性格的に合わない仕事は辞めていい！その理由と対策、退職前にすべきこと

このように、今の仕事が性格的に合っていないんじゃないかと思い悩む方が多いです。

性格的に合わない仕事を無理に続けてしまうと、ご自身が精神的にも肉体的にも取り返しのつかない事態に陥ってしまうかもしれません。そのため、合わないと感じた仕事は辞めてしまうのが賢明です。

今回は、性格的に合わない仕事を辞めてもいい理由や辞める前に考えなければいけないことなどを詳しくご紹介していきます。

仕事が性格的に合わないと感じるタイミングや自分に合った仕事を探すポイントなども併せて解説しているので、仕事に思い悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

「この仕事は性格的に合わない」と感じるタイミング5選

厚生労働省が公開した「令和2年転職者実態調査」によると、転職者全体の76.6%が「自己都合」を理由に転職しています。

自己都合の理由を深堀すると、「満足のいく仕事内容でなかったから（26.0%）」「人間関係がうまくいかなかったから（23.0%）」「安全や衛生等の職場環境がよくならなかったから（10.2%）」など、性格によって左右されやすい理由が全体の半分以上を占める結果になりました。

実際、働き出してから時間が経つにつれて、以下のように「この仕事は性格的に合わない」と感じるタイミングが出てきます。

参考：厚生労働省「令和２年転職者実態調査」（参考 2023-12-19）

①努力をしても結果に結びつかない時

自分では頑張って仕事に取り組んでいるつもりでも、なかなか結果が出せなかった場合、「この仕事は自分に向いていないかも」と感じてしまう人が多いです。

まったく実績を出せなかった時はもちろんのこと、上司の指示に従い、業務全体が円滑に進むように努力しているにもかかわらず自分が評価されない現実に、モチベーションが下がってしまうのも仕方がありません。

真面目に取り組んでいるのに結果に結びつかない人は、仕事への取り組み方を工夫すれば改善される可能性があります。

真面目に働いている人が結果を出すために取り組むべき対策は以下の通りです。

とは言え、結果を出せるように十分努力したことを踏まえて、それでも性格的に合わないと感じた時は、無理せず転職先を探すことも視野に入れてみてください。

②仕事内容に苦手意識を感じた時

仕事内容に苦手意識を感じた時、「自分には向いていない」と感じる場合が多いです。最初のうちは「努力すればなんとかなる！」と思っても、何度も同じ失敗を重ねるにつれて、仕事に対する自信を失ってしまいがちです。

苦手意識を感じる仕事に取り組むのは、精神的にも肉体的にもつらいことです。それを毎日おこなうわけですから、自分には合わない仕事だと判断するのも無理はありません。

ここでは仕事で苦手意識を感じる具体例と克服するための対策を表でまとめてみました。

また、苦手な業務ばかりに目を向けるより、得意な業務を極めていくことも大切です。たとえ苦手な業務をある程度克服できたとしても、その業務が得意な人のスキルに追いつくのは難しいと言えます。

それならば、最初から自分の得意なスキルを伸ばしていったほうが、周囲からの評価が良くなり仕事への意欲も取り戻せるかもしれません。

③仕事に対してやりがいを感じない時

仕事にやりがいを感じられないと、仕事への興味や意欲も失われていき、自分にとって合わない仕事だと判断しがちです。やりがいのない仕事を続けていくと、集中力の低下によるミスを連発して自己肯定感が低くなってしまう可能性があります。

仕事にやりがいを感じない主な原因は以下の通りです。

心身に支障をきたす前に、これらの原因に当てはまっていないか確認したうえで、以下のような形で改善に取り組んでみるのがおすすめです。

どの改善策も、自分から行動しているといった共通点があります。仕事にやりがいを見出すために、仕事に対してポジティブに向き合いつつ、自分なりの目標を見つけるのがコツです。

とは言え、仕事内容そのものが性格的に合わなかったり、職場の居心地が悪かったりと、いくつもの原因が重なってやりがいを感じられなくなっている場合は、思い切って転職してみるのもありです。

④職場の雰囲気や人間関係が合わないと感じた時

職場の雰囲気や人間関係に不満がある人は、仕事が嫌になるどころか会社に行くことすら億劫になってしまいます。

仕事に集中して取り組める職場環境と業務をスムーズに進められる人間関係の構築は、どちらも長く働くうえで欠かせない要素です。

どちらか一方でも問題があれば、仕事に対するモチベーションの低下につながるため、「この仕事は自分の性格と合わない」と感じてしまうのも仕方がありません。

職場の雰囲気や人間関係で悩んだ時は、まずは信頼できる家族や友人に相談するのがおすすめです。一人で解決しようとすると、やり方次第では余計に自分自身を苦しめる結果になります。相談相手がいるうちは、悩みを打ち明けるのが賢明です。

もし身近に相談相手がおらず、職場に対して法律の基準を超える残業時間の是正やセクハラやパワハラの改善を求めている場合は、社内の相談窓口もしくは全国の労働局・労働基準監督署に相談する方法もあります。労働局や労働基準監督署は、電話やメールでの無料相談を受付しているところが多く匿名も可能です。

ただし、確実な証拠が提示できないと動いてもらえなかったり、たとえ証拠がそろっていたとしても対処してもらうまでに時間がかかったりする恐れがあります。今の職場にそこまでの労力を割く時間がない方は、転職を検討してみるのもおすすめです。

⑤企業理念や社風が合わないと感じた時

在職中の会社の企業理念や社風を気にしない人もいるかもしれませんが、どちらも実は快適に働くうえで重要なポイントの一つです。

たとえば、お客様第一主義を企業理念に掲げる会社のなかには、勤務時間や休日に関係なく顧客優先で働く社員を高く評価する会社も存在します。

仕事を頑張れば頑張るほど昇給や昇格が期待できる点に魅力を感じる人もいる一方で、時にはプライベートを犠牲にして働かなければ会社から評価されない環境に疑問を抱く人もいます。

社風は企業理念に基づいて定着していくものなので、今後変わる可能性はほとんどありません。そのため、企業理念が自分の価値観と一致しないと感じた時点で理想の働き方は難しいと言えます。

企業理念や社風が合わない会社だと気づいた人は、早めに転職するのが賢明です。

「性格的に合わない仕事」を辞めてもいい５つの理由

ここからは、「性格的に合わない仕事」を辞めていい理由を5つご紹介していきます。

①仕事には向き不向きが存在するから

大前提として、誰しも向き不向きの仕事があります。

厚生労働省が公表した「第5回改定厚生労働省編職業分類」によると、日本には「18,725種類」もの職業が存在することが分かっています。10,000種類以上の職業の中から、自分の性格に合った「天職」を見つけるのは容易なことではありません。

そのため、今の仕事が性格的に合わないと感じた時、自分の努力不足やスキル不足を責めるのではなく、「単に自分に向いていない仕事を選んでしまっただけ」と割り切るマインドが大切です。

今の仕事を続けることばかりに固執せず、さまざまな業界の情報をインプットしながら自分に適した仕事を探していきましょう。

参考：労働政策研究・研修機構「第5回改定厚生労働省編職業分類」（参照 2023-12-05）

②性格的に合わないといった理由で辞めても甘えにはならないから

ひと昔前は、「自己都合による転職＝甘え」という風潮があり、転職に対してネガティブなイメージが強く残っていました。

現在では、更なる高みを目指して仕事を変える人も多く、転職が前向きに捉えられる時代になっています。

実際、厚生労働省が令和2年3月に卒業後に就職した高卒者と大卒者の離職状況を調査したところ、およそ3人に1人が3年以内に退職しているという結果になりました。

転職は甘えではなく、自分の将来像や目標を叶えるための手段の一つとして認識されているので、自己都合で転職をすることに罪悪感や劣等感を抱く必要はありません。

参考：厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和２年３月卒業者)を公表します」（引用日：2023.12.05）

③無理に仕事を続けると体調を崩す可能性があるから

性格的に合わない仕事を続ければ、過剰なストレスによって体調を崩す人も多いです。必要以上のストレスを受けざるを得ない環境下で働き続けた結果、精神疾患を患い、仕事どころか社会復帰も難しい状態になった人もいます。

厚生労働省が公表した「令和4年労働安全衛生調査」によると、過去1年間でメンタルヘルスの不調を理由に、連続して1ヵ月以上の休業もしくは退職した労働者がいる事業所の割合は、全体の13.3％を占めています。

また、同じく厚生労働省が「令和2年転職者実態調査」を実施したところ、体調を崩しかねない理由で転職している人の割合は全体の半数以上です。

体調を崩しかねない主な転職理由は以下の通りです。

このように、メンタルの不調で休職や退職を余儀なくされた人や、心身ともに限界に達する前に転職している人はたくさんいます。そのため、自分に合わない仕事だとわかった時点で、無理せず早めの転職を検討しましょう。

参考：
厚生労働省「令和４年 労働安全衛生調査」（参照 2023-12-05）
厚生労働省「令和２年転職者実態調査」（参考 2023-12-19）

④性格的に合わない仕事を続けていても成果が出にくいから

性格的に合わない仕事で、結果を出すのは難しいと言われています。成果が上げにくい理由は以下の通りです。

自分に合わない仕事は、どれだけ努力しても向いている人より成果を挙げるのは難しく、周囲に評価されない状況が続けばさらにモチベーションが下がってしまいます。

また、一度自分に合わない仕事と自覚すると渋々仕事に取り組んでしまいがちになり、新たな知識やスキルを身につける意欲も湧きづらくなります。

今の生活水準を維持するためだけに仕事をしているという状況は、精神的に豊かな人生にはつながりにくくなります。

自分の好きなことや得意なことを活かせる仕事に就けば、性格的に合う合わないに思い悩まずに済むのはもちろん、成果を出しやすくなるのでやりがいを持って働きやすくなります。

⑤「石の上にも三年」の考え方は現代の働き方にマッチしていないから

「石の上にも三年」のことわざがあるように、「自分に合った仕事かどうかを判断するには最低でも3年は働く必要がある」という考えを持つ人がいます。また、転職市場でも、「実務経験3年以上」といった表記の求人もあり、3年を評価の指標にする企業も多いです。

とは言え、近年はライフスタイルやキャリアアップなど自分の希望とマッチした会社を求めて、勤続年数を問わずに転職を志す傾向にあります。

その背景には、テレワークの導入や副業制度の解禁など働き方の多様化に積極的かつ、事前に今後のキャリアプランを提示してくれる企業が増えてきたことで、自分にとって魅力的な会社が見つかりやすくなった点が大きいです。

また、経済成長期に比べればほとんどの業界で業績の伸びが緩やかになっており、人件費の軽減や社員の若返りを図るために終身雇用の制度を見直す企業が多くなってきている点も、積極的に転職をする人が多くなった要因と言えます。

ただし、一部の企業では「石の上にも三年」という風潮がいまだに残っているため、希望の企業によっては前職を退職した前向きな理由を考えておく必要があります。

性格的に合わない仕事を辞める前に確認しておくべきこと

性格的に合わない仕事を辞める前に、確認しておくべきことがあります。

それぞれ詳しく解説していくので、自分に当てはまっていないかチェックしてみましょう。

仕事に慣れていないうちに辞めようとしていないか

新しく仕事を始めたばかりでかつ業務内容を把握しきれていない段階で辞めようとするのは、たとえ性格的に合っていないと感じていたとしても避けるのが賢明です。

仕事に慣れないうちは分からないことも多く、時にはミスをして周囲に迷惑をかけてしまうのは誰もが経験することです。周囲の目線や自分の不甲斐なさに耐え切れず、「自分に合っていないからこの仕事を辞めよう！」と考えてしまいますが、周りもそれほど気にしていません。

任された業務の意図や仕組みなどすべて把握できていないうちは、「性格的に合わない」のではなく「まだ仕事に慣れていないだけ」である可能性が高いです。

今は指示された業務をこなすことで精一杯だったとしても、仕事に慣れさえすれば自信を持って働けるようになれるかもしれません。

とは言え、職場の人間関係や雰囲気など、他にも自分に合っていない要素がある場合は、迷わず転職に踏み切るのもありです。

一時の感情だけで仕事を辞めようとしていないか

一時の感情だけで仕事を辞めると、以下のようなリスクを伴います。

勢いで辞めたことを後悔しないためにも、退職の意志を伝える前に「なぜ今の仕事を辞めたいのか」「辞める以外に解決策はないのか」「どんな仕事であれば楽しく続けられそうか」など、辞めるまでの経緯や原因を深堀するのが重要です。

改善の余地があればそのまま続けてみたり、難しいと判断した場合は反省を活かして転職活動に取り組んでみたり、今後の進路について冷静に判断できます。

仕事が性格的に合わない場合の対処法

ここからは、仕事が性格的に合わない時にとるべき具体的な5つの行動をご紹介していきます。

①自己分析をして自分に向いている仕事を見つける

仕事が性格的に合わない時、自己分析をおこなうことで次に目指すべき職業が見つかるきっかけにつながります。

自己分析をする際は、主に以下のような質問に対して、自分なりに答えを出すのがおすすめです。

自分自身を客観視する機会を設けて、仕事を辞めたいと思った原因や今後の方向性を決められれば、転職先の候補が絞りやすくなり、かつ志望動機や自己PRも作りやすくなります。

自分の力だけでは自己分析で行き詰まってしまう場合、家族や友人に自分の性格や強み、弱みといった印象を聞いてみましょう。第三者からの意見を知ることで、今まで自分では気づけなかった魅力を知るきっかけになります。

②転職エージェントに相談してみる

性格的に合わないといったネガティブな理由で次の仕事を探す場合、果たして自分に合った仕事が見つかるのか不安になる方も多いです。

そんな時は、転職エージェントに相談してみるのがおすすめです。ほとんどの転職エージェントで、無料で手厚いサポートが受けられます。

転職エージェントを利用するメリットは以下の通りです。

一人で悩み続けるくらいなら、転職のプロにたくさん頼って転職活動を有利に進めていきましょう。

③キャリアコンサルタントと一緒に将来像を考えてみる

将来自分はどんなキャリアを築いていきたいのか明確にしておくことで、自分に合う仕事が見つかりやすくなります。自分の将来像が分からない人は、キャリアコンサルタントに相談してみるのがおすすめです。

キャリアコンサルタントは、求人紹介はもちろん、労働者一人ひとりの性格や経歴などを深堀しながら最適なキャリアプランを一緒に考えてくれるのが特徴です。

些細な悩みや疑問に対して的確にアドバイスしてもらえるので、自分の将来に迷いがある方にとって心強い存在になると言えます。

④副業を通して自分に合う仕事を探してみる

副業を許可している会社で働いている場合、興味がある仕事に副業から始めて自分に合うかどうか確かめるのもおすすめです。

万が一転職先が自分が思っていた仕事と違っていた時、また新しい仕事を探す手間がかかりますし、短期間で何度も転職すれば今後の選考で企業にマイナスな印象を与える可能性もあります。

また、たとえ副業が上手くいかなかったとしても本業の収入があるので、今の生活水準を維持しながら自分に合う仕事を探せるのも魅力です。

⑤仕事内容が原因なら部署異動を相談してみる

今の仕事を辞めたくなっている主な原因が仕事内容によるものだった場合、部署異動ができるかどうか上司や人事に相談してみましょう。

異動願いは必ずしも通るわけではないものの、部署異動をしたい意志を伝えておくことで、今後の人事異動で対象になる可能性が高まります。

もし異動したい部署がはっきりしている時は、その部署で求められる知識やスキルを身につけたり、今の部署で結果を出す努力をしたりして、第三者に意欲が伝わるような行動を心がけるのがおすすめです。

今の仕事が自分の性格に合わないと感じているなら無理せず転職などを検討しよう

本記事のポイントをまとめたので、最後にもう一度おさらいしましょう。

「仕事が性格的に合わない」と感じた時は、無理に働き続ける必要はありません。大きなストレスを抱えながらつらい仕事を続けるより、自分に合った仕事でのびのびと働いたほうがその後の人生も楽しく過ごせる可能性が高いです。

今回紹介した対処法をぜひ実践して、自分の性格に合う仕事を見つけてみてください。