリーガル認定資格
・政策担当秘書資格試験

ポイント3:語学力を向上させる

秘書のキャリアにおいて、語学力の向上は大きなアドバンテージになり、高収入を得る可能性を高めます。英語などの2カ国の言語を使って働く秘書を指す「バイリンガルセクレタリー」は、特に国際的な業務を扱う企業や外資系企業から重宝されやすい傾向にあります。

外資系企業で秘書として働く場合、英語スキルは必須です。また、海外展開している企業や海外の企業と取引がある日系企業に勤める秘書も、英語をはじめとする外国語能力が求められる場合もあります。

語学力を高めることで、専門的なスキルを習得した秘書として、より年収が高い企業への転職につながります。

英語力を証明するのに役立つ資格を企業から評価されやすい基準と併せてまとめました。以下の基準に該当する方は、自身の英語力を活かせる秘書の仕事に転職すれば、さらなる収入アップが狙える可能性が高いです。

icon参考

▼英語力を証明するのに役に立つ資格と基準
TOEIC:800点以上が目安
TOEFL<IBT>:80点以上が目安
英検:準1級・1級が目安

ポイント4:高収入を得られる職場へ転職する

年収アップを目指すのであれば、一定の実務経験やスキルを身につけた後、より高収入を得られる職場へ転職する方法がおすすめです。

秘書の年収は職場や上司の役職、立場によって大きく異なります。

たとえば、大手企業や外資系企業、特定の専門分野を持つ企業の秘書は、専門的なスキルや高度な語学力、優れたコミュニケーション能力などが要求される傾向があるため、一般的な秘書に比べて報酬が高めに設定されています。

転職を検討する際には、自身の経験やスキルを見極め、それに合った企業を選ぶことが重要です。また、キャリアアップや年収アップを目指す場合、専門分野の深化や新たな資格の取得など、自己の価値を高める努力も欠かせません。

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秘書で稼ぐにはスキルや実務経験が重要!

秘書は、専門スキルや実務経験が求められる仕事で、他の職種に比べて年収が高い傾向があります。さらに稼げる秘書になるためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。

iconポイント

【秘書として稼ぐポイントのおさらい】
・実務経験を重ねてトラブル対応能力や管理業務などのスキルを上げる
・秘書の業務に直結する専門スキルや資格を取得して昇給のチャンスを高める
・英語をはじめとした国際的なビジネスで活躍できるレベルの語学力を身につけて、秘書としての価値を高める
・求められる実務経験やスキルを習得できた段階で、さらに年収が高い職場へ転職する

常にスキルアップとキャリアアップに励むことが、稼げる秘書になるための近道です。

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著者情報

シュウジ
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兵庫県生まれ。都内の私立大学卒業後、パチンコにハマって単位を落とすも、一浪して大学を卒業。派遣社員として工場で働きながら、副業としてナイト系ドライバーやせどりを始める。
本業に嫌気がさし、転職を決意し資格取得に励む。奇跡的に大手人材会社に入社し、給料が倍になり人生が変わる。人材業界でさまざまな職業や経歴を持つ人々との交流を通じて知識を蓄え、2023年にブログ「仕事図鑑」を開設。