転職の目的は人それぞれですが、年収アップのために転職を考える人も多いでしょう。
しかし年収の相場や年収交渉のやり方がうまくいかず、希望通りの給料に届かないケースもあります。
本記事では転職で年収アップするために知っておきたい「年収の相場や年収交渉のタイミング」や「よくある失敗例」をまとめました。転職で年収を上げた方は参考にしてみてください。
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転職で年収交渉すると本当に給与が上がるのかな?
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コツをおさえておくと転職で給与がアップしやすいですよ!
約40%の転職成功者が年収アップを実現している
厚生労働省の「令和2年転職者実態調査の概況」によれば、約40%の転職成功者が年収アップを実現しています。
一方、年収が変わらない人は約20%、年収が減少した人は約40%でした。
増加した | 39.0% |
変わらない | 20.2% |
減少した | 40.1% |
不明 | 0.7% |
この結果から、多くの転職者が年収アップに成功しているのが分かります。せっかくの転職で年収がダウンしないためにも、年収アップに成功した人の傾向を掴んでおくことが大切です。
参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」(参照 2023-10-10)
転職で年収アップしやすい人の特徴
転職で年収がアップしやすい人には、一体どのような傾向があるのでしょうか。ここでは、転職で年収アップしやすい人の特徴について解説します。
年齢が20~30代前半
年齢が20~30代前半の人は、転職で年収アップしやすい傾向にあります。厚生労働省の「令和2年転職者実態調査の概況」によれば、転職による年代別の年収の変化の割合は以下の通りです。
年齢 | 増加した | 変わらない | 減少した |
---|---|---|---|
15~19歳 | 8.8% | 4.1% | 86.0% |
20~24歳 | 46.5% | 18.1% | 33.2% |
25~29歳 | 46.3% | 20.1% | 33.0% |
30~34歳 | 48.6% | 18.4% | 32.8% |
35~39歳 | 40.6% | 20.5% | 37.7% |
40~44歳 | 41.7% | 20.7% | 37.4% |
45~49歳 | 39.7% | 27.5% | 32.5% |
50~54歳 | 27.0% | 19.1% | 53.2% |
55~59歳 | 32.1% | 16.5% | 49.9% |
60~64歳 | 14.6% | 24.0% | 61.2% |
65歳以上 | 18.7% | 12.3% | 69.0% |
転職で年収アップした人が最も多い年代は30~34歳で48.6%、次いで20~24歳で46.5%、25~29歳で46.3%でした。また、20~30代前半は年収減少率も低いことから、転職で年収アップしやすい年代と言えるでしょう。
参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」(参照 2023-10-10)
直近の年収が400万円以下
直近の年収が400万円以下の人は、転職で年収アップしやすいと言われています。Geeklyが2022年に実施した「転職によって年収が51万円以上アップした人の割合」の調査結果は以下の通りです。
年収400万円以下 | 46% |
年収401~600万円 | 36% |
年収601万円以上 | 18% |
転職で年収アップした人が最も多い直近の年収は、400万円以下で46%でした。
新卒をはじめ社会人経験が浅かった場合、スキルや実績などを含めた自身の市場価値が現在の年収に反映されていない可能性があるため、元々の年収が低いケースが考えられます。転職をすることによって市場価値が給料に反映され、年収が大幅にアップしやすくなるのでしょう。
参考:Geekly Media「転職で年収UP者8割の秘訣とは?自社データ公開で転職者の共通点を分析!」(参照 2023-10-10)
同業種の平均年収よりも低い
同業種の平均年収よりも低い人は、同業種に転職することで年収がアップできる傾向にあります。厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査結果の概況」をもとに、男性の平均年収を産業別にまとめてみました。
業界 | 20~24歳 | 25~29歳 | 30~34歳 | 35~39歳 | 40~44歳 | 45~49歳 | 50~54歳 | 55~59歳 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
建築 | 221.1万円 | 259.7万円 | 300.5万円 | 326.6万円 | 361.6万円 | 401.9万円 | 434.8万円 | 423.5万円 |
製造 | 203.1万円 | 238.4万円 | 271.3万円 | 306.9万円 | 337.4万円 | 369.7万円 | 405.8万円 | 410.2万円 |
情報通信 | 228.7万円 | 269.2万円 | 323.6万円 | 384.1万円 | 438.0万円 | 469.8万円 | 512.1万円 | 512.9万円 |
運輸・郵便 | 214.4万円 | 250.0万円 | 280.6万円 | 296.2万円 | 310.2万円 | 316.4万円 | 311.9万円 | 314.1万円 |
卸売・小売 | 215.6万円 | 251.4万円 | 291.7万円 | 333.3万円 | 370.4万円 | 406.7万円 | 453.9万円 | 441.2万円 |
金融・保険 | 230.0万円 | 282.8万円 | 387.8万円 | 468.3万円 | 532.2万円 | 588.3万円 | 620.1万円 | 523.3万円 |
学術研究 | 227.8万円 | 274.5万円 | 336.2万円 | 404.7万円 | 459.5万円 | 482.8万円 | 519.7万円 | 533.1万円 |
宿泊 | 200.2万円 | 225.4万円 | 255.6万円 | 281.2万円 | 308.3万円 | 325.8万円 | 332.8万円 | 328.2万円 |
生活関連サービス | 209.4万円 | 239.4万円 | 270.4万円 | 316.0万円 | 337.2万円 | 358.3万円 | 365.9万円 | 335.6万円 |
教育 | 222.2万円 | 275.4万円 | 331.1万円 | 389.0万円 | 445.7万円 | 490.0万円 | 544.5万円 | 561.4万円 |
医療・福祉 | 221.9万円 | 259.4万円 | 291.5万円 | 321.5万円 | 348.2万円 | 385.1万円 | 438.6万円 | 449.1万円 |
平均年収より下回った状態から同業種へ転職する場合、これまで培ってきた実績やスキルを活かした活躍が期待されるため、大幅な収入アップが狙えるでしょう。
参考:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査の概況」(参照 2023-10-11)
勤務経験のある職種に転職
業務経験がある職種で転職を行う人は、未経験者よりも年収アップが期待できます。中途採用をする企業の多くは、スキルや経験を持っている即戦力の人材を求めており、応募者の市場価値から入社後の年収やポジションを決定するため、経験者のほうが高い給与が期待できるでしょう。
転職先に対して自分をアピールできる
面接時に、転職先の企業に対して自分をアピールできる人は年収が上がりやすいと言われています。転職先の企業が求める人材であることをアピールできれば、年収や賞与などの交渉がしやすくなります。これまでの実績や経験、スキル、強みなどを整理して、自分をアピールできるように準備しておきましょう。
転職の年収交渉の相場
まずは転職でどれくらい年収が上がるのか、一般的な年収交渉の相場を把握しておきましょう。相場を把握しておくと、年収交渉も行いやすくなります。
一般的には前職比5~20%アップが目安
転職先で希望年収を聞かれた際は、前職と比較して5〜10%アップした額を提示するのが一般的です。なかにはスキルや経験を活かして20%の大幅なアップを希望する人もいます。
先述したように、転職者の全体の約40%の人が年収アップを実現しています。そのうち、年収アップ率が10%以上と回答した人は約28%、10%未満と回答した人は約11%でした。
10%以上増加 | 7.2% |
10%以上30%未満増加 | 20.6% |
10%未満増加 | 11.1% |
この結果から、転職で年収アップした人の約7割が前職より10%以上上がっていることがわかります。そのため、転職時の年収交渉は、前職比の5~10%ほど上乗せした額を提示すると良いでしょう。
参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」(参照 2023-10-10)
このことを踏まえ、前職の年収が400万円の人が転職した結果、給与が5%アップした場合と10%アップした場合、20%アップした場合の年収や月収はどう変わるでしょうか。
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賞与が夏冬1回、それぞれ月給1ヶ月分とした場合、以下の表のようになります
アップ率 | 0% | 5% | 10% | 20% |
年収 | 400万円 | 420万円 | 440万円 | 480万円 |
月収 | 約28.5万円 | 30万円 | 約31.5万円 | 約34.3万円 |
賞与(夏冬) | 約57万円 | 60万円 | 約63万円 | 約68.6万円 |
年収400万円の場合、5%アップなら年収は420万円、10%アップなら440万円、20%アップの場合は480万円に上がります。
月収にすると5%なら約1.5万円、10%で約3万、20%なら約5.8万円の増額が見込める計算です。
同年代や業界の平均給与から算出
希望する年収が適正かどうかは、同年代や転職する業界の年収平均と比較して判断すると良いでしょう。
ここでは求人情報・転職サイトのdodaが調査した20代・30代・40代の平均年収(2022年)を紹介します。現在の自分の年収や、転職先で希望する年収と比べてみてください。
全体の平均年収 | 男性の平均年収 | 女性の平均年収 | |
20代 | 342万円 | 365万円 | 319万円 |
30代 | 435万円 | 474万円 | 377万円 |
40代 | 495万円 | 562万円 | 400万円 |
参照:doda「平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】」(参照2023-4-14)
現在の収入が同年代の平均年収より下回る場合は、転職時に平均額と同程度の年収を希望すると、年収が上がるケースもあります。
ただし同年代でも業種によって給与は変わります。今と同じ業種であまりに大幅なアップを希望すると不採用につながる恐れもあるため、慎重に希望を伝えるようにしてください。
また、現在の収入が同年代の平均年収を上回る場合で、より年収アップをさせたいなら、自分のスキルや経験が転職先に貢献できる価値があるとアピールしましょう。
未経験の場合は下がる可能性あり
未経験の業種や職種に応募する場合には、年収アップは難しいかもしれません。特に仕事に直結するスキルもない場合は、年収が下がる可能性もあります。
有用なスキルがなくて未経験の職種に転職する場合には、不採用のリスクを避けるために年収交渉はしない方が良いとされています。
ただし未経験の職種でもOAスキルや語学、プログラミングなどのスキルがあり、転職先に有用な人材と認められると、現状維持や収入アップも可能です。
- OA(おーえー)スキルとは
- OAは「Office Automation」の略で、パソコンをはじめとした電子機器を使って業務を自動化・情報化するスキルのこと。
具体的には、Microsoft Office(マイクロソフト)シリーズのWord、Excel、PowerPoint、Accessなどの操作スキルを指すことが多いです。
転職の年収交渉で給与をアップさせる成功ポイント
転職で年収をアップさせるための成功ポイントを解説します。具体的には、以下の7つに気を付けるとよいでしょう。
- 給与水準が高い業種・職種を知る
- 経験を活かせる業種・職種へ転職する
- 自分の市場価値を知る
- 年収アップの根拠と理由を示す
- 年収交渉のタイミングをはかる
- 希望年収の理想と最低ラインを決める
- 転職エージェントを利用する
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それぞれを詳しく見てみましょう
給与水準が高い業種・職種を知る
今より給与を上げたいなら、元々の給与水準が高い業種・職種に転職すると、給与のアップが期待できます。年収交渉でも希望を伝えやすいでしょう。
まずは給与水準の高い業種・職種を知り、その上で自分に適性がある仕事なのか、転職したい仕事なのかを判断していくのがおすすめです。
なお転職・求人サイトのdodaがまとめた「年収の高い業種(2022年)」では、平均年収ランキング1位は「金融」で454万円、2位は「メーカー」で453万円、3位は「総合商社」で446万円でした。
参照:doda「平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」(参照2023-4-14)
経験を活かせる業種・職種へ転職する
転職先の給与額を大きく左右するのが、これまでの経験やスキルです。
採用する企業としては即戦力の人材が欲しい場合が多いです。そのため、経験やスキルが活かせる前職と近い業界・職種に転職すると、年収がダウンしにくい傾向にあります。
自分の市場価値を知る
年収交渉する際には、自分の市場価値を客観的に把握しておくことも大切です。自分の市場価値を知っていると、根拠のある適正な金額で年収交渉をしやすくなります。
自分の市場価値が不明なときは、同業他社の求人情報をチェックしてみてください。自分の年齢やスペックで、一般的にどれくらいの給与が支払われるのか相場がわかるはずです。
転職サイトのなかには、オンラインで市場価値の目安の診断サービスを提供しているところもあります。簡単な質問に答えるだけで、AIが市場価値を診断してくれるので、チェックしてみると良いかもしれません。
年収アップの根拠と理由を示す
客観的な目線で自分の市場価値を把握したら、次は企業が「希望金額まで年収を上げても良い」と納得できる根拠と理由を提示できるようにしましょう。
「経験やスキルに比べて、現状が市場価値よりも低く見られている」「もっと企業に貢献できる」など理由を提示して、希望金額の根拠に妥当性があると企業に感じさせれば、年収交渉の成功確率が高まります。
ただし、現在の年収から大幅な年収アップの金額の提示は、選考段階においてリスクが高まる点に注意しましょう。
多くの企業では、新人から幹部クラスまでの等級ごとの賃金や給与を表にした「給与テーブル」が存在しており、これを元に応募者の希望年収に見合った能力があるのかどうかを判断します。万が一、企業が定めた基準以下の能力だとみなされた場合、「実力以上の年収を要求している」と判断され、選考から外れる可能性があります。
年収交渉のタイミングをはかる
転職で年収交渉を行う際には、交渉のタイミングも大切です。転職者にとってベストなのは、内定後のタイミングでの交渉でしょう。
内定前に年収交渉して折り合いがつかない場合、企業は不採用にすれば良いだけなので、転職者にとって不利な状態になります。
一方、内定後であれば簡単に取り消しができないため、転職者側にとって有利に交渉を進めやすいはずです。内定後に労働条件などを提示され、受諾するまでのタイミングで交渉してみましょう。
希望年収の理想と最低ラインを決める
年収交渉する際には、希望年収の理想額と最低ラインを決めておくことが大切です。理想額と最低ラインを決めておくと、金額を提示された際、希望の範囲内に収まるかどうか判断できます。
最低ラインは、その額で最低限の生計が立てられる範囲に設定してください。いくらやりたい仕事でも、最低ラインを下回るようなら断った方が無難です。生活が成り立たなくなってしまっては、その仕事を続けること自体が困難になります。
また面接で「希望の年収額と最低限キープしたい年収額は?」と聞かれる場合もあります。その際も、希望年収の理想と最低ラインを決めておくと、しっかり答えられるでしょう。
転職エージェントを利用する
もし自分で年収交渉する自信がない場合は、転職エージェントを利用するのも選択肢の一つです。転職エージェントを利用すると、以下のようなメリットがあります。
- 年収交渉の実績が豊富で駆け引きが上手い
- 業界・業種別の相場や交渉の流れを理解している
- 自分では切り出しづらいセンシティブな話を進めてもらえる
- 自分で交渉するよりも高い給与になる可能性もある
エージェントを利用する際は、ここまでご紹介してきた成功のポイントを自分なりに押さえた上で、希望額や最低ラインを伝えておきましょう。交渉材料として使用してもらえば、希望に近い条件を獲得しやすくなるでしょう。
【タイミング・シーン別】年収交渉を上手に進める方法
企業によって年収交渉のタイミングは異なりますが、以下のようなシーンで希望年収を聞かれるのが一般的です。
- 履歴書の給与希望欄に書く場合
- 面接での年収交渉の場合
- 内定後の年収交渉の場合
- メールでの年収交渉の場合
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ここではそれぞれのシーンごとに年収交渉を上手に進める方法をご紹介します
履歴書の給与希望欄の場合
履歴書に希望年収の記載欄が設けられている場合もありますが、ここでは一般的に具体的な額面は書かない方が良いとされています。
履歴書だけでは転職者の良さが伝わらないケースが大半です。あなたの良さがまだ伝わっていない段階で、記入額が企業の想定額を上回っていると、数字だけを見て「希望がうちの条件と合わない」と判断され、履歴書の時点で不採用にされてしまうかも知れません。
不採用のリスクを下げるためにも、履歴書希望給与欄には「貴社の規定に従います」、または「応相談」と記入しておくと良いでしょう。
面接での年収交渉の場合
書類選考を通過した後の面接で「年収はいくらをご希望されていますか?」などと聞かれるケースもあります。
この場合、まず現在の年収を述べた上で「御社の規定に従うつもりですが、現在の年収額と同等以上が希望です」などと答えるのが、一般的な例です。
その際は、前職の実績を元に、年収を上げることで企業にとってどのようなメリットがあるのか付け加えておくと交渉がよりスムーズに進みます。
では、具体的な会話例を見てみましょう。
あなた:詳しくご説明いただき、ありがとうございます。最後に恐れ入りますが、給与体系についてご確認させていただいてもよろしいでしょうか。
面接官:中途採用の場合、前職の年収とこれまでの経験やスキルを加味して給与を決定します。年収はいくらをご希望されていますか?
あなた:ありがとうございます。現在の年収は○○万円です。御社の規定に従うつもりではございますが、可能であれば現在の年収と同等額以上にしていただくことは可能でしょうか。
前職では、○○の実績もございますので、この経験は御社でも十分に活かせるかと思います。大変身勝手なお願いで恐縮ですが、よろしければご検討いただけますと幸いです。
上記の回答であれば、企業の意向に従う謙虚(けんきょ)な姿勢を見せながら、希望を伝えられます。未経験の職種でなければ、面接官にとっても求職者が現在の年収より高い年収を希望するのは想定内なので、悪い印象にはなりません。
また、面接では先に面接官から年収額を提示されるケースも想定されます。仮に提示された金額が想定より低くても、不満そうな態度をとるのはNGです。
実際に入社するか否かは内定が出た後に考えれば良いことなので、面接の段階ではまず内定を勝ち取る確率を上げましょう。
内定後の年収交渉の場合
転職者にとって有利なのは、内定後に給与交渉することです。
ただし、内定後は入社日の調整や労働条件などを詰めるオファー面談が行われるケースもあります。オファー面接がある場合は、この面接後に条件を変更しようと動くのは望ましくありません。なるべく内定をもらってからオファー面接前までの間に年収交渉をしましょう。
具体的な切り出し方としては「条件面に関しまして、ご共有させていただきたいことがあるのですが」と述べた上で、希望額を述べると良いでしょう。
具体的な会話例は以下の通りです。
あなた:本日はお忙しい中、面談のお時間をいただきましてありがとうございます。
誠に勝手ではございますが、条件面に関しまして、ご共有させていただきたいことがございます。
年収○○万円をご提示いただいておりますが、私としては○○万円を希望しておりますため、ご再考いただくことは可能でしょうか。
大変身勝手なお願いで恐縮ですが、よろしければご検討いただけますと幸いです。
ただし、相場よりあまりに希望額が高額だと内定が取り消される可能性もあるため、相場の範囲で慎重に提示するようにしてください。
メールでの年収交渉の場合
年収交渉は原則として対面で行いますが、近年は電子メールやチャットツールなど、テキストで年収などの条件の交渉を打診される可能性も少なくありません。
テキストで年収交渉する場合、書き方のポイントは以下のとおりです。
- 冒頭で内定通知に対してのお礼の言葉を記す
- 要望ではなく「ご相談がございます」と切り出して、相談ベースにする
- 実務経験とスキルの価値で貢献できることを改めて示し、希望の年収額を伝える
- 希望金額に幅をもたせて相手に選択の余地を与える
- 最後にメールでの連絡になった点に対する非礼を詫びる
では、具体的なメールの文例を見てみましょう。
件名:給与に関するご相談(氏名)
本文:
株式会社○○
人事部 人事課○○様
お世話になっております。
先日貴社にて最終面接の機会をいただきました(氏名)と申します。
このたびは内定のご連絡をいただき、心より御礼申し上げます。
内定後のご連絡となり大変心苦しいのですが、ご提示いただきました労働条件通知書の給与面に関してご相談したく、ご連絡いたしました。
書面にて年収○○万円とご提示いただきましたが、現職の年収○○万円を下回るため、身勝手なお願いで大変恐縮ですが、前職と同水準の○○万円への引き上げをご再考いただくことは可能でしょうか。
前職では通常の業務以外にも、○○○○の経験や○○○○といった実績がございます。これらの経験や実績を活かし、貴社が目標に掲げる「今後3年間で市場シェアを10%増大」に向けて精一杯貢献していく所存です。
本来であれば直接お伺いするのが礼儀と存じておりますが、メールでのご連絡となってしまうことをお詫び申し上げます。
ご多忙のところ恐れ入りますが、ご検討いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
氏名:○○○○
メールアドレス:○○○○@○○○○
電話番号:○○○○
住所:〒○○○-○○○○
(都道府県、市区町村、番地、建物名、号室を正確に記載)
文面では謙虚さを心掛けてください。「これだけの実績がある自分だから、給料は上がって当然」といった横柄に読み取れる文章は禁物です。
また文章では冷たい印象を与えることも多いため、そうなっていないか送信前に必ず何回か読み返してチェックをしましょう。
転職でよくある年収交渉の失敗例
年収交渉で失敗するケースもあります。以下が代表的な失敗例です。
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希望年収を低く言ってしまった
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現年収を水増しして申告してしまった
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面接の逆質問でいきなり年収交渉してしまった
それぞれのケースではどう対処すると良いのか、以下にまとめてみました。
希望年収を低く言ってしまった
採用されたい一心で、つい希望年収を低く伝えてしまったというケースもよくあります。年収を低く言うことには、メリットとデメリットがあります。
メリットは採用されやすく、入社後の期待値が下げられる傾向にある点です。デメリットは転職しても年収が上がらなかったり、実績を出さないと将来的にも年収アップしにくくなったりする点です。
デメリットが気になるなら対処法は2つあります。
一つはシンプルに希望年収の訂正を伝えること。もう一つは転職エージェントを経由して年収交渉をし直すことです。
転職エージェントのなかには、採用決定後に年収交渉をしてくれるサービスを提供しているところもあります。そういったサービスを利用すると、自分から採用企業に切り出す必要はありません。ただし、必ずしも希望通りの年収になると限らない点は注意が必要です。
現年収を水増しして申告してしまった
現在の年収を引き合いに出して年収交渉する際に、現年収を水増しして申告する人もいます。しかし、水増し申告はかならずバレてしまいます。
なぜなら入社時に源泉徴収票を提出する必要があるためです。源泉徴収票を見れば水増しが一目瞭然なので、嘘をついてしまうと一気に信用を失ってしまいます。
万が一、水増し申告してしまった場合はなるべく早めに訂正し謝罪しましょう。虚偽申告が懲戒の対象になるようなら入社をあきらめて次に進むのも選択肢の一つです。
面接の逆質問でいきなり年収交渉してしまった
面接では、質着応答が終わった後に「何かに質問はありますか?」などと聞かれる場面があります。
その際に年収交渉のチャンスだと考えて「年収はどのくらいもらえますか?」「月々の手当は?」「賞与は何ヶ月分ですか?」などと逆質問して失敗するケースもあります。
逆質問は基本的に企業への関心度や互いの認識の齟齬(そご)を解消するためのものです。
そのため、いきなり金銭的条件の話を切り出すと、企業や業務に関心がない年収目当ての転職であると判断されかねません。逆質問の機会には、仕事内容で不明な点を聞くと良いでしょう。
転職で年収交渉を成功させて夢の高収入ゲット!
ここまで転職時の年収交渉で収入をアップさせるポイントを解説してきました。改めてご紹介した内容をおさらいしていきましょう。
- 転職でどれくらい年収がアップするのか、相場を把握しておく(一般的な相場は前職比で5~20%)
- 年収交渉の7つの成功ポイントを押さえる
- タイミングごとに年収交渉を上手に進める方法を知る
- 転職でよくある年収交渉の失敗例を反面教師にする
以上を押さえておけば、転職先ともスムーズに年収交渉できて給与のアップを実現しやすくなります。
大幅な年収アップを狙うならナイト系がイチオシ
一般企業への転職の場合、前職比で5〜20%のアップが期待できるとお伝えしましたが、さらなる年収アップを狙うならナイト系が断然おすすめです!
ナイト系とは、女性キャストがお客さんに癒やしのサービスを提供する業態の企業や店舗のこと。男性は店舗スタッフや送迎ドライバーなどの女性キャストを支える幅広い職種で働けます。
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ナイト系が転職先としておすすめなのは、次の3つの理由からです
1つ目は業界未経験でも働きやすい点。ナイト系では多くの企業・店舗が未経験を歓迎しています。そして、業界経験がなくてもイチから仕事を覚えながら稼げるため、経験の有無に関係なく高収入を得られやすい傾向があります。
2つ目は業界全体が高い給与水準であること。また、やる気と実力が評価されるため、頑張り次第でスピード昇給・昇格のチャンスがあり、高収入を得やすいと言えます。
3つ目は副業でも稼ぎやすいこと。いきなり完全に転職しなくても、副業として短時間でも働けるため、お試しでのチャレンジも可能です。即日面接・即日採用に応じてくれる企業・店舗も多く、急な退職をした際も次の働き先も見つけやすいです。
「今より稼げる仕事に就きたい」「新しい環境で自分の力を試したい」とお考えならナイト系求人がおすすめです。異業種からでも転職しやすいため、ぜひナイト系求人もチェックしてみてください!