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仕事始めはいつも憂鬱……
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正月明けは憂鬱で仕事に行きたくない
このように、年末年始の後の仕事始めに、憂鬱になる人も多いのではないでしょうか。
仕事始めは自由に過ごせていた環境から一転して、気持ちを引き締めないといけない環境になります。そのため、重苦しさを感じやすい人もいるでしょう。事実、仕事始めを憂鬱だと感じた経験がある会社員は、全体の7割にも上るという調査結果もあります。
本記事では、仕事始めが憂鬱になる原因、憂鬱な気持ちの軽減方法について解説します。
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心が上向きにならないときの対処法も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください
7割以上の人が仕事始めを憂鬱と感じている

株式会社ネオマーケティングが20代~40代の会社員500名に実施したアンケートによると、7割以上の人が「年始明けに仕事に行きたくないと思ったことがある」と回答しています。
つまり、現代社会の会社員のほとんどは「正月病」を患ったまま、仕事始めを迎えているわけです。
- 【正月病とは】
- 正式な精神疾患というわけではなく、なんとなくやる気が出ない、気分が上がらない、疲れやすいといった不調を指します。年末年始の生活サイクルから通常の生活サイクルへ戻るなかで、自然と解消されるパターンが多いです。
また、江崎グリコ株式会社が20代~50代の働く男性・働く女性・専業主婦(各400名)に行ったアンケートによると、7割以上の人が月曜日を憂鬱に思っていると回答しています。
つまり、働いている多くの人は「休みから仕事への移行」には常に憂鬱感を覚えていて、それは年末年始を挟んだ仕事始めも例外ではないわけです。
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正月病の憂鬱さは、誰もが感じるものなのです
参考
株式会社ネオマーケティング「年末年始のやる気・モチベーションに関する調査」 (参照 2025-4-12)
江崎グリコ株式会社「「憂鬱な曜日調査」憂鬱なのはやっぱり月曜日。お手軽で効果的な憂鬱対策はアイスや甘いもの!?」(参照 2025-4-12)
モチベーションが下がる原因1位も「連休明け」
連休明けはモチベーションが下がりがちですが、それは仕事始めも例外ではありません。
まず、人の気分には波があり、以下をはじめとしたきっかけでもモチベーションは下がってしまいます。
- 連休が終わってしまった
- 体が疲れている
- 仕事で失敗してしまった
株式会社ネオマーケティングのアンケート結果によれば、連休明けは特にモチベーションが下がるタイミングとされています。
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連休が楽しかったからこそ、仕事に戻るのがしんどい
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エンジョイしすぎてむしろ全然休めてない
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休み中に溜まっているだろう仕事を片づけるのが億劫
このように理由は人によりますが、ブルーな気持ちで出勤する人がたくさんいます。
ましてや年末年始にかけて地元へ帰ったり、旅行へ行ったりした人であれば、仕事始めでモチベーションが大きく下がってしまうのはある意味仕方がありません。
参考:株式会社ネオマーケティング「年末年始の 20 代~40 代会社員のやる気・モチベーションに関する調査」(参照 2025-04-22)
連休明けは7割以上の人が疲れやすいと感じている
連休明けの低いモチベーションを乗り越えていざ働きだしたとして、「なんだかいつもより疲れる」と思った経験はないでしょうか。
株式会社ネオマーケティングのアンケート結果によれば、7割以上の人が連休明けの仕事に大きな疲れを感じています。
それではなぜ、連休明けに大きな疲れを感じてしまうのでしょうか。
【連休明けに大きな疲れを感じる理由】
- 生活習慣が夜型のままで十分な睡眠が取れていない
- 暴飲暴食で胃腸が弱り、加えて栄養の偏りが起きている
年末年始は年越しで深夜まで起きていたり、普段は食べないものや飲まないものを口にする機会が増えたりと心身に負担が重なりやすく、普段より疲れを感じやすい時期です。
仕事始めで大きな疲れを感じるのは、そういった年末年始の生活が影響しているのかもしれません。
参考:株式会社ネオマーケティング「年末年始の 20 代~40 代会社員のやる気・モチベーションに関する調査」(参照 2025-04-22)
仕事始めが憂鬱になる原因

仕事始めが憂鬱になる主な原因は、以下4つです。
- 休暇中の生活が良かったから
- 休暇中の疲れがたまっているから
- 溜まっている仕事を再開するのがしんどいから
- 今の仕事にストレスを感じる要素があるから
「何となく憂鬱」と感じたとしても、自分の本音や状況をじっくり分析してみると、本当の原因が見つかるケースもあります。
それぞれの原因を詳しく解説するので、仕事始めが憂鬱な人は自分に当てはまる原因がないか探してみましょう。
休暇中の生活が良かったから
休暇中が良い生活であればあるほど、仕事始めが憂鬱になりやすいです。
年末年始の休みは家族とゆっくりしたり、地元で旧交を温めたりと懐かしい環境で過ごす人も多いです。心が安らぎ、懐かしさも感じられる休暇を満喫するほど「ずっとこのままがいい」という気持ちが強くなります。
また、年末年始は何時に起きて何時に寝るのか、1日をどう過ごすのかなどを自由に決められます。
しかし、仕事が始まれば否応なく成長と変化を求められ、ルールや一緒に働く人に合わせた行動をしなければなりません。
多くを求められながら自由には動けない窮屈さは抵抗感を覚えやすく、仕事始めは不満や不安が強まります。
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つまり、休暇中と現在の自分を比べてしまうと、憂鬱になりやすいわけです
休暇中の疲れがたまっているから
休暇中の疲れがたまっているのも仕事始めが憂鬱になる原因です。
たとえば、お正月の過ごし方で「年末年始を海外で過ごす」「ウィンタースポーツを楽しみに行く」は比較的メジャーです。
とはいえ、旅行やアクティビティで楽しく過ごした反動で、気づかないうちに疲れがたまっていることもあります。
また、自宅でゆっくりしていた場合でも、夜ふかしが続くと生活リズムが乱れやすく、体に負担がかかりがちです。
そのまま夜型の生活を引きずってしまうと、前日にうまく眠れず、仕事始めに集中しづらくなることもあるでしょう。
疲れや生活習慣を最初の仕事始めに持ち越してしまうと、憂鬱な一年の始まりになるので、できれば避けたいところです。
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レジャーは2日前には切り上げて、しっかり疲れを癒し、昼型の生活に戻すことを意識しましょう
溜まっている仕事を再開するのがしんどいから
溜まった仕事を再開するのがしんどいと感じるのも憂鬱の原因です。
仕事始めは長期休暇中に溜まったメールを処理したり、取引先へ年初の挨拶回りをしたり、連休前にやり残した仕事を片付けなくてはいけなかったりと忙しいケースが多いでしょう。
また、休み中に発生した新しいタスクを急に振られる場合もあり、やるべき業務が一気に降りかかってくるため、普段以上に仕事が大変に感じられて憂鬱になるケースがあります。
また、仕事始めは事業の目標を再確認する日でもあります。達成状況によっては強いプレッシャーに襲われる人もいるでしょう。
大量の仕事を前にして「本当に自分は頑張れるのか」という不安も抱えやすく、憂鬱感が増幅します。
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しっかり休んだ分、仕事を頑張らないと、という前向きな気持ちで取り組みたいですね
今の仕事にストレスを感じる要素があるから
仕事そのものにストレスを抱えていると、仕事始めを憂鬱に感じてしまうものです。
年末年始は親しい人と過ごす時間が多く、一時的にストレスから解放されます。しかし、その反動で仕事に対する抵抗感がより強まってしまい、会社へ行きたくなくなる人もいるでしょう。
仕事にストレスを感じる主な要因は、以下のとおりです。
- 仕事にやりがいを感じない
- 職場の人間関係に悩んでいる
- 業務量が多すぎる
- 労働環境に不満がある
- 失敗してはいけないプレッシャーがある
これらのストレスを抱えている場合、仕事の開始とともに再びストレスフルな状態になってしまいます。
つまりストレスを根本から解決しない限り、年末年始から日常に戻っても憂鬱感が続いてしまうおそれがあります。
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ポジティブに考えるなら、休みを挟んで常態化していたストレスへの対策を考えることもできるので、ある意味で解決のチャンスと言えます!
仕事始めの憂鬱な気持ちを軽減する方法

ここでは、仕事始めの憂鬱な気持ちを軽減する方法を4つ紹介します。
- しんどい気持ちを共有し合う
- つぶせる憂鬱はつぶしておく
- 気負わずリハビリ感覚に捉える
- 仕事再開後の楽しみを作る
仕事始めが間近に迫ると、憂鬱な気持ちが強くなりやすいでしょう。しかし、ほんの少し考え方や行動を変えるだけでも、憂鬱度は軽減できる場合があります。
各方法を具体的に解説します。仕事始めが憂鬱な人はぜひ実践してみてください。
しんどい気持ちを共有し合う
仕事始めが憂鬱でしんどい時は、一人で抱え込まず、友人や家族などに共有しましょう。
誰かに話すだけで思考がスッキリして、モヤモヤした気持ちが晴れるケースも少なくないからです。また、話す際に自分の感情を表現しようと言葉を探すことで、思考も整理されます。
相手に親身になってもらったり共感を示してもらったりすれば、憂鬱なときに抱きやすい孤独感も和らいで気持ちが楽になります。「仕事始めがしんどいのは自分だけじゃない」「みんな頑張っている」と思えることで、励みや安心材料につながるでしょう。
自分とは異なる視点を持つ相手から、体験談やアドバイスを聞かせてもらえる場合もあり、そこから憂鬱の解決策が見つかるかもしれません。
つぶせる憂鬱はつぶしておく
仕事始めに憂鬱にならないためには、休み中に対策を練っておくのがおすすめです。
たとえば、「長期休暇中も規則正しい生活を送る」「定期的に体を動かす」などは憂鬱対策になるでしょう。
普段と変わらない生活リズムや運動量を維持すると、心身が安定します。仕事始めの前日もよく眠れるので、当日はすっきり目覚めて仕事に行けるはずです。
また、前日のうちに仕事始めの準備を済ませておいたり、溜まったタスクを整理したりするのも憂鬱緩和につながります。
仕事始めの当日、休暇モードから急に仕事モードに切り替えると、自分の中のギャップが大きくなり、精神的に疲れやすくなります。
前日から徐々にモードをシフトしていくことでこのギャップが緩和され、仕事始めの当日も憂鬱を感じにくくなるでしょう。
気負わずリハビリ感覚に捉える
仕事始めの当日から「良いパフォーマンスを発揮しないといけない」と気負うと、悪いプレッシャーとなって憂鬱感がさらに増してしまいます。
まだ休暇モードが抜けきらない状態でいきなり全力を出すのは難しいものです。仕事始めは「今日はリハビリ」という考えのもと、スローペースで仕事を進めるのもいいでしょう。
あからさまに手を抜くのはNGですが、タスクの優先度を整理して優先順位の高い仕事から取り組めば、少ない負担で今やるべき仕事に集中できるでしょう。優先順位の低い仕事は、徐々に体を慣らして、いつもの調子を取り戻してからこなしてもかまいません。
やるべきタスクをきちんと消化できると、達成感が得られます。小さな達成感の積み重ねは仕事のモチベーションを上げてくれるため、憂鬱な状態から抜け出せる可能性が高いといえます。
仕事再開後の楽しみを作る
感情は自然と湧き上がるものであり、自分の意思で感情を完全にコントロールするのは不可能です。そのため、あらゆる対処法を試しても、仕事始めに憂鬱になってしまう場合もあります。
仕事再開後の憂鬱をどうしても払拭できないときは、憂鬱を無理になくそうとはせず憂鬱な気持ちを和らげる「楽しみ」を用意してみましょう。
たとえば、仕事前や仕事後に以下のようなご褒美を作るのがおすすめです。
- 朝食を少し豪華にする
- お気に入りのカフェやショップに寄る
- 好きなものを食べる
- 好きな映画・テレビを見る
- お酒を飲む
- いつもよりゆっくりお風呂に入る
ご褒美を作ると、仕事始めの当日にも楽しみが生まれ、憂鬱な一日を乗り越えやすくなります。
それでも仕事に行きたくないときの対処法

上記の解決策を試しても仕事に行きたくない場合は、そもそも職場に問題があるか精神的に追い込まれている可能性が高いため、別の方法で対処する必要があります。
憂鬱感が強く、仕事に行きたくないときの対処法は、以下のとおりです。
- どうしても辛いときは無理をしない
- 相談窓口やカウンセリングに頼る
- 転職を視野に入れる
職場や心に大きなトラブルを抱えている人ほど、無理をしたり一人で悩みを抱え込んだりしがちです。しかし本当にしんどいときは、無理をせずに周囲を頼り、問題の根本的な解決を図らなくてはいけません。
どうすれば現状の苦痛や憂鬱感から抜け出せるのか解説します。
どうしても辛いときは無理をしない
どうしても仕事に行きたくない、行けない場合は、無理をしてはいけません。長期休暇や休職の希望を申し出て、ゆっくり心身を休めながらこれからのことを考えるのも一つの手です。
ただし休職には、メリットだけでなくデメリットも当然あります。希望を出す前に両面をよく理解しておきましょう。
- 【メリット】
- ・時間に余裕が生まれ、自分の今後についてじっくり考えられる
・ストレスから解放され、ネガティブな感情や心身の不調が落ち着きやすい
・長期的なプランを立てて、新たなスキルを取得できる
- 【デメリット】
- ・収入が減り、期間が長引けば貯金を切り崩す可能性がある
・キャリアや評価に影響が出る場合がある
・仕事を再開する際、プレッシャーを感じる人もいる
相談窓口やカウンセリングに頼る
精神的にしんどい場合は、相談窓口や心理カウンセラーに悩みを相談するのもおすすめです。
家族や友達に相談する方法もありますが、専門家を頼ったほうがより具体的なアドバイスを得られ、悩みの早期解決につながる可能性があります。また、身近な人には話しにくい深刻な悩みも、利害関係のない第三者であれば話しやすいでしょう。
相談窓口やカウンセラー選びに迷ったときは、厚生労働省の「こころの耳」を利用してみてください。
「こころの耳」は、働く人のメンタルヘルスケアに関する情報を発信しているほか、相談窓口を提供しています。
電話・メール・SNSを通じて悩みを無料で相談できたり、職場のストレスのセルフチェックが利用できたりするなど、コンテンツも豊富です。悩みを抱えている人は、今の自分の状態を冷静に把握するのに役立つはずです。
転職を視野に入れる
上記2つの解決策を試しても状況が改善しない場合は、職場に問題があるか自分に合わない職場で働いている可能性が考えられるので、転職を視野に入れましょう。環境を変えて自分に合う職場で働くことができれば、仕事に対する憂鬱がなくなる可能性は高いでしょう。
ただし転職は、嫌な現状から逃げる手段ではなく、より良い職場を見つけるための手段です。
「なぜ仕事に行きたくないと感じたのか」「どのような職場なら仕事始めも憂鬱に感じにくいのか」を洗い出した上で転職活動に臨んでください。
自分の理想や価値観、譲れない条件をできるだけ明確にすることが、転職を成功させるポイントです。
自分一人での選択や活動に不安がある場合は、転職エージェントを頼ってみてもよいでしょう。
仕事始めの憂鬱はうまく付き合う意識が大切

会社員の7割以上もの人が「仕事始めが憂鬱」だと感じている統計結果もあるため、連休明けに仕事に行きたくないと感じる自分を責める必要はありません。
しかし仕事始めの憂鬱は、休暇中の自分の過ごし方が原因で発生するケースもあるので、連休中の生活リズムや予定の組み方には気をつけましょう。
憂鬱な感情は、「誰かに共有する」「リハビリ感覚で出社してみる」「自ら楽しみを用意する」などの方法で解消できる場合も多くあります。今できることからぜひ実践してみてください。
それでも仕事に行きたくないときは、無理をせず休んだり専門家を頼ったりするのがおすすめです。
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「憂鬱」「辛い」と感じる度合いは人それぞれ。自分の心の声に耳を傾けて、メンタルケアを怠らないようにしましょう。